〈200〉後回しだったスペースがドラマチックな非日常空間に

[rooots]
Nさん(夫40歳、妻38歳、長男11歳、長女8歳、次女2歳)
東京都文京区 / 約築38年 / 総工費510万円
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今回のリノベーションのテーマは、「家の中の非日常空間」です。ご依頼のNさんご夫婦の場合は、一戸建てにある地下スペースのリノベーションでした。地下と聞くと特別な感じがしますが、生活スペースとして使っていない部屋、屋根裏部屋、ガレージなどのリノベーションと考えると、応用できると思います。
Nさんご夫婦は、元々親族が所有していた家に11年前に家族で引っ越しをし、住まい部分はリノベーションしました。地下はおばあちゃん達の荷物が入っていた納戸だったので、手をつけずに放っておいたそうです。3人目のお子さんが生まれ、住まい部分が狭くなってきたので、「地下をどうにかしよう!」と思い、私たちブルースタジオに相談にいらっしゃいました。

11年間手を入れていなかった地下室は、物があふれ、湿気でジメジメし、においもこもっていました。まずは、ご夫婦の「納戸ではなく、読書や映画鑑賞ができる秘密基地のような空間にしたい」との希望を確認。その上で、「家族でゆっくり読書をしたい。家中の本を全て集めたい」「大きめの画面でリラックスして映画が見たい」「湿気やニオイがこもらない快適な空間にしたい」など、具体的にやりたいことを聞いていきました。
地下室は10平米6畳ほどのコンパクトなスペースなので、やりたいことを明確にするのが、何よりも大切でした。

元々あった腰壁を整えて、プロジェクターで映画を投影できるようにしました。さらに、ゆっくり座って映画鑑賞できるようにソファをオーダー。空間の雰囲気とサイズを合わせるために、既製品ではなくオリジナルなものを作りました。
さらに、腰壁の上の収納スペースを生かして本棚にしました。家中の本が何冊あるのか数えてもらい、全て入るような容量にしたのです。今まで分散していた本棚3個分の本が収まり、家の中がスッキリしたそうです。

また、気になっていた湿気ですが、元々納戸だったためか湿気対策はほとんどされていなかったのです。そこで、2重壁を設置したり、エアコンと換気扇をつけたり、現状でできることで乗り越えました。
今まで後回しになっていたスペースが、リノベーションによってドラマチックな非日常空間に変わりました。生活をするスペースではなく、好きなことをするスペースです。そんな秘密基地のようなところがあると、毎日の暮らしが豊かなものになっていくと思います。
リノベーションの写真のつづき(写真をクリックすると、各部屋の詳細をご覧いただけます)
Nさんご夫婦にきく
リノベーションQ&A
Q1 リノベーションをして生活が変わりましたか?
はい。リノベーションをした部屋を大切にするようになりました。また、娘が友達をたくさん家に連れてくるようになりました(笑)。
Q2 今回のリノベーションで一番大切にしたことはなんですか?
日常にない空間を作ることです。非日常の空間の中で、リフレッシュできるようにしたかったので。
また、本やDVDなどを収納するスペースを作ることです。腰壁の上が本棚になったのですが、奥行きがあり、位置が高くて子どもたちには取り出しにくいという難点がありました。そこで、前後2段の可動式にし、手前の棚ならソファや階段に登れば子どもでも楽に取れるようにしてもらい、使いやすくなりました。
Q3 次にリノベーションをするとしたら、どんなことをしたいですか?
リラックスできるように、お風呂場周辺をリノベーションしたいです。
構成・大橋史子