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永瀬正敏フォトグラフィック・ワークス 記憶
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(15) 後光が差した、誰の像? 永瀬正敏が撮ったカンヌ

国際的俳優で、写真家としても活躍する永瀬正敏さんが、世界各地でカメラに収めた写真の数々を、エピソードとともに紹介する連載です。つづる思いに光る感性は、二つの顔を持ったアーティストならでは。国際映画祭で訪れたカンヌで撮ったこの像、誰に見えますか?

(15) 後光が差した、誰の像? 永瀬正敏が撮ったカンヌ

© Masatoshi Nagase

僕はカメラを持っていると、つい歩いた時間を忘れてしまう。南フランスのカンヌを訪れた時、高台にある教会を目指して歩いていったら、まるで眼下の街並みを包み込むようにそびえ立つ聖母マリア像を見つけた。すると、絶妙なタイミングで雲間から光が差し、像を照らした。

ふつう、このような素晴らしい像は顔側を入れて撮るものだろうけれど、逆光のほうが、なぜか写真に思いがこもる気がした。頭部にかかる枝葉が気になり、重ならないアングルを探るうち、撮ろうとしているマリア像が、いばらの冠をかぶったキリスト像に見えてきた。

マリア像だけれどキリスト像にも見える。それを撮る、と思った瞬間、構図が固まった。横写真にすれば、もっと、眼下に広がる美しい街並みがしっかりと写り込むカットになるとわかっていたけれど、この時は、縦写真以外ありえなかった。

光に触発されたこの写真を撮った2年後、河瀨直美監督の映画『光』で、再びカンヌ国際映画祭に参加したことも、不思議な縁だった。映画の中では、僕の演じた写真家の部屋に飾ってある作品の中に、この1枚がさりげなく交ざっている。

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