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店でも家でも、器でおいしく
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〈4〉“フィーカ”でホッと一息つける、北欧の器/おさだゆかりさん

料理やデザートのおいしさを演出するなら、器にもこだわりたい。連載「店でも家でも、器でおいしく」では、“食の目利きたち”が敬愛する、器づかいがステキな人やお店をご紹介します。

友人とゆっくりお茶の時間を。木のトレーであたたかみを添えて。

今回の推薦者 … 長田佳子さん(菓子研究家)
紹介される人 … おさだゆかりさん(北欧雑貨店オーナー)

菓子研究家で「foodremedies(フードレメディ)」を主宰する長田佳子さんが紹介してくれたのは、北欧雑貨のオンラインショップ「SPOONFUL(スプーンフル)」のオーナーおさだゆかりさん。

「お宅にお邪魔すると、いつも丁寧でナチュラルなテーブルコーディネートと可愛い器で、ふぅっと北欧の気分を思い出させてくださいます」

15年ほど前から北欧に年3回は買い付けに行くというおさださんに、スウェーデンの「fika(フィーカ)」と呼ばれる“お茶の時間”の習慣や器づかいについてうかがいました。

〈4〉“フィーカ”でホッと一息つける、北欧の器/おさだゆかりさん
おさだゆかり
北欧雑貨店オーナー。2005年に北欧雑貨店「SPOONFUL(スプーンフル)」を立ち上げる。現在はオンラインショップと予約制の実店舗を運営しつつ、全国各地でイベント販売を行う。また、旅行代理店と組み北欧雑貨ツアーの企画や、カルチャースクールの講師を務めるなど、活躍の幅を広げている。近著に『北欧 ヴィンテージ雑貨を探す旅』(産業編集センター)、『わたしの北欧案内 ストックホルムとヘルシンキ』(筑摩書房)など

「SPOONFUL」を通して、北欧雑貨の魅力を日本に伝えてきたおさだゆかりさん。今でも春と秋に2週間ずつ、夏には1カ月もスウェーデンに滞在し、100点以上の雑貨を買い付けています。現地に到着すると、すぐに朝ごはんにカルダモンロールを食べて、朝フィーカをするそう。

「フィーカとは、スウェーデンのお茶を楽しむ習慣のこと。日常生活だけでなく仕事中にも取り入れており、2時間おきに10、15分ほど休憩します。気づけば2人、3人と集まってきてフィーカが始まり、コミュニケーションの時間になっているようです」

フィーカでは、コーヒーと甘いお菓子のワンセットが定番。街のベーカリーやカフェ、スーパーマーケットには、フィーカによく登場する伝統的な焼き菓子やクッキー、チョコレート、シナモンロール、カルダモンロールが置かれているそう。

おさださんも自宅に友人を招いて、フィーカの時間を楽しみます。「現地で売られているお菓子は賞味期限が短いので、日持ちの良いケネックブロード(スウェーデンの薄いパン)やクッキーなどを買って帰ります。ケネックブロードには、スウェーデン人が好むリンゴンベリー(コケモモ)を甘く煮たものや、スライスしたチーズを載せたりしますね」

〈4〉“フィーカ”でホッと一息つける、北欧の器/おさだゆかりさん
日本でめったに売られていないというケネックブロード

フィーカの時のドリンクは、本場では深煎りしたコーヒーが主流ですが、おさださんはフレーバーティーを合わせることが多いそう。お気に入りの紅茶は、スウェーデンの王室御用達の紅茶ブランド「Tea Centre of Stockholm」のもの。取材時は「森のベリー」と呼ばれるミックスベリーの紅茶を合わせました。

〈4〉“フィーカ”でホッと一息つける、北欧の器/おさだゆかりさん
今回のフィーカのセッティングは、フィンランドの現行品のカップ以外は全てヴィンテージのもの。取り皿にしたカップ&ソーサーの皿とケネックブロードが入った長方形の器は「アラビア」、クッキーが入っている器は「ロイヤル コペンハーゲン」を使用。ティーポットは、スウェーデンのデザイナー、シグネ・ペーション・メリンによって1970年代初頭にデザインされたもの

おさださんによると、北欧ではシラカバを使ったトレーや器などの木製品が多く、デザインやサイズも豊富だそう。「アイボリーの器やガラスのティーポットがシンプルなので、木のトレーが一つ入るだけで温かみが加わります。また無地の器を組み合わせる場合、テーブルクロスやナプキンの柄をアクセントとして取り入れ、彩りを加えるのもおすすめです」

〈4〉“フィーカ”でホッと一息つける、北欧の器/おさだゆかりさん
おさださんの木製品コレクションの一部。「現地の工房におじゃますると、職人の丁寧な仕事ぶりに毎回感動します」(おさださん)
〈4〉“フィーカ”でホッと一息つける、北欧の器/おさだゆかりさん
「行く度に新作を買ってしまうので、消費が追いつかないくらい(笑)」と、スウェーデンを訪れる度にフィーカ用の紙ナプキンをついつい購入してしまうというおさださん。コレクションには、マリメッコやグスタフスベリ、テント柄といったユニークなものも

一人フィーカでリフレッシュ。紙ナプキンでアクティブな気持ちに。

自宅兼オフィスのリビング・ダイニングからは、隣接する公園の緑が見え、太陽の光が差し込む気持ちの良い空間。おさださんは、普段から一人でもフィーカの時間が習慣になっています。

「毎日午後に一度、フィーカを楽しみます。今回の一人フィーカで使ったアイテムは、チョコが入っている器は『グスタフスベリ』、ポットは『ロイヤル コペンハーゲン』、カップは『アラビア』です。四角い木製のトレーに、その日の気分に合わせた紙ナプキンを敷き、その上に器をセッティングしてフィーカでリフレッシュしています」

〈4〉“フィーカ”でホッと一息つける、北欧の器/おさだゆかりさん
木製のトレーで温かみをプラスし、可愛い柄の紙ナプキンを合わせて午後からもうひと頑張りできそうな気分に

北欧の食器というと、日本でもよく目にする「アラビア」や「マリメッコ」に見られるような植物柄やビビッドな色の器をイメージしがちですが、実際現地では、無地やスタイリッシュなデザインのものも多く売られているそう。おさださんはフリーマーケットやアンティークショップ、セカンドハンドショップなどに足を運び、現在は製造されていない、今見ることのないデザインのものを見つけるのが「宝探しのようで面白い」と言います。

食器以外にも、鍋やケトルなどのキッチン・ダイニングアイテムのほか、木製のトレーや器、バスケット、ファブリックなど、あらゆる手工芸品を1日7、8軒をはしごして買い求めることも。自宅のキッチンには、買い付けたお気に入りの雑貨がコンパクトに収納されています。

〈4〉“フィーカ”でホッと一息つける、北欧の器/おさだゆかりさん
フィーカで使う道具は、すぐに取り出せるよう食器棚に棒を取り付けてつるして収納

8年前にリノベーションした際、既にある雑貨がちょうど収まるよう、おさださんは食器棚を特注しました。「3段ある棚の高さはそれぞれ微妙に違っており、ガラス製品を中段に持ってくることで抜け感を作り、“見せる収納”でスッキリとした印象にしています」

買い付けに行かない月は予約制のリアルショップを、1月から3月は友人を招いてワークショップを開催しているおさださん。
北欧雑貨の魅力を知る機会に、ぜひ足を運んでみては。

今回の推薦者

長田佳子(おさだ・かこ)
菓子研究家。老舗フランス料理店やオーガニックレストランを経て、2015年よりフリーランスに。砂糖やお菓子が人を癒やすものになってほしい、そんな思いから自ら活動する屋号を「foodremedies」と命名し、国産のもの、ルートの明らかなものなど素材を厳選してお菓子作りを行っている。

(文・久保田真理 写真・齋藤暁経)

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