永瀬正敏フォトグラフィック・ワークス 記憶
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(40)この光景を、撮らざるを得ない自分がいた マンハッタンの永瀬正敏

国際的俳優で、写真家としても活躍する永瀬正敏さんが、世界各地でカメラに収めた写真の数々を、エピソードとともに紹介する連載です。つづる思いに光る感性は、二つの顔を持ったアーティストならでは。ニューヨーク・マンハッタンのカフェで永瀬さんは、この光景を「撮らざるを得ない自分」に気づいたといいます。そのココロは?

(40)この光景を、撮らざるを得ない自分がいた マンハッタンの永瀬正敏

©Masatoshi Nagase

スナックや飲み物、たばこを売っている路上の売店で、女性が買い物をしている。その売店の、厚さわずか10センチほどの壁を隔てた手前に、ホームレスの男性が眠っていた。いろいろな服に埋もれるようにして。そのコントラストが切なかった。ニューヨークのマンハッタンで目にした光景だ。

僕はすぐ近くのカフェにいた。たくさん商品が並んでいる場所で買い物をする人がいて、そばで寝ているホームレスがいて、それをまったく気にしないで歩いている人がいる。これも一つの現実だけれど、目の当たりにすると撮らざるを得ない自分がいる。何があってこの差が生まれるのか。

ニューヨークに4カ月ほど住んでいた若い頃、ギャラリーのオーナーに紹介されたアーティストのアトリエに遊びにいった。「ビールでも飲もうか」と言われて表で飲んでいたら、ホームレスの女性が近づいてきた。すると彼が「飲んでいけば?」と彼女にビールの缶を差し出した。その自然な感じが、すごくいいなと思ったことを覚えている。

売店の横で眠っていたホームレスの男性は、40分ほどで目覚めて去って行かれた。眠っていた時の彼には、太陽の光があたっていた。ぽかぽかして、気持ちよかっただろう。彼に光が当たっている、その様子を撮りたかったのかもしれない。

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