めぐり、めぐって純喫茶
連載をフォローする

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

昭和の香りただよう純喫茶には、そのお店ならではのストーリーや、おいしいコーヒー、そして食事があります。ともに1996年生まれの俳優・見津賢と写真家・ヨシノハナが、東京のさまざまな純喫茶をたずねる本連載、第9回は浅草の老舗「コーヒーショップ ペガサス」です。

純喫茶が生んだ軽食 ピザトーストがおいしい店

クリームソーダのおいしいお店に続いて、さまざまなトーストのお店をご紹介してきましたが、純喫茶好きのみなさんはこう思ったかもしれません。「定番のあれがない」と。お待たせしました、今回はピザトーストをご紹介します。

この日訪れたのは、浅草国際通り沿いにある「コーヒーショップ ペガサス」。

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

両隣にはワイン酒場やおしゃれなイタリアン・バルなど“今っぽい”お店がある一方で、ほんの少し歩けば、約100年の歴史を持つ、すき焼き・しゃぶしゃぶの名店 浅草今半、歓楽街として栄えた浅草公園六区(現在は「六区ブロードウェイ」としてその名残をとどめる)にはロック座や演芸ホールなどの“歴史”が生きている。そんな今と昔が交差する場所にあるペガサス、さっそくお店に入ってみます。

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

自動ドアが開き、店内に入ってすぐ左を向くと・・・・・・「電話ボックス」? 初見の人は驚くでしょう。昔の純喫茶には、にぎわう店内で静かに電話ができるよう、こうした電話ボックスがあったのです。 設置されている公衆電話は最近替えたそうですが、以前はピンクのダイヤル式のものが置かれていたそう。

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

創業者であり、マスターの蒔田好一さんは、かつてを振り返ってこう語ります。

「今の内装に変わったのは40年以上前。開業時は中2階や大きなシャンデリア、ピアノなんかもありました。ここは歓楽街に近かったから、キャバレーのホステスさんやお客さんを中心に、コーヒーやミルクが一日に千杯近くも売れた。いい時代でした」

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

ゴブラン織りのソファ、ガラス製ペンダントライトの照明に、高級感ただよう店内。純喫茶には「名曲喫茶」「コーヒー専科」などいくつかのジャンルがあって、ペガサスは「ゴージャス系」に分類されるお店だと思います。上野の「ギャラン」、池袋の「伯爵」や埼玉県・蕨(わらび)の「クラウン」なども同じジャンル。

ペガサスはピザトーストが有名ですが、一説では、「ピザトースト」というメニューは純喫茶発祥だと言われています。昭和40年(1965年)ごろから出しているという、人気メニューはどんな味なのでしょうか?

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

第一印象は、「とにかく分厚い!」。厚さ4cmほどある食パンに載せられた、香ばしい玉ねぎ、ピーマン、ハム、そしてたっぷりのとろけるチーズ。毎日でも食べたくなるピザトースト、長年親しまれているのも納得。

マスターが言うには、フライパンでしっかり野菜を炒めると、よりおいしくなるんだとか。自宅でもまねしてみたくなりますよね。

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

ほかにもさまざまなメニューがあるものの、昔の純喫茶は基本的にはコーヒーを飲むための場所。今はどのお店にも特徴的なメニューがありますが、どのようなきっかけがあったのでしょうか。

「1964年、東京オリンピックのときに規制があったんです。浅草警察署の保安係が照明器具の明るさをチェックしに来ましたね。それから、軽食をお客さんに出すように、という指示が出ました」

ちなみに、このお店の創業者はマスターの蒔田さんですが、お父さんの代から飲食店をやっていたとのこと。先代は、今ではちょっと聞き慣れない名称で、営業をされていたようです。

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

「父親はもともと、上野で『外食券食堂(戦前にあった券交換式の配給所)』をやっていて、それからペガサスの前身である『ミルクホール』を御徒町で始めたんです。『ミルクホール』って聞いたことある? ないよねえ(笑)。

純喫茶は昔、どこもそう呼ばれていたんです。名前の通り、ミルクやコーヒーを提供していたんですね。そのお店を預かるかたちで、私がペガサスを創業しました。当時の純喫茶には私服のウェートレス・ドアガールがいて、レストランには制服を着たウェートレスがいたんです。知ってた?」

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

全然知りませんでした……。できればその時代のペガサスを訪れてみたかった。最後にマスターがぽつりと漏らした言葉が、ずっと心に残っています。

「今はチェーン店があるから、こういう店は、はやらないんだよ」。少しさみしい気持ちになりましたが、これからも通い続けようと、強く決意した瞬間でもありました。

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

(ピザトースト 1,100円、ウインナーティー 660円、アイスクリーム 770円 すべて税込み価格)

コーヒーショップ ペガサス
東京都台東区西浅草3-1-10
電話:03-3844-6963
営業時間:9:00~18:00
定休日:不定休

浅草の純喫茶「ペガサス」 老舗のマスターが語るオリンピックの記憶と極上のピザトースト

(文・見津賢 写真・ヨシノハナ)

REACTION

LIKE
COMMENT
0
連載をフォローする

SHARE

  • LINEでシェア

FOR YOU あなたにおすすめの記事

POPULAR 人気記事

※アクセスは過去7日間、LIKE、コメントは過去30日間で集計しています。

RECOMMEND おすすめの記事

&MEMBER限定の機能です

&MEMBERにご登録(無料)いただくと、気に入った記事に共感を示したり、コメントを書いたり、ブックマークしたりできます。こうしたアクションをする度にポイント「&MILE」がたまり、限定イベントやプレゼントの当選確率が上がります。

&MEMBERログイン

ID(メールアドレス)
パスワード

パスワードを忘れた方はこちら

&MEMBER登録はこちら

&MILEの加算アクション

  • &MEMBER新規登録:100マイル

    *今後、以下のアクションも追加していきます

  • 朝日新聞デジタル有料会員の継続:100マイル
  • ログインしてサイト訪問:10マイル
  • 記事に「LIKE」を押す:10マイル
  • コメントの投稿:30マイル
  • 自分のコメントに「LIKE」がつく:10マイル
  • アンケート回答:30マイル
  • 「朝日新聞SHOP」での購入:50マイル
  • イベント申し込み:50マイル

&MILEの獲得数に応じてステージがあがり、ステージがあがるごとに
&MEMBER限定のイベントやプレゼントの当選確率が上がります。詳細はこちら