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スイス1周鉄道珍道中~1等車と5つ星ホテルで
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絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー

世界遺産のブドウ畑

スイスで5つ星ホテルを泊まり歩き、鉄道の1等車で国をぐるり1周する――。&TRAVEL副編集長が2019年8月から9月にかけて、そんな旅を体験しました。写真家の猪俣博史さんと二人三脚で巡った9日間の珍道中、第6回は世界遺産「ラヴォー地区のブドウ畑」へ。生産量の98%が自国で消費されるというスイスワインは、国外では幻の存在。本丸中の本丸でワイナリーを訪ねて神髄に触れたものの、またもや思わぬアクシデントに見舞われたのでした。
(文・動画:&TRAVEL副編集長・星野学 写真:猪俣博史)

【動画】ラヴォー地区からモントルーへ戻る船で

第5回<フレディ・マーキュリーの部屋に?!>から続く

朝ご飯もゴージャス

うん? ばかに大きな布団だな……。

2019年8月28日、ホテル「フェアモント・ル・モントルー・パレス」で目覚めた私は、寝ぼけた頭でぼんやり考えました。事の次第を思い出すにつれ、ああ、と、状況を飲み込んでいきます。取材のつもりで訪れた「フレディ・マーキュリー・スイート」に泊まっていたのでした。横たわっていたのは、大人3人が川の字に寝られそうなベッド。

朝一番にしなければならないことも思い出しました。扉の向こうの、空調をガンガンにかけてあるリビングルームに干した下着の取り込みです。換えがなくなり、昨夜洗面台で手洗いしたのでした。起き上がって確認すると、ばっちり乾いています。これで大丈夫。朝食会場のレストランに向かいます。

絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
よりどりみどりに並ぶ食べ物

フランス語圏なので、交わすあいさつは「Bonjour!」。案内された席に腰掛け、カフェオレを頼んでビュッフェの食べ物をとりに行きます。卵料理はその場で焼いてくれるので、「サニーサイドアップ(目玉焼き)二つお願いします」と頼んで、席へ。目玉焼きは後から持ってきてくれました。

絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
ヘルシーな食べ物が並ぶ
絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
テラス席もあった

減量中のためヘルシーな食材を選び、ゆっくりと食べると、部屋に戻って旅支度。今日は、世界遺産「ラヴォー地区のブドウ畑」へ行き、ワイナリーでお酒を試飲させてもらうのです。酒好きの私にとっては、心弾む日になりそうです。ガイドの田口貴秀さんとロビーで待ち合わせて、いざ出発!

絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
今日はいい天気だ

こぢんまりとしたネスレの城下町

絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
(帰路はレマン湖を船で戻りました)
絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
この列車に乗って出発

モントルー駅を9時47分に出たローカル線は、8分後にヴヴェイ駅に到着。ヴヴェイは小さな街ですが、世界に名だたる食品企業ネスレの本社があります。ここで列車を乗り換えます。出発までまだ20分あるので、駅のそばにあるネスレの企業博物館「ネスト」へ行ってみたところ、開館時間前で入れず、開くのを待てるほどゆとりもないので、あきらめました。後で知ったのですが、2019年9月でネストは閉館したそうで、残念なことをしました。

絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
ネスレ発祥の地にある企業博物館「ネスト」

乗り換えた電車の中から、ネスレ本社が見えました。「このあたりの高地では、5月になると野生のナルシス(スイセン)が咲きます。『5月の雪』と呼ばれ、とてもきれいですよ」と田口さん。

絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
ネスレ本社ビル

世界遺産地区のワイナリーを訪ねて

10時23分、電車はラヴォー地区内のシェーブル村駅に到着しました。ピンク色の、小さなかわいい駅です。ここで降りて、ワイナリー「ドメーヌ・ボヴィ」を訪ねます。

絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
おとぎの国のような、かわいらしい駅舎

ラヴォー地区はおおざっぱにいうと、モントルーとローザンヌにはさまれたレマン湖北岸。ワイン造りはローマ帝国の時代にはじまり、カトリックの修道会が11世紀に本格化させました。およそ千年にわたる伝統的な生産方法の継承と発展を目に見える形で残していることなどが評価され、西はリュットリから東はコルシエ・シュル・ヴヴェイまで14自治体にまたがる898haが、2007年に世界文化遺産に登録されました。

絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
ブドウ畑を眺めつつ、緩やかな坂道を下る

ただ、ワイン生産地としてのラヴォーはもう少し広く、世界遺産からは外れているローザンヌやモントルーも含まれます。今回列車を降りたシェーブル村は、そのちょうど真ん中あたりです。

絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
ワイナリー「ドメーヌ・ボヴィ」

駅から緩やかな坂道を下り、ドメーヌ・ボヴィに5分ほどで到着しました。こぢんまりとしたワイナリーです。経営者のエリック・ボヴィさんが迎えてくれました。ガイドの田口さんとは旧知の仲だそうで、「いらっしゃい」と片手を挙げてあいさつを交わしています。田口さんのフランス語通訳を介して取材開始です。「室内と屋外、どちらで試飲しますか」と聞かれたので、湖とブドウ畑が見渡せる屋外のテラスで、とお願いしました。せっかくの絶景ですから。

絶景ワインヤードでクラクラ (6) モントルー~ラヴォー
ワインを試飲したテラス

まず、エリックさんがワイナリーについて説明してくれます。
「ボヴィ家は1759年からこの地で暮らしています。かつては農業も手がけていましたが、祖父の代からワイン造りに専念するようになりました。今は11haの畑でブドウを栽培し、年間18万本を生産しています」

ワイン熟成用のオーク樽(たる)が並ぶ部屋に案内してくれました。一つ2500ℓ~5000ℓの容量があり、多くは100年以上使われているとのこと。別の場所にあるステンレスタンクは大きいもので2万ℓあるそうです。

この地域の主力ブドウ品種であるシャスラで醸した白ワインを、試飲用グラスでいただくことにしました。エリックさんがグラスを手に「なみなみ? ちょっと?」と日本語でたずねてきます。おや! 聞くと、スイス料理やワインのイベントで訪日を重ね、覚えたとのこと。「飲むまでの言葉を知っていれば、あとはワインがすべてを語ってくれます」。うーん、なるほど。

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