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見た目変わらず大きく進化した「フィアット・デュカト」 運転ラクに、環境にもやさしく

ヨーロッパではキャンピングカーのベース車両として70%以上のシェアを誇るフィアット・デュカト。

もはやデファクトスタンダードととも言える人気車種が、2020年モデルで大きく変わりました。今回は何がどう変わったのか、お伝えします。

(TOP画像=2020年モデルで大きく進化したフィアット・デュカト。キャンピングカーにしたイメージ/Photo:Hobby Caravan)

外見そのまま でも排ガス性能アップ

今回のモデルチェンジでは、見た目はほとんど変わりありません。つまり、旧型に乗っていてぱっと見でそれと気付かれ悔しい思いをするということがなくて済みます。が、詳しく変更点を聞けば、かなり興味がそそられることでしょう。

なんといっても、今回の変更の目玉はエンジンです。フィアット・デュカトに搭載されるエンジンといえば、優れた走行性能と燃費性能、そして環境性能を兼ね備えたターボディーゼルエンジンですが、今回のモデルチェンジで、さらに厳しい排ガス規格「Euro 6d-TEMP」に対応しました。排気量は2.3Lのみですが、チューニングの違いで140HP、160HP、180HPの3種類があります。

これまでのエンジンとの一番の違いは、排気ガス浄化システムに尿素SCR方式が導入されたことです。尿素SCRシステムとは、排出ガス中に尿素水を噴射、触媒で化学反応を発生させ、NOx=窒素酸化物を効率よく浄化する方式のこと。

尿素SCRシステムは今や、走行性能と環境性能を両立するための最先端のトレンドです。大型トラックから始まり、最近では小型の商用車でも採用されるようになりました。お馴染みの、トヨタ・ハイエースでも17年11月から採用されています。

尿素水は専用のタンクに蓄えられ、エンジン制御コンピューターが自動的に必要量を排気ガス中に噴射します。浄化に使われる尿素水の量は運転状況などによっても異なりますが、燃料に対して数%と言われています。

尿素水がなくなってしまうと、エンジンが正常に動作しないため、ガソリン同様に補充する必要があります。「尿素水」というと聞き覚えがないかもしれませんが、ガソリンスタンドなどで「AdBLUE(アドブルー)あります」などの看板を見かけたことはないでしょうか?

このアドブルーとは、尿素SCRシステムに必要な高品位尿素水のこと。メーカーにこだわることなく「アドブルー」であれば、どこのものを入れても構いませんし、異なるメーカーのものが混じっても問題ありません。

バンコン、キャブコンの場合はAdBLUEの補給口は燃料給油口の下に設けられた

バンコンやキャブコンの場合、AdBLUEの補給口は燃料給油口の下に設けられている

各地のガソリンスタンドで手に入りますし、最近は通販サイトなどでも取り扱われているので、補給に困ることはないでしょう。

ひと手間増えることにはなりますが、高い走行性能と環境性能の両立には欠かせない物です。

変速スムーズに より運転しやすく

エンジンより地味な話題ではありますが、もしかしたら、こちらのほうが運転面では大きなトピックと言えるかもしれません。

これまで、フィアット・デュカトに搭載されていた「コンフォートマチック」というオートマチックトランスミッションは、一般的な機構とは異なり、言ってしまえば「普通のマニュアルミッションのシフトレバーとクラッチペダルを機械が動かしている」ような構造でした。

これはこれで効率の良い方式ですが、やや癖があり、それをドライバーが先読みしてアクセルを加減してやらないと、変速時のショックが大きくなるという弱点がありました。その他にもPレンジ(駐車レンジ)がないために、駐車する際は1速かバックに入れて停めなければならないなど、一般的なオートマチックトランスミッションとは違う扱いをする必要がありました。

こうした「慣れが要求された部分」が、今回のモデルチェンジで一般的なトルクコンバーター式9速オートマチックトランスミッションに変更されたのです。

一般的な機構になったので、機械に合わせてアクセル操作をする必要もなくなりましたし、もちろんPレンジもありますので、特別な扱いはいりません。また、6速から9速に多段化されたので、さらにスムーズに走るようになりました。

エンジン、ミッションが一新され、環境性能、走行性能により一層磨きがかかった(Photo:FCA)

エンジン、ミッションが一新され、環境性能、走行性能により一層磨きがかかった(Photo:FCA)

これまでも走行性能に定評のあったフィアット・デュカトですが、新エンジンとトランスミッションを得て、さらに走りに磨きがかかったようです。海外のキャンピングカー雑誌のテストでは「よりスムーズで走りやすい」「燃費が10%近くよくなった」という高評価が出ているようです。

残念ながらこの記事を書いた時点では、私は実車に乗れていません。いつか試乗できたら、ぜひまたお伝えしたいと思います。

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