野村友里×UA 暮らしの音
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野村友里さん「猛烈ラブレター、地球に書いたほうがいいかもね」

「eatrip」を主宰する料理人の野村友里さんと、現在カナダで暮らす歌手UAさんの往復書簡「暮らしの音」。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界中の人たちが、私たち一人ひとりが、ライフスタイルの変化を余儀なくされています。いま、野村友里さんが思うこととは。

野村友里さん「猛烈ラブレター、地球に書いたほうがいいかもね」
eatrip soilの庭。人間界は大変なことになっているけど、植物はむしろ、よりスクスク元気になっています

UAさんのお手紙「 泣きながらミナミのアメリカ村を疾走した日」から続く

うーこ

そちらはどうですか?
こちらはジッとしています。

なんとなく世の中がガラリと変わることが起こり、
人々が大事にすべきことの底辺が透けて見えてきて、
身や気が楽になり、シンプルになっていくのではないかな~という気がする。

というか、この1、2年、私はそう強く感じていて、
前回も話した “soil”「土」という意味の “食材屋さん”と ”考える場”、
つまり “物” と “事” を売る場を作ったのも、
そういう気持ちから生まれたものだからね。

目に見えるもの、見えないものの、自分の中での断捨離方法。
もし縄文時代だったら?という想定で、暮らしを想像してみるの。

土があって、水があって、光があって、火を起こせて、
さぁ何からどうやって楽しく暮らしていく?というシミュレーション。

そうすると料理をし、花を生けたり、農作物を育てたり、
絵をかいたり、歌ったり、音を奏でたり、しつらえたり、
生活を潤わせるだろうな~と。

野村友里さん「猛烈ラブレター、地球に書いたほうがいいかもね」
日の光をいっぱい浴びるチューリップ。右は酵素レモネード。いい働きの菌は、おいしくもあります

そして、空をふと見上げたりして、
遠くの誰かに想(おも)いを問いかけたくなるのではないかしらって思うの。

伝書鳩ってよく考えたもんだ。
鳥が空を飛んで、手紙を届けてくれるなんて。
今は見えない電波!?が空中を飛びまくっていて、
電話やらメールやらfaxのデータが飛んでいるんだろうけど、仕組みはよくわからないわ。

野村友里さん「猛烈ラブレター、地球に書いたほうがいいかもね」
トマトソースのパスタ。家で過ごすことが多くなったこの時期、定番かつシンプルな料理レシピを、少しずつインスタで紹介しています
野村友里さん「猛烈ラブレター、地球に書いたほうがいいかもね」
ミモザケーキは、私が小さい頃、冷蔵庫にホールで入っていると心ゆくまで食べた、夢のケーキ。母の本にレシピが収録されています

ということで、
うーこ、ラブレターって書いたことある?
手書きでよ。
そしてちゃんと相手に届けたことある?

誰かが言ってたのだけど、メールって簡単に書けるでしょ。もちろん時間かけて書く場合もあるけど。

でも、それを声に出して朗読するとするじゃない? 携帯見ながらPC見ながら。

やっぱり違うよね。なんか感情の入れ方が。

紙にむかってペンを持って一文字一文字書くのは時間がかかるし、声に出しながら書いたりしたら、さらに大変。
でも、なんだろう。
文字以外のものもいっぱい伝わってくる。
文字の癖とか、ペンの選び方とか、筆圧の差とか、紙の選び方とか、行間とか、速度とか温度とか、いろんな要素が飛び込んでくる。

だからなのか、もらった「手書み」はいつのまにか読んでいるうちに、相手の声と自分の声が重なってしまう感覚になる。
この往復書簡も、もし手書きだったらどうなってたかな~って、ふと思う。
きっと、文字以外のものもいっぱい張り付いていたりしそう。
葉っぱとか、枝とか、羽とか。
私は食べ物のシミとかかな。。。

野村友里さん「猛烈ラブレター、地球に書いたほうがいいかもね」
調理くずなどを堆肥(たいひ)にしています。堆肥を使って野菜を栽培し、野菜を食べたら、食べ残しをまた堆肥化する……という「循環」を可視化

って話がそれたけど、ラブレター!
私は誰かを想って書いて渡したことはない。
でも、その関係がうまくいかなくなったり、終わっても自分の中でもやもやした時に、自分がどんな状態なのか客観的に見つめたくて、書きなぐる習性があるの。

だけども、夜中の感情は赤面厄介。。。
朝起きて読み直すと、だいたい正気で読めない。
陶酔しすぎていたり、恥ずかしくなったり、自分の愚かさにがっかりしたり。

それでも時たまその書きなぐっている時にポロリと吐き出される、キラリと光る言葉を拾ってあげて、心のポッケにしまうようにしている。
メールで打ちまくるより、紙に書きなぐるほうが感情が流れでやすいのか、そんな拾い言葉が多い気がする。

野村友里さん「猛烈ラブレター、地球に書いたほうがいいかもね」
毎年この時期、レストランeatripの庭に咲く木香薔薇(もっこうばら)、ありがとう。来年、都市開発とかで隣に巨大なビルが建ちます。2年で建つビルと、何十年もかけて育った植物と。。。

昨年、原美術館で展示されていたソフィ・カルの 「限局性激痛」の作品がまさにそうよね。
失恋した日々の気持ちの変化を日々刺繍で縫った文と、写真で綴っていった作品。
感情の変化がとても伝わってくるし、時間治癒はすごいとも改めて感じた。

星野道夫さんの言葉ではないけど、“人間は高尚なようで浅はかな生き物”が響くわ。

野村友里さん「猛烈ラブレター、地球に書いたほうがいいかもね」
かぶ。花が咲いたあとに種ができるのですが、そのもう少しあとの土の中での姿です。私たちが目にすることのない姿ですが、すべての栄養素を出し切って次の子孫へ託したあと、カラカラになって土へと還っていきます

それでまた道それたけど、ラブレター書いた?

っていうか全然書いているし、歌ってるか!
どうなの、色あせない恋ごころを歌い続けるって。
その恋愛モチベーションはどうしているの?
是非そのあたりを、恋愛の女神として私が崇めているうーこに聞いてみたいなと。

でも、昨今はもしかしたら恋愛というより、愛おしいという感情で、対象物ももっと広く ”物” や ”事” 、そして ”生きとし生けるもの” に広がっているかもしれないけどね。

まず反省文。
そして、猛烈ラブレター、地球に書いたほうがいいかもね。

友里

UAさんのお返事に続く

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