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簡単、ごちそう感たっぷり! 白ワインが進むサラダ&チーズの一皿

白ワインがおいしい季節です。手間をかけずに、コロナ太りも気になるのでヘルシーに、でも満足感たっぷりに。そんな希望にぴったり合う、白ワインとのペアリングが知りたい! ……というわがままな筆者のリクエストに、東京・六本木で「マルズバー」を営む、ソムリエールでチーズプロフェッショナルの資格も持つ長谷川規子さんが一肌脱いでくれた。

今回のソムリエール

簡単、ごちそう感たっぷり! 白ワインが進むサラダ&チーズの一皿
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PROFILE
長谷川規子

はせがわ・のりこ
ホテルニューオータニ、レストラン香味屋を経て、香味屋の支配人だった長谷川優さん(写真左)と結婚。1994年に独立し、東京・六本木でマルズバーをオープン。90年代のワインブームを牽引(けんいん)し、多くのワイン好きに愛される名店に。2010年、フランスチーズ鑑評騎士の会でシュヴァリエに叙任される。19年、ヴィンテージ・ポート・アカデミー(VPA)ディプロマ取得。ワインとチーズの魅力を伝える一方で、15年金沢マラソン年代別優勝、19年東京マラソンでは3時間14分の自己ベストを記録するなど、「走るソムリエール」として活躍している。

シャルドネに、ナッツを加えたサラダとハードタイプのチーズ

規子さんが提案するのは、「白ワインが最高においしく楽しめる、サラダ&チーズペアリング」だ。「『基本のサラダ』に、ワインが持つ要素に近いフルーツやナッツなどをトッピングします。そこにチーズが加わると、ごちそう感が増す上、白ワインがどんどん進むペアリングになるんです」と規子さん。

白ワインといっても色々な種類がある。今回は「基本の3品種」のペアリングを紹介する。

まずは「シャルドネ」。世界中のワイン産地で栽培されている品種で「白ワインの女王」と称される、白ワインを代表するブドウ品種だ。

シャルドネが世界各地で栽培されるのは、どんな環境でも育てやすいため。涼しい産地のブドウから造るワインは、スッキリと上品な味わいに。一方、温暖な地域で育てたシャルドネのワインはまろやかでコクがあり、パイナップルなどのトロピカルフルーツの香りが感じられる。いい意味で際立った個性がないため、環境や造り方によって香りや味わいが変化する。今回は、樽(たる)で仕込んだタイプのシャルドネを。

「サラダにはクルミなどのナッツ類や栗を加えて。ワインが持つ樽のふくよかな香りと共通点があるので、とてもきれいに調和します」と規子さん。

簡単、ごちそう感たっぷり! 白ワインが進むサラダ&チーズの一皿
コンテチーズ (c)getty images

合わせるチーズは、スイス国境の近くで生産される、フランスを代表するハードタイプのチーズ「コンテ」。芳醇(ほうじゅん)な香りでうまみが強く、ナッツのような風味が特徴だ。

「ワインの樽の香りとナッツを感じさせるチーズの味わいが、きれいにマリアージュします。ディナータイムでも楽しめる、ちょっとリッチなペアリングです」と規子さん。さらにここに柚子(ゆず)を加えるとコクの中に清涼さが加わり、樽の風味がより生きるのだとか。

リースリングには、青カビタイプのブルーチーズを

次は「リースリング」。ドイツ原産のブドウで、ドイツから伝わったフランス・アルザス地方でも多く栽培されている。ワインは辛口、甘口両方があり、最高級の甘口ワインである貴腐ワインもリースリングから造られる。辛口も甘口もイキイキとした伸びのある酸味と、白いお花や洋ナシ、ハチミツを思わせる、品のある甘やかな香りが魅力だ。

「最近はドライなタイプが人気ですが、ちょっと疲れたときなどは少し甘やかなリースリングに癒やされます」と規子さんはニッコリ。そこで、遅摘みタイプの甘口のリースリングと、やはり優しい甘味を持つ洋ナシやイチジク、柿をトッピングしたサラダを合わせて。

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ロックフォール(getty images)

チーズは、青カビタイプのブルーチーズを。羊乳から作るフランスの「ロックフォール」、同じくフランス・オーヴェルニュ地方のチーズで牛乳から作る「フルム・ダンベール」、イギリスの「スティルトン」、イタリアの「ゴルゴンゾーラ」など、様々なタイプがある。

ミルクの味わいの中に、しっかりとした塩味とピリッとした辛みがあるのが特徴。「甘口のリースリング、甘みのある果物とチーズの塩味、辛みが引き立て合い、とても立体的なマリアージュになります」(規子さん)

さわやか! 暑い季節におすすめのペアリング

さて、今回ご紹介したいペアリングは、暑い季節に楽しみたい“ソーヴィニヨン・ブラン×グレープフルーツサラダ×シェーブルチーズ”だ。

ソーヴィニヨン・ブランは、グレープフルーツのような爽やかな酸味や、ハーブのような青さを感じさせる風味が特徴。フランスのボルドーやロワール地方が有名だが、今では世界各地のワイン産地で造られている。中でもニュージーランドは良質なソーヴィニヨン・ブランの産地として注目を集めている。

長谷川さんがセレクトする1本は、ニュージーランドの中でも銘醸地としてその名をはせるマルボロ地方で、日本人醸造家・岡田岳樹さんが醸す「フォリウム ソーヴィニヨン・ブラン」

「ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランは、比較的トロピカルな香りや味わいのワインが多いのですが、岡田さんが手がけるソーヴィニヨン・ブランはとてもスッキリとしていて、果実味は柔らかく繊細でエレガント。じんわりとうまみも感じられ、ずっと飲み続けたくなる素晴らしいワインなのです」(規子さん)

簡単、ごちそう感たっぷり! 白ワインが進むサラダ&チーズの一皿
ヤギのチーズのいろいろ。手前の丸いチーズがクロタン・ド・シャヴィニョル、灰をまぶした棒状のものがサント・モール・ド・トゥレーヌ

このワインに合わせ、サラダにはグレープフルーツ、チーズは「シェーブル」を。ヤギのミルクから作るチーズで、作りたてのフレッシュなものはさわやかな酸味が、熟成させたものは濃厚なミルクの味わいが楽しめる。

オススメは「クロタン・ド・シャヴィニョル」。フランスではサラダに使う定番のチーズだ。同じくフランスのヤギチーズで表面に木炭をまぶしている「サント・モール・ド・トゥレーヌ」でもよい。

ペアリングの前に、基本のサラダをマスターの長谷川優さんがレクチャーしてくれた。「リーフ系の野菜をベースに、トマト、ボイルしたスナップエンドウ、ヤングコーン、カリフラワーなどを加えると、食感の変化が楽しいサラダになりますよ。食べごたえも出ます」と優さん。

簡単、ごちそう感たっぷり! 白ワインが進むサラダ&チーズの一皿

基本のサラダ

  1. ドレッシングを作る(塩・こしょう・マスタード 各小さじ1/2、白ワインビネガー 大さじ2、オリーブオイル・サラダオイル 各大さじ3に、ニンジン10gとタマネギ20gのすりおろしを加え、よく混ぜる)。
  2. ボウルに野菜を入れ、ドレッシングを絡めるように混ぜ合わせる。
  3. サラダにナッツやフルーツをトッピングし、チーズとバゲットを添える。最後にゲランドの塩をふると味が引き締まる。

コンテとブルーチーズはそのままトッピング。シェーブルは薄切りにしたバゲットにのせ、オーブントースターで軽く焼き、仕上げに少量のハチミツを垂らす。「加熱することでチーズの水分が飛び、うまみが凝縮してコクが増します。これがまたおいしい!」と規子さん。熟成していないフレッシュなタイプは、焼かずにそのまま添えても。

ポイントは、トーストしたチーズにハチミツをトッピングすること。「ハチミツのほんのりとした甘みが、ソーヴィニヨン・ブランならではのさわやかな酸味、チーズの酸味と絶妙なバランスを見せてくれます」と規子さん。シェーブルはさっぱりとしているので、黒こしょうやハーブでアクセントを加えるのもオススメだとか。

ときにリッチに、ときにほっこり、ときにさわやか気分に。「白ワイン×サラダ×チーズ」のペアリング、奥深い! もっと探ってみたくなる。だからワインはやめられない。

「フォリウム ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2019年」
4180円(税込み)

簡単、ごちそう感たっぷり! 白ワインが進むサラダ&チーズの一皿

「フォリウム・ヴィンヤード」は2010年、ニュージーランド南島のマルボロ地方に創業。栽培家であり醸造家である岡田岳樹さんは、東京都出身。北海道大学で農学を、カリフォルニア大学デイヴィス校でワインの栽培・醸造を学び、ニュージーランドへ。フランス・ロワール地方でソーヴィニヨン・ブランを手がける老舗「アンリ・ブルジョワ」がマルボロ地方で展開するワイナリー「クロ・アンリ」で働き、技術と哲学を学んだ。

簡単、ごちそう感たっぷり! 白ワインが進むサラダ&チーズの一皿
岡田岳樹さん

「高品質なワインを造る一番の近道は高品質なブドウを育てることです」と岡田さん。徹底した収量制限を行い、秋には果実をすべて手摘みで収穫。銘醸地のテロワールを映し出したブドウの個性を最大限に生かすため、醸造においては人の関与を必要最小限にとどめる。ソーヴィニヨン・ブランに加え、ピノ・ノワールも手がけ、その品質とエレガントなスタイルが人気を博している。

中島董商店のオンラインサイトなどで購入可能。

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