&M

日本はウマい
連載をフォローする

<07> 「これはラーメンではない」 札幌の高級“麺料理”に感じる大地

全国の飲食店巡りをライフワークとするグルメジャーナリスト・マッキー牧元さんが、2019年に訪れた300軒近くの中から、心に響いた地方の飲食店を紹介します。今回は札幌の麺料理屋。「ラーメンではありません。麺料理と呼んでください」と店主が言うその正体とは。

     ◇◆◇

札幌のラーメンといえば、味噌(みそ)ラーメンである。

数多くの店がしのぎを削っている。

個人的には味噌ラーメンのおすすめに「喜来登」をあげたい。

麺の上にネギの山がこんもりとのったこの店のラーメンには、余計なことをなにもしていない素晴らしさがある。

そして、優しい味から次第に濃い味に変わっていく仕掛けが隠されていてクセになる。

ラーメンの範疇では語ることができない

最近は、こうした味噌ラーメンだけでなく、しょうゆ味のつけ麺やまぜそば、沖縄ソーキそば風、エビそば、煮干しラーメンなど様々なスタイルがはやっているようである。

しかしここ「高級麺料理 昼膳 無聊庵(ぶりょうあん)」は、その独創性、完成度において、ずぬけている。

「ラーメンではありません。麺料理と呼んでください」と店主がいうように、もはやラーメンの範疇(はんちゅう)では語れない料理である。

その代表作である、「足寄町石田めん羊牧場さんのホゲット肉のグリル、羊骨と鰹出汁の熱々麺」(税別3000円)をいただいてみよう。

足寄町石田めん羊牧場さんのホゲット肉のグリル、羊骨と鰹出汁の熱々麺

足寄町石田めん羊牧場さんのホゲット肉のグリル、羊骨と鰹出汁の熱々麺

ホゲットの肩ロースをソテーし、北海道産小麦粉100%の自家製麺を茹(ゆ)で、羊の骨とアキレス腱(けん)、鰹節(かつおぶし)でとったスープを張り、特別な白アスパラと緑アスパラをのせる。

スープを飲めば、鰹節の香りの向こうから羊の大群がやってきて、味覚を鼓舞する。

麺をすすれば、小麦の甘い香りが立ち上り、噛(か)めば麺のほのかな甘みが広がっていく。

そしてホゲットにかじり付けば、勇壮なる滋味が舌に滴り落ちる。

「俺は肉を食らっているぞお」

そう立ち上がって叫びたいほどの興奮が体の中を走る。

汁を飲み、麺をすすり、肉にかじりつく。

どどうっ。

食べるたびに、大地が鳴動する。

これはもはやラーメンではない。

北海道の凛々(りり)しき大地である。

生命力のたくましさに唸(うな)り、豊かな味わいに笑う。

そんな麺料理である。

昼の営業だけで限定10食、しかも予約制である。

麺料理ながら3000円と高価だが、肉を食べてみれば、この値段が安価であることに納得するだろう。北海道の厳選した食材に敬意を払い、こだわりにこだわりを重ねたプロが作り上げた傑作である。

もう一つの傑作、「せたな町ファーム・ブレッスド・ウィンド福永さんの放牧黒豚 ローストポークと季節の野菜、トンコツと鰹の合わせ出汁(だし)」(税別2000円)も食べたが、極めて質が高い。

せたな町ファーム・ブレッスド・ウィンド福永さんの放牧黒豚 ローストポークと季節の野菜、トンコツと鰹の合わせ出汁(だし)

せたな町ファーム・ブレッスド・ウィンド福永さんの放牧黒豚 ローストポークと季節の野菜、トンコツと鰹の合わせ出汁(だし)

滋味に富んだ豚肉を、噛みしめる喜びがある。

長らく休業していたが、7月16日より営業を再開する(ただし週1回から2回の限定営業)。

「足寄町石田めん羊牧場さんのホゲット肉のグリル、羊骨と鰹出汁の熱々麺」は定番メニューで、「せたな町ファーム・ブレッスド・ウインド福永さんの放牧黒豚」は、月一回の限定入荷のため、メニューに載らない日もある。

限定新メニューは、「フランス ブレス鶏を使ったブレス麺」(税別2500円)。

8月中旬ごろまでは 「日本海のウニ麺(冷製)」 (時価税別2000〜3000円)もあるという。

店情報

高級麺料理 昼膳 無聊庵

札幌市中央区南二条西4丁目 oyoyo valley2階 Magazzino内
080-9617-5430
営業時間:12:00〜13:45(要電話予約)
定休日:日、月、火
FBページ:www.facebook.com/buryouan/

*新型コロナウイルス対策として入り口にアルコール消毒液を設置し、同時入店は最大3組の制限あり。

REACTION

LIKE
COMMENT
0
連載をフォローする

SHARE

  • LINEでシェア

FOR YOU あなたにおすすめの記事

POPULAR 人気記事

※アクセスは過去7日間、LIKE、コメントは過去30日間で集計しています。

RECOMMEND おすすめの記事

&MEMBER限定の機能です

&MEMBERにご登録(無料)いただくと、気に入った記事に共感を示したり、コメントを書いたり、ブックマークしたりできます。こうしたアクションをする度にポイント「&MILE」がたまり、限定イベントやプレゼントの当選確率が上がります。

&MEMBERログイン

ID(メールアドレス)
パスワード

パスワードを忘れた方はこちら

&MEMBER登録はこちら

&MILEの加算アクション

  • &MEMBER新規登録:100マイル

    *今後、以下のアクションも追加していきます

  • 朝日新聞デジタル有料会員の継続:100マイル
  • ログインしてサイト訪問:10マイル
  • 記事に「LIKE」を押す:10マイル
  • コメントの投稿:30マイル
  • 自分のコメントに「LIKE」がつく:10マイル
  • アンケート回答:30マイル
  • 「朝日新聞SHOP」での購入:50マイル
  • イベント申し込み:50マイル

&MILEの獲得数に応じてステージがあがり、ステージがあがるごとに
&MEMBER限定のイベントやプレゼントの当選確率が上がります。詳細はこちら