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「縦のものを横に」大胆な発想の転換でエアコン搭載したバンコン

キャブコン以上の車になら装備されることの多かったエアコンですが、ミドルルーフタイプでありながら標準装備した車両が誕生したと聞き、取材してきました。

(TOP写真=トヨタ・ハイエース、ワゴン・GLベースのスペースキャンパーCOOL。ミドルルーフなので、普段の使い勝手は抜群)

ミドルルーフや標準ルーフでも標準装備

これまで、バンコンにもエアコンを装備している車はあるにはありました。しかしそのほとんどがハイルーフ車。室内スペースが限定されるバンコンに、大きくて重たいエアコンは不利だったのです。

とはいえ、使い勝手や置き場所などの諸条件から、ハイルーフを選びにくいユーザーも多くいます。そんな要望に応えるべく、ミドルルーフや標準ルーフタイプのキャブコンにエアコンを標準装備として搭載した車両が登場しつつあるのです。

エアコンを搭載しようとすると、室外機、室内機、インバーター、追加バッテリーなどなど、さまざまな機器を搭載しなければなりません。以前ご紹介した車載エアコンのように、ワンボックスカーの床下に室外機が楽々収まるコンパクト設計のものもありますが(参照:画期的なエアコン登場)、今回ご紹介するのはまた別なタイプ。思わず「その手があったか!」と言いたくなる発想の転換で、見事にエアコンを搭載しました。

その車両は「キャンピングカー長野」の「スペースキャンパーCOOLシリーズ」。ベース車両には、トヨタ・ハイエース、ワゴン・GL(ワイド・ミドルルーフ)、同じくハイエース、バン・スーパーGL(ワイド・ミドルルーフと標準幅・標準ルーフの2種類)の合計3モデルがあります。

ウインドエアコンを横倒しに

このスペースキャンパーシリーズの特徴は、センターに小さなポップアップルーフを装備していること。キッチンキャビネットが車体中央部にあるため、キッチン前に大人が楽に立てるだけの天井高を確保しています(そのおかげで特種車両登録=キャンピングカー登録もできます)。キッチンが中央にあることでリア部分がフルに使えるため、広いラウンジレイアウトが好評です。

キッチンユニットや冷蔵庫などが、車両中央部に集めて設置されている(キッチン前の頭上がポップアップするので大人も立てる)

キッチンユニットや冷蔵庫などが、車両中央部に集めて設置されている(キッチン前の頭上がポップアップするので大人も立てる)

キッチンを中央に配したことで、リア部分のスペースを効率よくリビングに充てられる無駄のないレイアウト

キッチンを中央に配したことで、リア部分のスペースを効率よくリビングに充てられる無駄のないレイアウト

さて気になる搭載エアコンですが、なんとウィンドエアコン(6畳用)です。ウィンドエアコンの最大の特徴は、室内機と室外機が分かれていないこと。その分コンパクトではありますが、縦長の形をしているため、あくまでも一般家庭の窓に取り付けるのが前提です。いかに設置が簡単なウィンドエアコンといえど、決してキャンピングカーに搭載しやすい形ではありません。

そこをどう取り付けたのか? 解決策は「横倒し」にしたこと。そう言うと簡単なことのように聞こえますが、もちろん、ウィンドエアコンは横倒しで使うようにはできていません。ドレンの排水の流し方など、独自の加工が必要になります。

右サイドのボックスにエアコンを収めている。サイドミラーよりもはみ出る幅は小さいから、取り回しに支障はナシ

右サイドのボックスにエアコンを収めている。サイドミラーよりもはみ出る幅は小さいから、取り回しに支障はナシ

スペースキャンパーCOOLシリーズでは、エアコンを後列右側のサイドウィンド部に設置。室外にやや張り出すため、FRP製のボックスでカバーし、使用時にはボックスに設けられた廃熱孔を開けて使います。

よく見れば、横倒しにされているのがわかるウィンドエアコン。違和感なく設置されているところもすごい

よく見れば、横倒しにされているのがわかるウィンドエアコン。違和感なく設置されているところもすごい

満充電で6時間以上の運転が可能

搭載されているバッテリーは、125Ahのリチウムイオンバッテリーが2個(ベーシックなスペースキャンパーは1個)。条件にもよりますが満充電で6時間以上の運転が可能とのことなので、一晩快適に過ごすには十分といえそうです。100Wソーラーパネル2枚(ベーシックなスペースキャンパーは1枚)も標準装備。走行充電器や外部充電器もリチウムイオンバッテリー対応のシステムなので、上手に使えば長旅でも問題がなさそうです。

気になる価格は、561万円~。ベーシックなスペースキャンパーが489万円~ですから、70万円以上のアップです。思わず「エアコンつけるだけで!?」と言いたくなりますが、エアコン取り付けに伴って家具の形状が変わること、室外に張り出した部分のFRPボックス、リチウムイオンバッテリーとソーラーパネルの増設分を合わせると、納得できる金額ではないかと思います。

ミニポップアップを上げたところ(写真はベーシックなスペースキャンパー。ベース車両はハイエースワゴンGL)

ミニポップアップを上げたところ(写真はベーシックなスペースキャンパー。ベース車両はハイエースワゴンGL)

なにより、ミドルルーフサイズで扱いやすいバンコンに出力十分なエアコンがついていることを考えたら、きっとこうした車を探している方はいるであろうと思われます。

ハイエースベースなら「自分の車にもつけたい」という希望者も出てきそうですが、残念ながら同社では後付け用の販売はしないとのこと。また、家具の形状も違うため、従来のスペースキャンパーにも後付はできないとのことです。

年々厳しさを増している日本の夏。さらに防災のことや、子ども連れ・シニア連れの旅を考えている人にはうれしい装備。バンコン選びの選択肢が、また一つ広がりました。

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