名前にちなんだ形の貯金箱 家族に「お金を入れてね」と頼んだワケは

消しゴムハンコ作家で、忌野清志郎さんの長女・百世(ももよ)さんの連載「よなよなハンコ」。今回は、貯金箱のお話です。子どもの頃、お金と一緒に夢も膨らんでいくような気がして、せっせとためていた貯金箱。でも忍耐力がなく(?)、満杯までためられたことは無かったな……。百世さんの貯金箱の使い方は、お金をためることとはちょっと違うようです。キャッシュレス決済が急速に普及していく今、貯金箱にチャリンとお金を落としていく楽しみも、昔の話になっていくのでしょうか。(上の写真は、今回のハンコのパーツです。どんなハンコになるのかは、本文の最後に!)
◇
最近、桃が2箱も届いて、ダメになる前に食べきらねば!と張り切って昼も夜も食べていたら、ペロリとなくなってしまいました。やっぱり桃は甘くておいしくって、匂いにも癒やされますね~。
桃といったら、私の名前の「もも」は、漢字の「百」なんですが、「もも」=「桃」のイメージになるみたいで、昔から桃のお菓子とか、桃のグッズ、桃の絵本などをもらうことがありました! 自然と桃が集まってきてたなぁ。

ハートにも見えますが……?
自分でも、何かとモチーフに桃を選びがちでした。小学校の図工の授業で、桃の貯金箱を作ったことがありまして。桃といっても、正面はゆるいおにぎりみたいで全く丸みがなく、横から見るとバスドラムみたいな形。それくらい粗い仕上がりだったんですが、そのときはすごいもの作れたな~ってお気に入りでしたね。
それに「お金を入れてね!」って紙を貼って、必ず家族の目につくテレビのところに、その貯金箱を置いていました。
当時なぜか毎日お金を数えるのが趣味で、何か欲しいからではなく、数えるお金を増やしたいがために、桃の貯金箱と、さらに3個くらい他の貯金箱もテレビの近くに置いていたんです。
どんだけ数えたかったんだ、小学生の私!

あ! 顔ができた!
気が向いたら家族が小銭をいれてくれて、貯金箱をチェックしたときにカランカランと音がするのがうれしかったな。
たまに外国のコインやおもちゃのお金が入っていたり、「え、お札じゃん! やったー!」と思ったら、見た目の似ている違うものだったりして、ガッカリしたこともありましたね〜。
今思えば貯金箱というより、私への募金箱だったかも? 自分でお金を入れたことは全くなかったし。
一体何のための募金だよ、って感じですけどね。

完成~!
今回の消しゴムハンコは、桃です。桃のキャラクターのなかに、当時作った桃の貯金箱をまぎれ込ませました! 桃の貯金箱には顔はなかったんですが、こんな形で桃の丸みは全くなく、側面が厚い貯金箱でしたね。まわりに散らばっているハンコもぜひ見てください〜。
今でも貯金箱は好きなので何個か持っていますが、さすがにテレビの前にはもう募金箱は置かなくなったなぁ。
百世