&Travel

クリックディープ旅
連載をフォローする

本腰入れて石垣島の路線迷路へ 沖縄の離島路線バスの旅8

下川裕治さんが沖縄の離島の路線バスを乗り尽くす旅。前回から石垣島での挑戦の記録がはじまりました。今回は、バス路線を攻略しながら、沖縄料理もたっぷり楽しみます。

本連載「クリックディープ旅」(ほぼ毎週水曜更新)は、30年以上バックパッカースタイルで旅をする旅行作家の下川裕治さんと、相棒の写真家・阿部稔哉さんと中田浩資さん(交代制)による15枚の写真「旅のフォト物語」と動画でつづる旅エッセーです。

(写真:中田浩資)

沖縄の離島旅・石垣島2

石垣島バス系統図

主に文章に登場する停留所名を記載するなど、簡略化しています

沖縄の離島。運行する路線バス走破の旅。八重山諸島に渡り、竹富島、西表島、そして与那国島のバスを乗り切り、フェリーで八重山諸島の基点になる石垣島に戻ってきた。路線数がいちばん多い石垣島の路線バスを乗り尽くす旅がはじまった。石垣島周辺の離島のバスに乗るために石垣島港から何回か船に乗った。その空き時間を使って、石垣島の路線バスに少しずつ乗っていたが、それだけではとても乗り尽くせない。13路線もあるのだ。朝夕だけ通る区間もある。本腰を入れて挑まなくてはならなかった。

長編動画

石垣島内を走る米原キャンプ場線のバスの車窓風景をたっぷりと。海岸線を走る路線が多いなかで、島中央を横切る数少ない路線。そのルートのややこしさは、音声で解説しています。

短編動画

新石垣空港から路線バスに乗る。ここから石垣島のバス迷路に入り込んでいく。

今回の旅のデータ

石垣島には迷ってしまうほど宿が多い。はじめはネットで検索した市街地から歩いて10分ほどの宿に泊まった。1泊ひとり3000円。しかし徒歩10分は、暑い石垣島ではややつらい。そこでバスターミナル周辺を歩いてみつけたのが「やいま日和」という宿。畳部屋でふたりひと部屋で、ひとり2800円。バスターミナルまで歩いて1分、石垣港離島ターミナルまで歩いて2分。八重山諸島の路線バス乗り尽くし用の宿? ネットでは見逃していた宿だった。現地で歩いて探すと、都合のいい宿がみつかる。

沖縄の離島旅「旅のフォト物語」

Scene01

朝食

石垣島で泊まっていたのは1泊ひとり2800円の宿。この料金は当然、朝食なし。で、毎朝近くのコンビニへ。これは中田浩資カメラマンの朝食。しっかり沖縄です。僕はというと、菓子パンにコーヒー。沖縄皆無? でも菓子パンは「まるそう」や「オキコ」という沖縄の会社のパン。甘さは強め。サイズは大きく、途中で飽きてくる。そこが沖縄?

Scene02

検温

朝のお決まりは検温。石垣島に到着したときに伝えられた。熱が出たら医療機関に連絡しなくてはならない。それにマスクは必需品。コロナ禍時代の旅のスタイルだ。旅には体温計持参がマナーというわけだ。体温、低い? そうなんです。熱を測るたびに悩むこと。僕って熱量が少ない?

Scene03

バス

石垣島の路線バス乗り尽くし旅は朝からはじまる。この日、まず乗ったのは八重山病院線。八重山病院は2018年に、やや郊外に移転。施設も新しくなった。それに合わせてつくられた路線で、バスターミナルでもらう時刻表にはまだ載っていない。市内バス感覚で終点の八重山病院まで30分弱。バスも中型。

Scene04

ワイシャツ

次々にバスに乗っていく。これは長編動画で車窓風景を紹介した米原キャンプ場線。複雑な路線なので、早めに乗りつぶすことにした。乗り込むと、運転席の後ろにワイシャツ。暑い石垣島。着替え用のシャツをつるしていた。この席は新型コロナウイルスの感染防止のために使用不可。つるす場所ができたということ?

Scene05

川原線

続いて乗ったのが川原線。空港近くの川原を往復する。どうも僕らのことは運転手さんの間で話題になっているのか、車内放送を使って石垣島案内をしてくれた。乗客は僕らふたりだけということもあったのだが。「川原線は、わが社の路線のなかでは、かなりの赤字路線です」。そんな路線バス案内も。

Scene06

直売所

川原線に乗っていると、磯辺バス停をすぎたあたりで、「このへんはパイン農家が多いんです」と運転手さん。見ると直売所が。いちばん安いパイナップルは1個50円。「安っ」。この先、乗客がぱらぱら乗ってきた。時刻は夕方。「市街地での飲み会に行く人たちですよ」と運転手さんの石垣島案内。

Scene07

宿

「今日はここまで」。そんな感じでターミナルに戻ってきたバスを降りる。焼き肉店や居酒屋の呼び込みを背中で聞きながら宿に戻ってひと仕事。今日乗ったバスの整理を忘れると、なにがなんだかわからなくなる。石垣島の路線バスはやはり複雑だ。まだ乗っていない路線は多い。時刻表を眺めると気がめいってくる。

Scene08

冷房

宿はバスターミナルから歩いて1分。繁華街にある。かつては立派な和風旅館だったことがつくりから伝わってくるが、いまは安宿。となると、当然、冷房は有料。この種の機械には昔から苦労してきた。途中で止めることができなかったり、夜中に料金が終わったり。そんな不便さは解消されていた。安宿も進化してます。

Scene09

ユーグレナモール

沖縄のなかで張り合う石垣島と宮古島。ふたつの島の人が集まる飲み会になると、だいたい島自慢が激しくなる。石垣島の人の決まり文句は、「宮古にはアーケード街がないだろ」。で、これが自慢のアーケード街、ユーグレナモール。胸を張るほどにぎわってはいないが。加えていまはコロナ禍。シャッターをおろした店もある。

Scene10

貼り紙

石垣島の繁華街。政府による東京から他県への移動自粛要請も解かれ、飲食店のほとんどは店を開いていたが、経営者たちの心の裡(うち)はコロナで揺れている。家賃を払い、従業員に給料を払うためには多くのお客さんにドアを開けてもらいたい。でも、東京や大阪からのお客さんは……。貼り紙には、そんな迷いがにじみでていた。

Scene11

石垣牛のすし

石垣島では石垣牛が大ヒット。石垣島の繁華街は焼き肉タウンになってしまったのか……と思うほど。で、焼き肉店を避けた沖縄料理屋に入ったのだが、そこで皆が頼んでいたのが石垣牛のすし。1貫250円。適度にあぶった石垣牛ですしを握っていた。赤みの多いしっかりとした肉。この安さなら、皆頼むのもうなずける。

Scene12

八重山料理

石垣牛に走ってばかりでは……と、翌日は昔ながらの八重山料理を頼んだ。オオタニワタリの天ぷら、八重山かまぼこ、ミミガー。オオタニワタリはシダ植物で、その葉は八重山地方では有名な島野菜。強い味ではないが、サクッとした歯ごたえがいい。そしてかまぼこ。ほっこりします。

Scene13

シークワーサー

揚げ物を頼むと、必ずといってもいいほどシークワーサーがついてくる。これを料理にかけて食べる。日本名はヒラミレモンというが、沖縄での呼び方が一般的になった。八重山の人は、刺し身のしょうゆに加えたり、泡盛に搾り入れたり。皮にやや黄が混じる頃のシークヮーサーのさわやかな甘み。僕は好きです。

Scene14

魚のマース煮

私ごとで申し訳ないが、コロナ禍のなかで痩せました。我が家は妻と娘ふたり。家で食事をとることが増え、彼女らのダイエットメニューにつきあっているうちに3カ月で5キロ減。しかし沖縄の料理は揚げ物が多く、カロリー高め。せっかく痩せたのに……と魚のマース煮、880円。マースは沖縄で塩のこと。これで太らない?

Scene15

沖縄料理屋

沖縄は暑くてもおでん。沖縄のおでんは、テビチという豚足入りの濃厚な味。常連客から、「かーちばい」という風の話を聞く。夏至南風と書く。やや蒸し暑いこの風が、本格的な夏を告げる。その風が今日、吹いたという。すると別の常連さんが、極上マグロの差し入れ持参で登場。聞くと近くでステーキ屋を営むドイツ人。石垣島の夜は更けていく。

※取材期間:2020年6月26日~7月2日
※価格等はすべて取材時のものです。

【次号予告】次回も石垣島のバス旅を。

■「台湾の超秘湯旅」バックナンバーはこちら
■「玄奘三蔵の旅」バックナンバーはこちら
■ 再び「12万円で世界を歩く」バックナンバーはこちら

本腰入れて石垣島の路線迷路へ 沖縄の離島路線バスの旅8
下川さんによるクラウドファンディング 
【コロナ禍】国からの援助がないバングラデシュの小学校で働く先生たちを応援したい~休校中の生活支援プロジェクト~
くわしくはこちら
下川さんのブログ
12万円で世界を歩くバングラデシュ編はこちら

BOOK

本腰入れて石垣島の路線迷路へ 沖縄の離島路線バスの旅8
12万円で世界を歩くリターンズ
[タイ・北極圏・長江・サハリン編] (朝日文庫)
リターンズ第二弾では、タイと隣国の国境をめぐり、北極圏を北上し、長江をさかのぼる旅へ、予算12万円で約30年前に旅したルートをたどる。さらに「12万円でサハリンに暮らす」ことにも挑戦。旅は、世界はどう変わったか?
朝日文庫
3月6日発売
定価:770円(税込み)

REACTION

LIKE
COMMENT
0
連載をフォローする

SHARE

  • LINEでシェア

FOR YOU あなたにおすすめの記事

RECOMMEND おすすめの記事

&MEMBER限定の機能です

&MEMBERにご登録(無料)いただくと、気に入った記事に共感を示したり、コメントを書いたり、ブックマークしたりできます。こうしたアクションをする度にポイント「&MILE」がたまり、限定イベントやプレゼントの当選確率が上がります。

&MEMBERログイン

ID(メールアドレス)
パスワード

パスワードを忘れた方はこちら

&MEMBER登録はこちら

&MILEの加算アクション

  • &MEMBER新規登録:100マイル

    *今後、以下のアクションも追加していきます

  • 朝日新聞デジタル有料会員の継続:100マイル
  • ログインしてサイト訪問:10マイル
  • 記事に「LIKE」を押す:10マイル
  • コメントの投稿:30マイル
  • 自分のコメントに「LIKE」がつく:10マイル
  • アンケート回答:30マイル
  • 「朝日新聞SHOP」での購入:50マイル
  • イベント申し込み:50マイル

&MILEの獲得数に応じてステージがあがり、ステージがあがるごとに
&MEMBER限定のイベントやプレゼントの当選確率が上がります。詳細はこちら