料理家・冷水希三子の何食べたい?
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サクサク香ばしいフランスの郷土料理 レンコンのタルトフランベ

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくれるという夢の連載。今回は旬のレンコンを使って、フランスの郷土料理のタルトフランベを作ります。

     ◇

―― 冷水先生、こんにちは。最近は空気が澄んで、とても気持ちがいいですね。

冷水 朝のキンと冷えた空気がいいですね。そろそろ街でも紅葉が見ごろになるのでは?

―― 秋と冬の間のこの感じ、とても好きです。

冷水 さてさて、今日はどんなものを作りましょうか?

―― 今回も秋の食材を使ったお料理のリクエストが多いのですが、気になったのがレンコンを使ったお料理についてです。

冷水 レンコンもこれからおいしいですものね~。

―― レンコンって煮物とか和食のイメージが強いのですが、何か洋風のおしゃれなお料理で活躍の場があればいいのに……というお便りがありました。たしかに、私もレンコンといえば煮物一辺倒です。

冷水 なるほど~。レンコンは煮物にした時のほくっとした食感もいいですが、シャキシャキした食感もまた魅力なので、今回はそのシャキシャキを生かした洋風のお料理にしてみましょうか?

―― シャキシャキ! いいですね。

サクサク香ばしいフランスの郷土料理 レンコンのタルトフランベ
ソースに使うヨーグルトはキッチンペーパーやさらしをかけたザルに入れて1~2時間水切りしておきます

冷水 しかも“おしゃれ”なお料理がいいんですよね(笑)。ならばタルトフランベなんてどうでしょう?

―― タルト……お菓子ですか?

冷水 いいえ、タルトフランベはフランスのアルザス地方の郷土料理で、ピザよりずっと薄い生地にベーコンや玉ねぎをのせてカリカリに焼いたお料理です。ワインによく合うので、パーティーの前菜にぴったりですよ。

―― おお、それは間違いなくおしゃれ料理ですね(笑)。これからクリスマスもありますし、ぜひ教えていただきたいです。

冷水 まずは生地の準備です。ボウルに強力粉と塩、砂糖、ドライイーストを入れて混ぜて、そこにオリーブオイルとぬるま湯を加えて混ぜます。最初はフォークなどで混ぜて、粉っぽさがなくなってから手でこねると手が汚れず快適です。

―― ぬるま湯を使うのはどうしてですか? お湯や水じゃだめなんでしょうか?

サクサク香ばしいフランスの郷土料理 レンコンのタルトフランベ
一次発酵が終わった生地から空気を抜く「パンチング」は、こんな風に。空気が抜けたら再度丸く整形して、ラップをかけて二次発酵させます

冷水 水だと発酵に時間がかかるんです。逆に熱湯だとイースト菌が死んでしまうので、手で触れるくらいのぬるま湯がちょうどいい塩梅(あんばい)。イーストは生き物ですからね。

―― なるほど! 発酵は神秘ですね。

冷水 次にソースと具材の準備をしましょう。本来タルトフランベのソースにはフロマージュブランというやや酸味のあるチーズを使うのですが、日本ではおいしいものが手に入りづらいので、ヨーグルトと生クリームで代用します。発酵を待っている間、1~2時間ほどヨーグルトを水切りしておきます。

―― 身近に手に入るもので代用できるのは、ありがたいです。

冷水 具材ですが、今回はベーコンより旨味(うまみ)が強いイタリアのパンチェッタ(豚肉の塩漬け)を使います。塩けが強いので細めに切って使ってくださいね。そして今日の主役のレンコン。シャキシャキ感を味わうために薄くスライスして生のままでトッピングしてオーブンで焼きましょう。

―― 普通は玉ねぎを使うところを今日はレンコンを使うんですね! 下ごしらえなしで生のまま使えるのは楽でいい~。

冷水 さて、そろそろ一次発酵が終わる頃ですね。生地が1.5~2倍くらいになったらOKです。ここでパンチングといって、生地を叩(たた)いて空気を抜きます。

サクサク香ばしいフランスの郷土料理 レンコンのタルトフランベ
生地の厚さはこんな感じ。ヨーグルトソースと細く切ったパンチェッタ、スライスした生のレンコンをトッピングして焼きます。ベーコンを使う時は、もう少し大きめにカットしましょう

―― おお、拳で叩くんですね、まさにパンチ!です(笑)。

冷水 そんなに思い切りパンチしなくてもいいですからね(笑)。空気が抜けたらまた丸め直して、さらに30分ほど発酵させます。

―― だんだんと生地が育っていく様子を見るのは楽しいですね。

冷水 二次発酵が終わったら、麺棒(めんぼう)で生地を軽く伸ばしていきます。この時、クッキングシートを敷いてやると生地が台に引っ付かず、余分な打ち粉もいらないのでいいですよ。

―― あれ、ピザとは違って、長方形に伸ばすんですね! 

冷水 はい、タルトフランベは伝統的に長方形なんです。

―― えっ、生地を伸ばした後にさらにラップをかけて発酵させるんですか?

冷水 30分程度ですかね。部屋の温度にもよりますが、生地があんまりふかふかになるとタルトフランベ独特のカリカリ感がなくなってしまうので、様子を見ながらちょうどよいところ(約2倍くらいの膨らみ)で三次発酵を止めてください。

サクサク香ばしいフランスの郷土料理 レンコンのタルトフランベ
ところどころに焼き目がついたら完成。レンコンを玉ねぎに替えてもとてもおいしいですよ。ぜひ旬の野菜を使って作ってください

―― 塩梅ですね!

冷水 その間に水切りしておいたヨーグルトに生クリーム、塩、ナツメグを加えてソースを仕上げます。あとはソースと具材をのせてオーブンで6分ほど焼くだけです。

―― わあ、レンコンに焦げ目がついておいしそう! ピザよりずっと生地が薄くて、上品な感じがしますね。

冷水 熱々のうちに食べましょう。

―― むむ、パンチェッタの塩けがいいアクセントになっていて、レンコンのシャキシャキ感もすごく心地いいです! チーズがないのにすごくコク深いですね。

冷水 ヨーグルトのソースが爽やかでしょう?

―― はい、ちゃんとコクがあるのにさっぱりしていて、いくらでも食べられそうです!

冷水 おつまみとして食べるなら生地をごく薄くしてカリッカリに仕上げてもいいですし、逆にお料理として食べるなら、最後の発酵を少し長めにしてふわっとした生地に仕上げるのもいいですね。

―― 発酵次第で全く違う感じの生地になるって、すごく面白い!

冷水 何度か作ってみるとその塩梅がわかってくるので、ぜひ繰り返し作ってみてください。

―― 発酵を自在に操る! かっこいいですね! 

今日のレシピ

レンコンのタルトフランベ

◎材料(26㎝×28㎝くらいの天板1台分)
A
強力粉 130g
塩 2.5g
砂糖 2.5g
ドライイースト 1.8g

B
EXVオリーブオイル 大さじ1/2
ぬるま湯 75ml

ヨーグルト 200g
生クリーム 大さじ2
塩 2g
ナツメグ 少々
レンコン 5cmくらい
パンチェッタ(ベーコン) 30g

◎作り方

 ボウルにAを入れて混ぜる。合わせたBを加えてフォークなどで混ぜ、粉っぽさがなくなったら手で滑らかになるまでこねて丸める。薄く油を塗ったボウルに入れラップをして1~2時間一次発酵させる。

 ヨーグルトはペーパーをひいたザルに入れて1~2時間水切りする。レンコンは薄くスライスして水にさらす。パンチェッタは細めに切る。

 1の生地をパンチングして、ガスを抜きを丸め直す。再びラップをかけて30分ほど二次発酵させる。

 3の生地をクッキングシートの上で薄く長方形に伸ばし、ラップをして30分三次発酵させる。その後、再び麺棒で薄く伸ばす。

 2のヨーグルトに生クリーム、塩、ナツメグを混ぜたものを大さじ4くらい4の生地に塗る。

 5に水気を拭いたレンコンとパンチェッタをのせ、250度に予熱したオーブンで6分ほど焼く。

〈インフォメーション〉
リゾートホテル「ししいわハウス」で冷⽔希三⼦さん監修の朝食を

11月1日(日)より、長野県・軽井沢町の中軽井沢エリアにあるSHISHI-IWA HOUSE(ししいわハウス)に宿泊すると、冷⽔希三⼦さん監修の朝⾷をお楽しみいただけます。一日のはじまりに軽井沢の森を眺めながら贅沢(ぜいたく)な時間を過ごしてみませんか。

サクサク香ばしいフランスの郷土料理 レンコンのタルトフランベ
(c)Kazumasa Harada
サクサク香ばしいフランスの郷土料理 レンコンのタルトフランベ
(c)Kazumasa Harada

ししいわハウスは、プリツカー賞受賞の建築家、坂茂(ばん・しげる)氏が設計したリゾート・ホテルです。都会の喧騒から離れた場所に知的で想像力をかきたてるの建築空間を提供したいという思いから2019年2⽉に誕生しました。
全ての客室から、浅間山や常緑樹、桜、もみじなど四季折々の美しい景観を楽しむことができます。

サクサク香ばしいフランスの郷土料理 レンコンのタルトフランベ
(c)Hiroyuki Hirai

SHISHI-IWA HOUSE(ししいわハウス)

住所:長野県北佐久郡軽井沢町長倉2147-646
TEL:080-7691-6020
Mail:inquiry@shishiiwahouse.com
http://www.shishiiwahouse.jp/

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