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太公望のわくわく 釣ってきました
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仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

西へ東へ、海へ川へと旅して釣りする太公望たちの奮闘記です。魚との知恵比べ、釣った魚で一杯……。目的は人それぞれながら、闘いの後の心地よい疲労と旅情は格別。今回は、朝日新聞の西田健作記者が、千葉県の富津(ふっつ)市沖でカワハギ釣りに挑みます。難しいのに冬の東京湾では人気の釣り。その魅力を探り、おいしい「肝あえ」にありつこうと、船に乗ったところ……。

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人気のカワハギ釣り その理由を探る

カワハギ釣りといえば、冬の東京湾で1、2を争うほど人気の釣りものです。シマノやダイワといった大手釣具メーカーが競技会を開いていることもあって(今季はコロナ禍で中止)、テクニックを磨くために秋から冬にかけてはカワハギ一筋という人も珍しくありません。

難しい釣りなのに、何がそんなに魅力的なのか。初のカワハギ釣りとなる釣友の和田翼さんと三澤卓司さんに同行して、その答えを探ってきました。実は筆者もカワハギ釣りは8年ぶり。何か分かるといいのですが……。

昨年12月にお世話になったのは、東京都江戸川区東葛西の須原屋さん。午前7時30分過ぎに出船し、千葉県富津市の竹岡沖に向かいました。競技会場になることも多い、カワハギ釣りの中心地です。

仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

この日の海は荒れ気味だった

カワハギ釣りが難しいのは、釣り人が気づかないうちに餌を食べてしまうことです。とても器用に泳ぐ魚で、背びれと尻びれを使い、ヘリコプターのホバリングのように水中で静止することができるんです。針の餌をひっぱらないので、竿(さお)先になかなかアタリが出ません。

「餌取り名人」と呼ばれるカワハギに対抗するため、餌はアサリのむき身を使います。オキアミよりずっと硬く、取られにくいからです。わた(内臓)の部分が大好物なので、針先をわたの部分から少し出すと針がかりが良くなるとのことでした。

仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

餌はアサリのむき身

「はわせ」「たたき」カワハギを誘う

この日の水深は30メートルほど。さっそく釣りを開始しました。カワハギは底近くを泳いでいるので、まず仕掛けの一番下にある錘(おもり)を底まで落とします。その状態で糸を張り、竿先を細かく動かしてみるのが「たたき」という誘い方で、さらに糸を出して餌を底に近づけるのが「はわせ」という誘い方。ほかにもゆっくり上下に動かしてみるなど、あの手この手でカワハギの食い気を高めていきます。

仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

三澤卓司さんは貸し竿で挑戦

カワハギのおちょぼ口に針先が刺されば、カンカンという金属的なアタリが竿から手に伝わってくるはずなのですが、そうはうまくいきません。しばらくしてから巻き上げると、三つの針につけたアサリがゼロに。気がつかないうちに、すっかり食べられてしまっていたようです。

仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

竿先で小さなアタリを感じ取れるかが鍵

釣りをしていて退屈なのは、海の中に魚がいないと感じる時です。でも、カワハギの場合は違います。餌が無くなっているので、確かにいるはずなのですが、針にはかからないんです。

釣友に先越され「ちくしょう、何でだ!」

「ちくしょう、何でだ」。すってんてんの仕掛けを確認するたびに、自分がどんどん熱くなっていくのが分かります。1時間ほど経ったころでしょうか。右隣の三澤さんの竿にカンカンカンというアタリがありました。慎重に巻き上げると、本命のカワハギ。竿もリールも船宿に借りていた初心者の三澤さんが、3人の中で一番最初に釣り上げました。何でだ!!

仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

最初に釣り上げた三澤さん

小道具を使い、「オデコ」脱出

冷静に考えると、8年ぶりの筆者もカワハギの腕前は似たようなものです。ここは落ち着いて、腕より小道具に頼ることにしました。カワハギは好奇心が強い魚なので、小型の水中ライトを使ってみることに。錘の近くにセットしました。

仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

竿先を眺める和田翼さん


仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

餌取りのチダイが釣れた

カンカンカン。水中ライトが魚を集めたのか、ついに来ました。2人に「これはカワハギかもよ」なんて自慢しながらリールを巻くと、期待通りのカワハギ。20センチの食べごろサイズでした。これで私もオデコ(釣果ゼロ)は脱出です。

仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

筆者も1匹釣れてほっと一息

釣りが面白いのは、その日の魚のご機嫌にあった正解を見つけると、次々と釣れることです。私の竿にはまたもアタリが。20センチ。さらに22センチも釣れました。

仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

水中ライトでカワハギを連釣した筆者

絶妙な難易度が魅力と確認

でも、良かったのはここまででした。結局、筆者は3匹だけ。気温が急に下がったためか全体的に食いが渋かったようで、手だれの竿頭でも10匹止まり。前回は12匹だったのにこの日は2匹だという常連さんもいました。何匹か釣れただけでも、よしとしなければ。

カワハギ釣りの何が魅力なのか。久しぶりにやってみて、よく分かりました。アタリはあるけどなかなか釣れない。でも、まったく釣れないわけでもない。難易度が、昔に熱中したテレビゲームのように絶妙でした。しばらくカワハギとは縁遠かった筆者ですが、さらなる釣果アップを目指して、近いうちにまた行ってしまうかも。

クリーミ~な刺し身の肝あえは絶品!

仕掛けの針はすってんてん 肝パンのカワハギと知恵比べ 千葉県富津市・竹岡沖

「肝あえ」。これを食べたくてカワハギ釣りにはまる人も

冬のカワハギ釣りには、さらにもう一つの魅力があります。寒くなると肝が大きくなることです。釣り人は「肝パン」と呼んでいて、クリーミーな肝を刺し身とあえると、これが絶品なんです。釣ったらすぐに血抜きをすることで、生臭さは一切無し。釣り人だからこそ味わえる至福の一品となります。久しぶりに食べましたが、やっぱりうまい。

2021年も幕開けとなりました。コロナ対策に気を配りながら、今年もいろいろな魚に挑戦して、この連載でご報告したいと思っています。みなさんも良い釣りを!

須原屋
https://suharaya.com/

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