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老若男女、永遠の悩み? 締め切り直前にならないとやる気が出ません(コンシェルジュ:LiLiCo)

読者の皆さまから寄せられた相談やお悩みに、映画を愛する様々な分野の方々が寄り添い、最適の作品を紹介する隔週連載。

コンシェルジュは映画コメンテーター/タレントのLiLiCoさん、CGクリエーター/映画監督のFROGMANさん、Base Ball Bear・小出祐介さんの3人です。今回のコンシェルジュはLiLiCoさんです。

老若男女、永遠の悩み? 締め切り直前にならないとやる気が出ません(コンシェルジュ:LiLiCo)
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PROFILE
LiLiCo

映画コメンテーター/タレント。スウェーデン・ストックホルム生まれ。スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳の時来日、1989年から芸能活動スタート。TBS「王様のブランチ」に映画コメンテーターとして出演するほか、フジテレビ「ノンストップ!」やJ-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」など、レギュラー出演番組も多数。イベント出演や映画・アニメの声優などマルチに活躍。ファッションにも意欲的に取り組み、バッグやジュエリーのデザイン、プロデュースも手掛ける。

<相談者プロフィール>
鈴木 すず(仮名) 30歳 女性
海外在住 Webマーケティング

こんにちは。 学生時代は主に宿題や課題、社会人になってからは主に仕事について、事前に時間が十分にあろうがなかろうがいつも締め切り直前になってから手をつけてしまいます。 直前で手をつけたときは、締め切りに追われているので当然ですが、一心不乱に集中してやり切ります(仕事以外のことならば諦めることもあります)。時間に余裕があるときにやろうとすると、途中でスマホをいじったり、別のことをし始めたりとなかなか集中できず、締め切りに追われているときに比べて全然進みません。

早めに手をつけておいて、締め切りまでクオリティーを高めていくというのが理想であるとは思うのですが、もはや集中できないときに手をつけることがもったいないような気持ちにすらなってしまいます。

結局重要なところはなんとかなっているので今のままでもやっていけるかもしれませんが、正直いつか変わるかなと思っていたのに30歳になった今も変わらない自分にやや焦りを感じますし、締め切りに追われない生き方にも興味があります。 締め切りが迫っていない状況でも集中する方法についてアドバイスをいただけたらうれしいです。

締め切りを早めることで生まれるすてきな出会い

鈴木さんこんにちは。ほほえましく悩みを読ませていただきました。なぜならばわたしも締め切り直前にならないと動けないから。でもこれには理由があります。まぁ、わたしが自分に都合良くつけた理由ですけどね。もしかして鈴木さんにも納得していただけるのでは?と思って、お裾分けします。

ギリギリまで待つのは、もしかして待ってる間にもっと良いものが浮かんで来るのでは?と期待しているから。わたしの場合は映画紹介の原稿を書くことが多いのですが、例えば原稿の冒頭とエンディングが浮かべば真ん中は自然と出て来ます。冒頭からラストまで向かっていけば良いわけで。

でも冒頭すら浮かんで来ないときも多く、歩いてるときにふと思いついたり、誰かと話をしていて、その会話の内容からヒントが浮かんだり……。どれも本当に起こることなので、どうしてもギリギリまで引っ張ってしまいます。

もうひとつは”締め切り”と言うワードは人の”最強の才能を引き出す”から。もう今書かないとダメだ! 限界だ!と思えば脳は”締め切りに刺激されるエキス”を出してくれます!

だからわたしは、鈴木さんが締め切りに遅れることがなければこのままで良いのでは?と思っています。30歳までズルズル来ちゃったみたいですが、わたしなんて50歳まで来ちゃいましたから(笑)。

でも直したいんですよね? 実はわたしも3〜4年前にやっぱりこのままではいけないと思い”未来の自分へ”と言うキャンペーンを始めました。もちろん自分自身だけのキャンペーンであり、特に発表することもないちょっとした遊び。

未来の自分は何かと言うと、もちろん10年後も未来ですが、今夜も未来、明日も未来、10日後も未来。1日だけ早めに原稿を書いたら、本当の締め切り日にほかのことができる。それを実践していると、奇跡的にそんな日にずっと会いたかった人から連絡が来たり、突然仕事が入ったりしました! そこが原稿を書く時間になっていたら人にも会えなかったし、いただいた仕事も気持ち良くこなせなかった。今も締め切りギリギリになることが多いけど、できるだけ”未来の自分に”キャンペーンをやるとその気持ち良さに浸れて、やっぱり早めに書いたほうが良いよね、というスタンスに脳が切り替わります。

そしてちゃんとするきっかけになったひとつは今回紹介する作品『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』。妻夫木聡さんと水原希子さんが主演です。若いときから奥田民生に憧れてはいたけど、そこまでカッコ良くなれない雑誌編集者のコーロキ(妻夫木)。仕事で出会ったスタイル抜群のあかり(水原)にマッハでほれて(それもちょっとアブナイくらいのほれ方で)、妻夫木さんのコメディアンとしての才能が気持ち良くスパークしています。

相手がすてきな人であれば、こんなにも惚れられるとうれしいでしょうが、コーロキはあかりのお尻の写メをこっそり撮るような男性。しかし驚くことに、ふたりはお付き合いすることになります。

ただデートの約束をしても仕事が忙しくなかなか約束を守ることのできないコーロキ。特に安藤サクラさんが演じる、かなり個性的なライターの三上ゆうは締め切り日になると飼っている数多くの猫ちゃんたちになんらかの事件が起こり、それを言い訳に原稿を書かない。彼女を担当するコーロキは頭を抱えてしまいます。登場人物はみんな一癖二癖ある雑誌業界人で、彼らにコーロキは振り回されながら一生懸命やるんですが、原稿はやはりライターから来ないと入稿出来ません。

その原稿を待つ編集者の苦労と焦りを見て、わたしは”これはマズイ!”と思いました。そうだよね、編集者だってプライベートがあって、いろんな予定があって、家族もいるかもしれない。もしや会社でわたしの遅れている原稿を待っていて、その人の予定を潰しているのでは?と大反省しました。

この作品を見てわたしは数カ月間、早めに原稿を書きましたが、どこかでまた”ギリギリ締め切り”に戻りました。でもそれを繰り返している間に、実は少しずつ良くなっています。鈴木さんはどれだけ頻繁に締め切りがあるのかわかりませんが、例えば1カ月、試しに早めに締め切りを設定してみたらどうですか? きっとすてきなお誘いや、好きな映画、テレビを見られる時間ができて、そこからまた良いアイデアや仕事のヒントになるものに出会う”余裕”が生まれます。

タイトルにある”すべて狂わせるガール”はもちろん水原希子演じるあかりのこと。本当に魅力的で、女性としても憧れてしまう小悪魔的存在です。男性をさんざん振り回す彼女ですが、その出会いによって男性が学んだことについて納得もできる可愛らしい作品。あかりの言っていること、やっていることも全て間違っているとは言えない……。いろんなことを読み取れる一本です。

さぁ、鈴木さん、あなたはこの作品を見て、わたしと同じ気持ちになってくれたらうれしいです。お仕事頑張ってね。

LiLiCoさん推薦の映画

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
監督:大根仁

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