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THE ONE I LOVE
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「人生初のラブソングも」崎山蒼志が影響を受けた愛の歌5曲

こんな時代だからこそ、愛を聴きませんか、語りませんか──。実力派アーティストが“愛”にまつわる楽曲を紹介する連載「THE ONE I LOVE」。

今回は、1月27日にアルバム『find fuse in youth』で待望のメジャーデビューを果たした静岡在住の高校生ミュージシャン・崎山蒼志が5曲をセレクト。今作の制作で生まれて初めてラブソングを作ったという彼が、あえて“明確に恋愛を歌った楽曲”に絞って選曲した。崎山は、ラブソングというものにどんな思いを抱いているのか――。

〈セレクト曲〉
01. クリープハイプ「愛の標識」
02. 矢野顕子「ひとつだけ」
03. AURORA「Exist For Love」
04. 大貫妙子「色彩都市」
05. 崎山蒼志「そのままどこか」

■クリープハイプ「愛の標識」

小学校5年生のときに『COUNT DOWN TV』(TBS系)で初めて聴いて「なんだこれは!?」となった曲です。それからずっとクリープハイプさんは好きで聴いているんですけど、恋愛の歌が多い印象があるので、“愛の曲”というテーマならクリープハイプかなと。中でもこの曲だなってパッと思いつきました。

歌詞の内容としてはある意味すごく狭い範囲だけを切り取っていて、それ故に深い感じがしてグッときますね。とくに「君の故郷を代表するあの銘菓は たまらなくこの上なく甘かったな」という1行はヤバいです。初めて聴いたときから「銘菓」という言葉がすごく印象に残っていて、いい意味で違和感があるというか、そこで急に具体性を帯びて心を持っていかれる感じ。僕は歌詞であまり具体性のあることを言わないので、僕には書けない歌詞だなと感じます。ずっと「銘菓」という言葉が引っかかっていたこともあって、今回はこれを選びました。

 

■矢野顕子「ひとつだけ」

ずっと知っている曲ですけど、改めて聴いてみたらめちゃめちゃ素直に愛の曲だなと思って。本当に好きな曲です。「詞のどの部分がいい」とかはあまり選べないですね。すべてにおいてグッと引き込まれますし、優しさにあふれている。歌詞にも本当に優しさがありますし、矢野さんならではの独特の歌い方も、すごく優しく聴こえる。実は「ごはんができたよ」ともすごく迷ったんですよ。あれも素晴らしい愛の曲だと思います。

残念ながらSpotifyでは配信されていないんですけど、この「ひとつだけ」を忌野清志郎さんと一緒に歌っているバージョンもリリースされていて、そっちも好きなんです。清志郎さんの歌声がまずエモいといいますか、生活圏内の景色が浮かぶ感じがします。“愛し合う2人”を描いた歌詞だとは思うんですけど、それだけじゃないというか。矢野さんと清志郎さんが2人で歌うことで、より広がっている感じはありますね。クリープハイプの尾崎さんもそうなんですが、「その人にしかないもの」を表現している人が好きで、そういうところに惹(ひ)かれます。

 

参考:『矢野顕子、忌野清志郎を歌う』 トレイラー Part 2 [公式] https://www.youtube.com/watch?v=D2e18_e8F0A

 

■AURORA「Exist For Love」

オーロラさんは今とても注目している方で。「Exist For Love」は去年出た曲なんですけど、ミュージックビデオがすごいんです。まるで女神のようなたたずまいで歌っていて、演者として、歌い手として、「こんな表現ができる人がいるんだ?」と。

歌詞としては「あなたの腕の中へ飛び込むたびに、私は愛のために存在している気がする(And every single time I run into your arms/I feel like I exist for love)」みたいなことを歌っているんですけど、単に恋愛におけるワンシーンというよりもっと大きなものを感じさせてくれる。矢野顕子さんらにも共通する部分ですが、歌詞の意味以上のものを表現する歌の力を感じます。

僕は英語がそんなにわかるほうじゃないんですが、この曲に関しては最初から歌っている内容が伝わっていた気がします。湛(たた)えられた愛がうわーっと押し寄せてくる感じ。とくにMVからはそういうものを感じました。愛の化身みたいな(笑)。最後に「I love you」を繰り返すところがあるんですけど、MVではそこでオーロラさんがこっちを見るんですよ。それまで単に彼女と恋人との関係を歌っているだけみたいな感じだったのに、そこで急に壮大になるんです。多くの人に対する愛の曲でもあるのかなって。

 

■大貫妙子「色彩都市」

母親が大貫さんのファンで、その影響で僕も最近聴くようになりました。母は主にビジュアル系バンドが好きな人なので、僕もthe GazettEさんなどを幼少期から聴いていたんですけど、一方で大貫さんや矢野さん、デヴィッド・ボウイなども好きだったみたいで。ちなみに母は今、藤井風さんやKing Gnuさんを好んで聴いています(笑)。

「色彩都市」は恋の曲のようにも思えますけど、もっと大きなものを歌っているようにも思える。大貫さんの歌詞にはそういうものが多いと思います。とくにラストの「いつでも心は雨のち晴れ/はつらつ便りを待っています」という歌詞は「マジか!」と思いました。なんて優しいんだと。「優しくあなたにつつまれたら/少女のわたしと出会いました」も素敵です。少女性がありながらも、急に優しさがこちらにも届く感じ。胸を打たれますし、僕もこんな歌詞が書けたらいいなって。

大貫さんが使うコード進行は、自分とも共通する部分があるのかもしれないです。テンションコードと呼ばれる、ジャズなどでよく使われる複雑な和音をさらっと使う感じ。必ずしも大貫さんの影響だけでそうなったわけではないんですけど、音使いのクセみたいなところに近いものは感じますね。

 

■崎山蒼志「そのままどこか」

今回、生まれて初めて「ラブソングを書いてみよう」と思って作ったのがこの曲です。きっかけとしては、スタッフさんから「ラブソング書いてみたら?」と話をいただいて、面白いかもと思って。意外と明確な恋の歌にはならなかったんですけど(笑)。

「真澄の空が月へと 続いてく」というフレーズがすごく気に入ってます。夜の空気が鼻に通る感じ、月には恋の感じがあるなと思っていて。この部分はすごくスルッと書けたんですよ。曲全体としてもわりとスムーズに書けた曲で、これまでに書いたことのない感じの歌詞になったんじゃないかなと。情景などがきれいにまとまっている感じがするというか、「ラブソングを書く」という挑戦をしてみて本当によかったです。

今回のアルバムでは、初めてアレンジャーさんに入っていただきました。全13曲中、6曲のアレンジを数人の方にお願いし、この「そのままどこか」は、宗本康兵さんが担当してくださいました。6曲のうちで一番「これこれ!」ってしっくり来た曲なんです。僕のギター弾き語りをベースに弦楽四重奏が絡んでくるアレンジなんですけど、すごく景色が見えるというか、夕方から夜にかけての空気感やエモさがちゃんと表現できたと思います。

 

■理想とするアーティスト像

もともとバンドの音が好きなので、バンドを組んでみたい思いもめちゃくちゃあります。弾き語りのときも「バンドみたいにやりたい」という気持ちでやっているので、たとえばドラムのフィルイン(ドラムスの定型パターンの間にはさまれる「イレギュラーなパターン」のこと)っぽいことをギターでやってみたりしているんですけど。

「こういうアーティストになっていきたい」といったことで言えば、スタイルの異なる3人くらいを同時にやってみたい(笑)。大衆的な曲を歌うポップスターにも憧れますし、自宅で作り込むアーティストにもなりたい。僕はヒップホップからもすごく影響を受けているんですけど、トラックメイクもラップもプロデュースも全部自分でやる感じもいいなと思っています。それと、ノイズミュージックもやりたいですし、本来あまり結合できないようなものをやる人、いろんな音楽をやる人になりたいですね。ポップな曲からアンダーグラウンド感のある曲まで同時にやっていけたら理想的かなと思っています。

(企画制作/たしざん、取材・文/ナカニシキュウ)

★他のアーティストのインタビューはこちら

 

■崎山蒼志セレクト「THE ONE I LOVE」プレイリスト

 

■崎山蒼志『find fuse in youth』

 

「人生初のラブソングも」崎山蒼志が影響を受けた愛の歌5曲

■Profile

崎山蒼志(さきやまそうし)

2002年生まれのシンガー・ソングライター。2018年、高校1年生のときに出演したインターネット番組『バラエティ開拓バラエティ 日村がゆく』(AbemaTV)にてギター弾き語りパフォーマンスを披露、圧倒的な歌唱と演奏力で注目を浴びる。同年、インディー1stシングル『夏至/五月雨』をリリースすると、その後もコンスタントに作品を発表。君島大空や長谷川白紙、諭吉佳作/menといった新世代アーティストたちとも積極的にコラボレーションを展開している。高校卒業を間近に控えた2021年1月、アルバム『find fuse in youth』でソニー・ミュージックレーベルズよりメジャーデビュー。強烈な個性を放つボーカルと卓越したギターテクニック、複雑な和音構成、文学性の高い歌詞などを武器に、10代にして早くも唯一無二の存在感を放っている。

 

■INFORMATION

【LIVE SCHEDULE】
崎山蒼志 TOUR 2021 「find fuse in you(th)」

2021年2月23日(火)愛知 名古屋 CLUB QUATTRO
2021年2月26日(金)東京 恵比寿 LIQUIDROOM
2021年2月27日(土)大阪 心斎橋 BIGCAT

チケット一般発売日:2月6日(土) 前売り¥3,500(税込み・ドリンク代別)
※必ずガイドラインをご確認のうえ、チケットをご購入ください
https://sakiyamasoushi.com/info/#91907

 

【関連リンク】

崎山蒼志 Major Debut Album [find fuse in youth] Special Site https://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/sakiyamasoushi/debut/

崎山蒼志公式サイト
https://sakiyamasoushi.com/

崎山蒼志 (@soushiclub) · Twitter
https://twitter.com/soushiclub

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