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楽園ビーチ探訪
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ずっと海を眺めたい 丘から絶景 熱海の隈研吾デザインプチリゾート

日々の疲れがたまりにたまった時、海をただただ眺めていたいと思うこと、ありませんか? そんな時、私の脳裏に浮かぶのが、数年前の、熱海のプチリゾートの思い出。熱海駅からわずか5分の小高い丘の上、別荘街に溶け込むように立つ「ATAMI 海峯楼(かいほうろう)」です。
(トップ写真:屋外のデイベッドも、海を眺望するのに格好の場所)

連載「楽園ビーチ探訪」は、リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信するビーチライターの古関千恵子さんが訪れた、世界各地の美しいビーチや、海のある街や島を紹介いたします。

駅から5分、「水とガラス」がテーマ

海を眺めると一言で言っても、波音に包まれるオンザビーチと、一望にする丘の上とでは、印象は違います。このお宿は、後者。高い位置からどこまでも広がる大海原を見下ろせて、爽快感たっぷりです。

熱海駅からすぐそば。別荘地の中にたたずんでいます。©ATAMI 海峯楼

熱海駅からすぐそば。別荘地の中にたたずんでいます。©ATAMI 海峯楼

もともとは1995年に民間の迎賓館として建てられた、こちら。その後、旅館だった時期を経て、2010年にATAMI 海峯楼として開業しました。

建築デザインを担当したのは、今をときめく隈研吾さん。オリンピックスタジアムをはじめ、「エースホテル京都」が入った「新風館」や、「東京エディション虎ノ門」など、2020年に話題になった数々のホテルを手掛けられています。その特徴は、木の美しさではないでしょうか。規則正しく、精緻(せいち)な木組みは見ているだけで、凜(りん)とした気持ちになります。

木のイメージを抱いてここへ訪れると、意表を突かれるかもしれません。ATAMI 海峯楼のテーマは「水とガラス」。クリアな素材が大海原とシームレスにつながり、海を眺めるための空間が広がっています。

また、レセプション前には画家・千住博さんによるこのホテルのために描かれた絵画、地下1階には版画家の徳力富吉郎さんのふすま絵、ガラス造形作家・狩野智宏さんの氷山のようなインスタレーションもある、アートな空間が広がっています。

客室「誠波」 海サイド10メートルの「大海原展望仕様」

客室は、わずか4室。それぞれデザインや趣向が異なりますが、できればハイエンドな「誠波(せいは)」を選びたいところ。まさに海を眺めるための部屋です。

誠波のリビングルーム。海に向かってソファが置かれています

誠波のリビングルーム。海に向かってソファが置かれています

誠波は広さ90平方メートル。リビング、ベッドルーム、バス&トイレが横一列に並んだレイアウトになっています。そして、海サイドの約10メートルが、すべてガラス窓。窓の向こうに水盤があり、水面と海がつながったように見える仕掛けになっています。今ではリゾートホテルのメインプールなどでよく見かける演出「インフィニティエッジ」が、1995年にすでに採り入れられていたのは、さすがです。バスルームの扉から外へ出ると、露天風呂と水盤に面したデイベッドがあります。どこにいても、視界の中に海があります。

眼下に広がる相模湾、穏やかな海面をゆく漁船、朝日の光の道……

ベッドルームも海側はフルハイトの窓

ベッドルームも海側はフルハイトの窓

訪れた日は曇り空。せっかくなら晴天がよかったと残念がっていたところ、スタッフいわく、曇天こそ、海と空との境界があいまいになって、広がりのある眺望が楽しめる、とのこと。眼下に広がる相模湾は、沖に初島、奥に大島、冬の空気が澄んだ日ならば房総半島までも望めるそうです。

リビングのソファに沈みながら、まさにピクチャーウィンドーと対峙(たいじ)し、海を眺める時間の始まりです。穏やかな海面を漁船が通り過ぎ、引き波が海面に長く伸びていきます。海面に描かれた巨大な潮目は刻々と形を変えていきます。大島の上にゆっくりと雲がかかっていきます。海抜92メートルと聞きましたが、実感としては、もっと高い位置から見下ろしている気分。翌日も、朝日の光の道が洋上にまっすぐのび、これまた絶景でした。

水盤の上、ダイニングスペースの「ウォーターバルコニー」

海のみならず、建物も表情をくるくると変えます。雲間から日がさすと、水盤が雲を映し、天井に反射した光がゆらゆらと揺れます。雨がぱらつけば、水盤いっぱいに王冠模様が現れます。風が吹けば、水盤にさざ波も立ちます。そして少し目線を上げれば、大海原。ぜいたくな時間です。

このリゾートのアイコン的存在、「ウォーターバルコニー」

このリゾートのアイコン的存在、「ウォーターバルコニー」

「誠波」をおすすめする理由は、もうひとつ、この宿の象徴となっているダイニングスペースの「ウォーターバルコニー」が利用できるから。これは、水盤の上に築かれた、ガラス張りの空間で、まるで中空に浮かんでいるよう。ぐるりと周囲の景色に取り込まれ、食事をする手をたびたび止めては、景色に見入ってしまいます。

部屋から楽しみたい熱海の花火、今年こそ……

朝食は地のものや自家製の豆腐などがずらりと並びます

朝食は地のものや自家製の豆腐などがずらりと並びます

この「ウォーターバルコニー」は、「風科(ふうか)」という客室も利用できます。ディナーはどちらか、早い者勝ち。翌日は両方の部屋が時間差で利用することができます。しかし、熱海海上花火大会の日のディナーは「誠波」の特権です。

ウォーターバルコニーから見た花火。今年は見られますように©ATAMI 海峯楼

ウォーターバルコニーから見た花火。今年は見られますように©ATAMI 海峯楼

花火大会は風科なら客室から、その他の2部屋はバーなどから観賞することができます。混雑知らずで高台から見下ろす花火、そんなぜいたくなシチュエーションはなかなかありません。2020年は残念ながら、新型コロナウイルスの感染防止のため、回数減や時短となってしまった花火大会。先日、今年の日程が発表になりました。どうか今年は例年のように開催されることを、心から願います。

【取材協力】
ATAMI 海峯楼 https://www.atamikaihourou.jp/
TEL 0557-86-5050

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