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春野菜とシェーブルのグリルに、さわやかソーヴィニヨン・ブランを合わせて

暖かくなるとともに、土の中から植物や虫が顔を出し活動を始める。私たちも重いコートを脱いで、そろそろ動きだそう!

……とはいえ、いまだ感染症は収束の様相を見せず、旅やレジャーはもう少しガマン。「おうちのダイニングやベランダでも、季節と気分のスイッチをパチン!と切り替えてくれる。そんな春ペアリングをご紹介します」とワインと食のスペシャリスト沢樹舞さん。日本の生産者が心を込めて造る旬のチーズとともに。

今回のソムリエール

春野菜とシェーブルのグリルに、さわやかソーヴィニヨン・ブランを合わせて
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PROFILE
沢樹 舞

さわき・まい
12年間ファッションモデルとして国内外で活躍後、ワインの専門家に転身。シャンパーニュ騎士団よりシュヴァリエ(騎士)、(一般社団法人)日本ソムリエ協会よりソムリエ・ドヌール(名誉ソムリエ)を授与される。食をテーマにしたWEBサイト「たべるの」や、週末農業、料理教室などを通して、ワインと合わせる新時代の家庭料理を提案。テレビ各局の料理番組にも出演している。

NZのスタイルを取り入れる、「本家」フランスの作り手

「冬から春へのスイッチを入れるワイン。私にとってそれは、ソーヴィニヨン・ブラン!」と沢樹さん。白ワインの中でも、グレープフルーツなどの柑橘(かんきつ)類やハーブのさわやかな香り、スッキリとした酸味が特徴だ。

原産はフランス・ボルドー地方と言われているが、銘醸地と知られるのが同じくフランスのロワール地方。ほかにもアメリカ、チリ、オーストラリアなど各地で造られている。そんな中、世界のソーヴィニヨン・ブランの地図を書き換えたと評されるのが、ニュージーランド。グレープフルーツやトロピカルフルーツのような果実味がよりくっきりと際立ち、そのハツラツとした香りと味わいがワインラヴァーの心をつかんでいる。

そうしたムーブメントを受け、ニュージーランドスタイルのいいところを取り入れようという動きが「本家」ロワールで起きているという。沢樹さんが注目するのが、そんな生産者の一つである「ヴィニョーブル・ベルティエ」。

春野菜とシェーブルのグリルに、さわやかソーヴィニヨン・ブランを合わせて
ヴィニョーブル・ベルティエ(=ベルティエのワイン園)

ヴィニョーブル・ベルティエは、ロワールの中でも「火打ち石」と表現される、豊かなミネラル感を持つワインを生み出すサンセール地区と、「フュメ=燻製(くんせい)香」とたとえられるスモーキーさが魅力のプイィ・フュメ地区という指折りの産地に畑を持つ。そして、2代目としてワイン造りを手がけるクレマンさん、フロリアンさん兄弟は、ニュージーランドでワイン造りを学んだ経験があるという。「ロワールの伝統と、ニュージーランドスタイルを思わせるモダンでスタイリッシュなキャラクターを併せ持つワインを生み出しています」と沢樹さん。

春野菜とシェーブルのグリルに、さわやかソーヴィニヨン・ブランを合わせて
クレマンさん、フロリアンさん兄弟

今回、「春のワイン」としてセレクトしたのは、「ランスタン・ソーヴィニヨン・ブラン・ジャン・マリー・ベルティエ」

「ソーヴィニヨン・ブランならではのフレッシュでクリーンな酸、イキイキとした柑橘系のアロマに、エキゾチックなニュアンスも。ロワールならではのすっきりとしたミネラルは、まさに季節を切り替えてくれるスイッチ。はんなりとした柔らかさが春の喜びを表現しているようです」

春野菜とシェーブルのグリルに、さわやかソーヴィニヨン・ブランを合わせて

春の訪れを実感する食卓

雪国である富山県出身の沢樹さんは、春の訪れには格別の喜びを感じるという。待ちわびた季節の訪れを食卓の上で知らせてくれるのが、新玉ねぎや新じゃが、春キャベツなどのみずみずしい春野菜だ。「店先で見かけたり、自分の畑で収穫できたりすると、ああ、今年も春が来た!と。そして、その生命力のある味わいに体が目覚めるのです」

三寒四温でまだ肌寒い日もある。冷菜よりもちょっとほっこりできる「アツアツ、シャキシャキ、フワリ」の絶妙ペアリング!

春野菜とシェーブルのグリルに、さわやかソーヴィニヨン・ブランを合わせて

春野菜とフレッシュシェーブルのグリル

  • ・新じゃが
    4個
  • ・スナップえんどう
    4個
  • ・そら豆
    2さや
  • ・フレッシュシェーブル
    大さじ4
  • ・ディル
    2枝
  • ・塩、黒コショウ、オリーブオイル
    各適宜
  1. 新じゃがはよく洗ってラップに包み、電子レンジ(500W)で5分加熱した後、皮付きのまま1cm幅にスライスする。
  2. スキレット(なければ耐熱容器)にを並べて、オリーブオイルを回しかけグリルで10分程度、こんがりと焼き目を付ける。
  3. そら豆はさやから取り出し、2分程湯がいたら、薄皮をむく。スナップえんどうは筋を取り、さっと湯がいた後、冷水に取って水気を切っておく。
  4. 焼き上がったの上にたっぷりのフレッシュシェーブル、そら豆、スナップえんどうを乗せ、塩・コショウしオリーブオイルを回しかけたら、ディルを散らして出来上がり。
春野菜とシェーブルのグリルに、さわやかソーヴィニヨン・ブランを合わせて


グリルした新じゃがはアツアツ、その上には冷ました野菜とフレッシュシェーブルという「熱冷」の組み合わせがポイント。「そら豆もスナップえんどうも茹(ゆ)ですぎに注意して、シャリッとした食感を残すのがポイント。特にスナップえんどうはすぐに冷水に取ることで、鮮やかな色調をキープして。そこになめらかシェーブルがフワリ。これぞ春の口福!」(沢樹さん)

「国産シェーブルのおいしさに衝撃」

今回のレシピで「絶対に外せない」と沢樹さんがこだわったのが、栃木県の那須高原の今牧場チーズ工房で造られるシェーブルだ。

「今牧場さんのチーズを初めて食べたときの衝撃は忘れられません。国産チーズのレベルの高さ、中でもヤギのミルクから造られるシェーブルのおいしさを、フレッシュタイプの『朝日岳』で知りました」

約300頭の牛とヤギを大切に育て、そのミルクを牛乳やチーズに加工している。「『心地いい余韻が長く続くのがよいチーズ』と言われており、那須の自然と牛やヤギに感謝しながら、ミルクを大切に取り扱うことを常に心に留めています」と、今牧場の高橋雄幸さん。

春野菜とシェーブルのグリルに、さわやかソーヴィニヨン・ブランを合わせて
今牧場の高橋雄幸さん。「牛乳から造るチーズでは出せないなめらかな食感と、ミルク本来の優しい香りが、ヤギのチーズの何よりの魅力です」

くさい、においがきついからヤギのチーズは苦手、という人もいるが、今牧場では飼育段階でストレスを与えず、乾草をエサとして与えることで、ミルクにもチーズにもまったくくさみがない。高橋さんは、「うちのチーズを食べて『ヤギのチーズにハマっちゃいました!』と言ってくださる方も多いんですよ」と笑顔を見せた。

ヤギの出産は年に1回、春のみ。まさに今、出産ラッシュの季節を迎えているという。「“助産師”として大忙しです」と高橋さん。この時期にしか取れないミルクで作るため、シェーブルはまさに「春のチーズ」なのだ。

「ソーヴィニヨン・ブランのフレッシュでミネラル感のある味わいと、春野菜のみずみずしい甘さ、そしてほろ苦さが爽快にマッチ! さらにフレッシュシェーブルの軽やかな酸味とクリーミーなキャラクターが、ハーモニーに厚みを与えます。シンプルですが、この季節限定、春だからこそ堪能できるぜいたくなペアリングなのです」と沢樹さん。

グラスからあふれるさわやかな香りが、とびきりの春を連れてくる!

ヴィニョーブル・ベルティエ「ランスタン・ソーヴィニヨン・ブラン・ジャン・マリー・ベルティエ 2018年」 2200円(税込み)

春野菜とシェーブルのグリルに、さわやかソーヴィニヨン・ブランを合わせて

白いお花に柑橘類、エキゾチックフルーツのアロマが香る。フレッシュな酸が柔らかな味わい。ロワール河の両側に畑を所有。両親から受け継いだ畑なども含め現在は25ヘクタールの畑でブドウを栽培し、ワインを生産している。

ジェロボームのオンラインショップ「 Jeroboam Fine Wine Club」で購入可能。

今牧場チーズ工房「山羊フレッシュチーズ朝日岳」100g
550円(税込み)

春野菜とシェーブルのグリルに、さわやかソーヴィニヨン・ブランを合わせて

かわいらしいヤギたちから搾った新鮮なミルクのおいしさを楽しむフレッシュシェーブル。ヨーグルトのような舌触りで、ヤギミルクの風味が優しく広がる。「パンにのせハチミツやジャムを添えて。刻んだディルとブラックペッパーを振るとスパークリングワインが飲みたくなります」と高橋さん。3月から11月の季節限定商品。今年は3月25日ごろから販売予定。詳細は今牧場のホームページで。

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