ちょっと冒険ひとり旅
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コルドバの巨大聖堂とかわいい“映えスポット” 魅惑のアンダルシア#2

そろそろ遠くに旅したい!とうずうずしている人も多いのでは。旅行ライターの山田静さんがちょっぴり冒険できる旅を紹介するシリーズ。前シリーズのバルセロナに続き、再び2019年3月のスペインの旅を紹介。誰もがイメージするスペインがぎゅっと詰まった魅惑のアンダルシアを歩きます。今回は花いっぱいのコルドバをどうぞ。

(トップ写真はコルドバのメスキータ)

■何回目かのひとり旅、ちょっとだけ冒険してみたい。そんな旅人のヒントになりそうな旅先や旅のスタイルを紹介している連載「ちょっと冒険ひとり旅」。京都で旅館の運営をしながら、旅行ライターとしても活躍する山田静さんが、飛行機やバスを乗り継いで比較的簡単に行ける、旅しがいのあるスポットをご紹介していきます。バックナンバーはこちら

イスラム教の名残ある巨大聖堂「メスキータ」

長く旅をしていると珍しいものにも目が慣れてくるが、それでも度肝を抜かれる建造物に出会うことがある。カンボジアのアンコール・ワット、サマルカンド(ウズベキスタン)の青いモスク、敦煌(とんこう)の莫高窟(ばっこうくつ)……事前に情報を知っていて写真を見ていても、目の前にすると建物の持つパワーや込められた人々の思いに圧倒されてしまう。大自然に感動するのとはまた違う、人の意思の力に心動かされる、とでもいうのだろうか。

コルドバのメスキータもそんな建物のひとつだった。

8世紀初頭、イベリア半島にやってきたイスラム勢力は最初に征服した「アンダルース」(アンダルシア地方)の首都をコルドバに置いた。征服者の権力を誇示するために建造されたのがメスキータだ。街の繁栄とともに増築が繰り返され、最終的には2万5000人が一度に入れるという巨大なモスクができあがった。

列柱

列柱が800本以上も連なり、不思議な森に迷い込んだような気分。赤レンガがアクセントのアーチ型の構造は、ローマ時代の水道橋をモデルにしたと言われる

とにかくでかい。

一歩入るとファンタジー映画に登場する森に迷い込んだような感覚になる。かつては1000本以上あり、現在も800本以上あるという列柱と赤レンガのアーチが織りなすリズミカルな構造が、実際のサイズより奥行きがあるように感じさせるのだと思う。

1236年、カトリック勢力がコルドバを奪還。メスキータは豪華なカテドラルに改造されたが、いたるところにイスラム教の名残があり、ふたつの宗教が入り交じった様が、むしろその魅力を増幅させている。

内部

さまざまな時代の建物のパーツ(石)を世界各地から運び、建材として使ったそう

内部

モスクだった時代に作られた部分。ミフラーブと呼ばれるくぼみで、メッカの方向を示し、ここに向かって祈りを捧げる。コーランを記した装飾文字や文様でびっしり埋め尽くされている

祭壇

カトリックの祭壇だが、見上げるとイスラム式の装飾がほどこされた円天井。カテドラル完成まで長い年月がかかったため、キリスト教会部分もゴシック、ルネサンスなどさまざまな時代の様式が混在している

絵画

キリスト教の権威を示すかのような絵画も多数掲げられている。とにかく内部の情報量が多い建物で見飽きない

街

隣接するミナレット(塔)から眺めるコルドバの街。開けた大地と青い空。アンダルシアの風景だ

街

花の飾りがかわいい「映えスポット」へ

「そろそろいいかな?」

写真の順番待ち列、先頭の人が夢中でポーズを取り続ける女性ふたり組に声をかけた。はっと我にかえった彼女たちが、「ソーリー」といいながら場所を譲った。

ここはメスキータ近くの旧ユダヤ人街にある「花の小道」。絵になる風景が多いアンダルシアでも一、二を争う「映えスポット」として人気の場所だ。

イスラム勢力の支配下にあった時代、ユダヤ人は経済の担い手だったという。彼らが暮らしていたエリアはいまも当時の雰囲気を残しており、白壁に花を飾ったかわいらしい家並み、そして「花の小道」に代表される狭い路地が続き、散策すると楽しい。

道

順番待ちして撮った写真。バカンスシーズンだと歩けなくなるくらい混むらしい

窓

外からは見えないが、家屋の敷地内にパティオ(中庭)がある家が多く、5月にはパティオの装飾を競う「パティオ祭り」が開かれる。庭好き・花好きには見逃せないイベントだ

庭

12世紀ごろのユダヤ人街の邸宅が再現されたカサ・アンダルシ。壁や調度品の細かな装飾、花や緑で飾られたパティオなど全部がすてき。こんな家に住んでみたい

カサ・アンダルシ

カスティーリャ王城・アルカサル

イスラムの宮殿跡に建てられたカスティーリャ王城・アルカサル。イスラム風の庭園が見どころだ

滞在の最後は、のんびり散策。セビリアへと流れていくグアダルキビル川沿いに遊歩道が続き、バルやカフェもたくさんある。アンダルシアの青い空の下、カフェでおしゃべりする人たちに交じってひと休み。次の目的地、グラナダへのバスの便でも調べるとしますか。

店

訪れたのは3月だが、さんさんと降り注ぐ光は真夏のよう。日陰になるところにテーブルが並べられ、夕方になるとちょっと一杯飲む人たちで満席になる

道

グアダルキビル川沿いの道。なんとなく撮った写真でも、光の強さが日本とは違う

カフェ

ひと休みしようと入ったカフェ。店内のテレビには日本のアニメ「AKIRA」が映し出されていた。隣の人に「日本人かい? 僕はアタック・オン・タイタンが好きなんだ」と話しかけられて意味がわからなかったが、画像を見たら「進撃の巨人」だった。スペインでは日本のゲームやアニメは大人気

料理

注文したのは大豆とキノコのコロッケが挟まれたベジタブル・バーガーとフライドポテト、レモネードのセット、12.45ユーロ。欧米のベジタリアンフードはボリュームがすごい。たぶんカロリーもすごい

犬

ヨーロッパはどこでもそうだが、犬連れOKなレストランが多く、犬たちも良い子で飼い主を待っている

行列

夜、散歩に出てみるとメスキータから行列が出てきた。スペインのセマナ・サンタ(聖週間)は2週間ほどあとだが、宿の人に聞いてみると、少し前から宗教行事がスタートするのだという。キリスト像を載せた堂々とした山車が音楽隊とともに街のなかを練り歩いていた

次回はコルドバからバスで2時間、グラナダへと向かう。世界一有名な宮殿のひとつ、アルハンブラ宮殿がある古都だ。

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BOOK

コルドバの巨大聖堂とかわいい“映えスポット” 魅惑のアンダルシア#2

京都で町家旅館はじめました(双葉社)

京都に開業した町家旅館のマネジャーをつとめることになった著者が、開業準備から実際の運営に至るまでのドタバタとドキドキ、そして京都のお気に入りスポットなどを綴(つづ)ったエッセーガイド。1540円(税込み)。

コルドバの巨大聖堂とかわいい“映えスポット” 魅惑のアンダルシア#2

旅の賢人たちがつくった
スペイン旅行最強ナビ(辰巳出版)

連載「ちょっと冒険ひとり旅」著者の山田静さんが中心となり、スペイン旅行のノウハウを解説した1冊。バルセロナ、マドリード、アンダルシア地方、バスク地方など、スペインの魅力的な場所を網羅。行き先選びから日程作り、航空券やホテル、トラブル対策までスペイン旅行の準備から帰国までを完全カバー。1650円(税込み)。

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