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気まずい過去を抱えて一人暮らしへ 母との関係に悩みます(コンシェルジュ:LiLiCo)

読者の皆さまから寄せられた相談やお悩みに、映画を愛する様々な分野の方々が寄り添い、最適の作品を紹介する隔週連載。

コンシェルジュは映画コメンテーター/タレントのLiLiCoさん、CGクリエーター/映画監督のFROGMANさん、Base Ball Bear・小出祐介さんの3人です。今回のコンシェルジュはLiLiCoさんです。

気まずい過去を抱えて一人暮らしへ 母との関係に悩みます(コンシェルジュ:LiLiCo)
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PROFILE
LiLiCo

映画コメンテーター/タレント。スウェーデン・ストックホルム生まれ。スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳の時来日、1989年から芸能活動スタート。TBS「王様のブランチ」に映画コメンテーターとして出演するほか、フジテレビ「ノンストップ!」やJ-WAVE「ALL GOOD FRIDAY」など、レギュラー出演番組も多数。イベント出演や映画・アニメの声優などマルチに活躍。ファッションにも意欲的に取り組み、バッグやジュエリーのデザイン、プロデュースも手掛ける。

<相談者プロフィール>
七海けい(仮名)女性、26歳
東京都在住

母との関係で悩んでいます。

私は1年ほど前に、新卒で入社した会社を2年弱で辞め、今の会社に転職しました。転職の理由を簡単にまとめると、やりたいことができなかったことと、当時の環境がとてもしんどかったからです。今思うと、はじめての社会人生活でいっぱいいっぱいになっていたのかなと思います。

転職した今、やりたいと思っていた仕事に運よくつくことができ、人にも恵まれました。もちろん大変なことやつらいこともありますが、楽しく過ごしています。ただ、転職がきっかけで母との関係に亀裂が入ってしまいました。新しい仕事についてから母とまともに話をしていません。父と母と実家で生活していますが、母とは必要最低限の会話しかありません。

もともとけんかはよくするものの、二人で買い物に行ったり旅行に行ったりと仲は良かったです。一人いる姉よりも私の方が母と一緒にいた気がします。

転職をするか悩んでいた時期も、母に相談していましたが、「仕事が辛いのは当たり前」「そんなに甘くない」としか言ってくれませんでした。結局、一人でたくさんたくさん悩んで転職することに決めましたが、それを伝えた時も「考え直して」と懇願されました。

新卒で入社した会社はそこそこ有名で、安定していたので、辞めて新しい仕事につくのが母には理解できなかったのだと思います。タイミングも悪かったのかもしれません。ちょうど転職を決めた時期に、母は持病の手術があり、自身も大変な時でした。そしてその頃から、私とは口をきいてくれなくなりました。私も、自分から話すものかと意地を張ってしまいました。

そんな母が、最近少し優しくなったのです。買い物に行く準備をしていると「車をだそうか?」と言ってくれたり、私が出社する時にちょっとしたお弁当を用意してくれたりします。  何かあったのだろうかと心配になりましたが、どうしていいかわからず気まずく感じてしまいます。

現在、一人暮らしをしようかと思って準備しているのですが、このまま家を出てしまうと私は多分、一生、母とまた仲良くなれないのではないかと不安です。でも、どうしたらいいのからわからないのです。どんな話をすればいいのか、どうやって話しかければいいのか、緊張するようになってしまいました。それがとても悲しいのです。

どうしたら母とまた楽しく過ごすことができるでしょうか。

ここからはあなたがリードしてあげましょう

こんにちは。お便りありがとうございます。

母との関係で悩んでいることを素直に書き出すのってとても勇気のいることだと思いますよ。よくわかります。なぜならば私も同じように母との関係で悩んでいた過去があるからです。

人に話すと「あなたを産んだお母さんよ、仲良くしないとダメよ」とか「一番近いお母さんと話せないなんて!」といろいろ言われました。でも近いからこそ、大切だからこそ、たまにどうしたらいいのかわからなくなりますよね。

相談文を読んでいて思ったのは、とても古風なお母さんだということ。確かに、就職したら一生そこで働いて生計を立てるのが当たり前という時代はありました。もしかしたらお母さんも自分の親にそう言われてきたかもしれないですね。ひょっとすると近所の人や友達にあなたの就職先を言っていたということも考えられます。そこそこ有名な会社なら誰だって自慢したくなります。

そうだとしたら、あなたが辞めた時に周りにどんな顔をすればいいのかわからなくなってしまったのかもしれませんね。そして一度素っ気ない態度を取ってしまったために、お母さんも心の中で悪いことをしたと思っているけど、なかなか素直になれないのかも。でもお母さんが最近優しくなったということですから、安心できるところもあります。はたから見たら「親子だね〜」と思われているのかもしれません(笑)。

ここからはあなたがリードしてあげましょう。

私は親子でも夫婦でも、音楽を切って、テレビを消して、そしてもちろん酔っ払ってない時にちゃんと座って面と向かって相手とお話しします。そういう雰囲気に仕向けるのは嫌だし、照れくさい。改まって何よ?と思われるかもしれない。けど、自分の思っていることや、なぜそう思っているのか、そして問題の原因は何かを丁寧に冷静に話す。そうすると相手も心を開いてくれます。七海さんが家を出て一人暮らしをするのであれば、このままの気まずい関係だと悲しくなるし、お母さんのことが大好きだから昔のように戻りたいですよね。

引っかかっていることを一つずつ解決していってみたらどうですか?

ものすごく勇気がいるけど、ここにお便りを送る勇気があるならあなたには絶対できる!

今回はお母さんとの関係を感じてほしいので『幸福路のチー』をオススメします。母親をはじめ家族とは何か、そして自分の人生を振り返ることができる台湾のアニメです。監督は日本に住んでいたこともある、ソン・シンイン。キャラクターと風景がとてもシンプルに描かれているからこそストーリーがストレートに心を打ちます。

主人公のチーのお母さんは可愛い娘にお医者さんになってほしくて、幼い娘に希望を託します。そんなチーが大人になったある日、アメリカで暮らす彼女のもとに、おばあちゃんが亡くなったという知らせが届きます。悩んだ時にいつもそばにいてくれたおばあちゃん。チーは生まれ育った地を踏んで自分の子ども時代を思い出す。彼女が感じたことはきっとあなたにもささります。

劇中のそれぞれのキャラクターのセリフが印象的です。「ママが敷いたレールを歩いて来て、つまんない人生だった」(チー)、「あんたには幸せになってほしくて」(お母さん)、「料理上手だけで立派」(おばあちゃん)、と生きた軌跡によって考え方は様々です。

でもこのお母さんが最後に娘に言う言葉が全てだと思います。おばあちゃんが言う「心の目でものごとを見るのよ」も。これもかなり強いメッセージです。

またラストに流れる曲も素晴らしい。吹き替え版だと私がおばあちゃんの声を担当しています。ぜひお母さんと一緒に見てね。きっと何かを感じ取れると思いますよ。後悔のない人生を❤︎

LiLiCoさん紹介の映画

幸福路のチー
監督:ソン・シンイン

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