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アニメ『ゴジラ S.P』始動【4】声優・石毛翔弥 旧作からの学びを糧に、新たな表現を紡いでいく

いまや日本だけでなく世界でも人気を博す『ゴジラ』。1954年に第1作の映画が公開されてから現在に至るまで、国内外問わず生み出された30を超える作品数がその人気を物語っているだろう。そして2021年、令和にして日本国内では初のTVアニメシリーズ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』がスタートする。さまざまなエンタメ分野で活躍するクリエイターやアーティストへインタビューする本連載「Creators Book」で、『ゴジラ S.P』スタッフ・キャストの本作へ込めた創意工夫や思いに迫る特集を4回にわたって掲載します。

最終回は、二人の主人公のひとり、有川ユン(ありかわ・ゆん)を演じる声優の石毛翔弥さんに話を聞きました。

アニメ『ゴジラ S.P』始動【4】声優・石毛翔弥 旧作からの学びを糧に、新たな表現を紡いでいく

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旧作から学んだ人間ドラマの表現

『ゴジラ S.P』で主人公の声優を務めるのは『遊☆戯☆王VRAINS』に続いて2回目となる石毛さん。自身が生まれる前から存在し、実写・アニメ問わず多くの名優たちが名を連ねててきた「ゴジラ」シリーズの作品に主演として関わるのは、責任感もひとしおだろう。『ゴジラ S.P』をシリーズの過去策に並んでも遜色ない作品に導く役割の一端を担うことに、プレッシャーを感じていた。

「ゴジラシリーズは、長い歴史とともに世界中に多くのファンがいる作品ですよね。新しいシリーズの発表があるごとに高い期待値を持って迎えて下さっていると思うので、今回の『ゴジラS.P』も、その期待に応えるためにキャスト・スタッフみんなの力が必要だということは理解しつつ、そのピースの一つとして僕自身は応えられているのかなという思いはずっと持ち続けていますね」

アニメ『ゴジラ S.P』始動【4】声優・石毛翔弥 旧作からの学びを糧に、新たな表現を紡いでいく

本作への出演が決まり、石毛さんは『ゴジラ S.P』で描かれる怪獣が登場する「ゴジラ」シリーズを視聴した。実写とアニメでは演技の手法が違うものの、芝居のヒントになることもあったという。

「一作目から人間ドラマが深く描かれていて、怪獣が出るからといって仰々しい芝居ではなく、人間同士の物語が展開できるような自然なお芝居が求められる作品なんだと感じたんです。なので、より自然に演じようと意識しながらアフレコに挑みました。この感覚は今後も大事にしていきたいですね」

「セリフの速度」と「息継ぎのタイミング」を意識

一方で従来の「ゴジラ」シリーズとは異なる芝居を意識する場面もあった。石毛さん演じるユンは町工場で働くエンジニア(技術者)で、ロボット製造やプログラミングに精通する天才だ。未曽有の脅威である怪獣たちに“技術”で立ち向かうキャラクターのため、石毛さんはあえて“驚く”という感情を表現しないように意識していた。

「きっかけは、未知の生物に対して“脅威”を感じるのではなく、技術者としての“興味”を強く出してほしいとディレクションをいただいたことでした。既存の「ゴジラ」シリーズでは、怪獣が登場したときに多くの登場人物たちが驚きを表現していましたが、ユンは脅威に立ち向かうことに重きを置いているので驚くより前に観察し分析するんだなと、その時ユンというキャラクターが掴めた気がしました。彼ももちろん全く驚かないわけではないのですが、そこまで声の表情に“驚き”を出さないよう演じました」

アニメ『ゴジラ S.P』始動【4】声優・石毛翔弥 旧作からの学びを糧に、新たな表現を紡いでいく

石毛さんが演じる上でもう一つ意識したのが「セリフの速度」だ。天才というキャラクター特有の頭の回転の速さを声で表現するために、息継ぎのタイミングも工夫した。

「思考しながら話す場合もあるのですが、多くのシーンでは話すことを決めた上で喋り出すので、ユンならどこで息継ぎをするかな?と区切るタイミングを考えたりしました」

また、長文のセリフもいくつかあった。長いセリフの場合でも、当然ながら次のキャラクターが話し出すまでの時間を計算して自身のセリフを言い終えなければならない。その中で息継ぎのタイミングを意識しながら演じることは非常に難しいだろう。

「次の人が話し出す前にある程度長いセリフを終わらせないといけないのはもちろんなのですが、だからといって早口になり過ぎず、けれども技術者としてすらすらと話すテンポ感も必要で。何回か噛むこともありましたが(笑)、その辺はディレクターさんはじめスタッフの方達と一緒にかなり意識しました」

演じていく上でキャラクターへの印象に変化が

ユンは『ゴジラ S.P』公式サイトで「人との接し方に難のある変わり者」と紹介されており、職人気質で人との深い関わりを得意としない無骨な印象を受ける。しかし、本編を見ていくと意外にも情に厚い一面もうかがえる。石毛さん自身も「演じていく中で、最初の印象から変化があった」と話す。

「最初はコミュニケーション能力があまりないキャラクターなのかなと感じていたのですが(笑)、アフレコ時に『ユンは未曽有の生物という脅威に立ち向かうために自分ができることを最大限しようとする強い意思を持っている』と説明をいただいて印象が変わりました。ただ愛想が良くないだけであって、僕自身が思ってた以上に人間味を感じるキャラクターでしたね」

アニメ『ゴジラ S.P』始動【4】声優・石毛翔弥 旧作からの学びを糧に、新たな表現を紡いでいく

そんなユンに対し、石毛さんは「かわいさも兼ね備えているキャラクターなんです」と笑いながら語った。

「町工場で一緒に働いているハベル(加藤侍、声:木内太郎)と話しているときは素に近いユンで、もう一人の主人公であるメイちゃん(神野銘、声:宮野侑芽)とのやり取りではまた違った魅力が引き出されています。会話する相手によって、こんな言葉遣いや反応をするんだ!と気づきがあり、毎回新鮮な気持ちで演じることができました」

個性豊かなキャラクターたちが、ユンの多面性を引き出している。そういったキャラクター同士の掛け合いにも注目するとさらに本編を楽しめそうだ。

「アニメならではの表現に注目してほしい」

『ゴジラ S.P』は手描きアニメとCGのハイブリッドで制作されている。本作に登場する怪獣たちは3Dで表現され、特撮技法を駆使した実写とはまた違ったアニメならではの繊細さと迫力がある。

「ずっとゴジラを好きで追いかけているファンのみなさまにも『ゴジラ S.P』に登場する怪獣たちを楽しんでいただけると思っています。既存のゴジラにあるSFの要素も本作にはふんだんに盛り込まれていますし、脚本を担当された円城(塔)さんが描くSFをアニメならではの表現で描かれているので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います」

アニメ『ゴジラ S.P』始動【4】声優・石毛翔弥 旧作からの学びを糧に、新たな表現を紡いでいく

「視聴者のみなさまの反応にドキドキしています」と自身の芝居に対する緊張感が伝わってくるとともに、作品の完成度の高さには期待感を持っている様子も伝わってきた。

「ゴジラを見たことのないみなさまにも、昔からゴジラを好きでいるみなさまにも絶対に楽しんでいただける作品になったと確信していますので、ぜひ期待して見ていただけたらと思います」

(取材・文=阿部裕華 写真=鬼澤礼門)

プロフィール

石毛翔弥(いしげ・しょうや)

アニメ『ゴジラ S.P』始動【4】声優・石毛翔弥 旧作からの学びを糧に、新たな表現を紡いでいく

8月20日生まれ。埼玉県出身。インテンション所属。主な出演作に『遊☆戯☆王VRAINS』(藤木遊作 / Playmaker役)、『火ノ丸相撲』(米村竜二役)、『ハイキュー!! TO THE TOP』(越後栄役)など。

作品情報

『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』

アニメ『ゴジラ S.P』始動【4】声優・石毛翔弥 旧作からの学びを糧に、新たな表現を紡いでいく

<放送・配信情報>
202141日(木)~ テレビ放送開始
毎週木曜22:30 TOKYO MX、KBS京都、BS11 /24:00 サンテレビ
2021325日(木)~ Netflixにて国内配信開始(毎週木曜1話ずつ先行配信)

<キャスト>
神野銘:宮本侑芽 有川ユン:石毛翔弥
加藤侍:木内太郎 大滝吾郎:高木渉 金原さとみ:竹内絢子
ペロ2:久野美咲 ユング:釘宮理恵
佐藤隼也:阿座上洋平 山本常友:浦山迅 鹿子行江:小岩井ことり
海建宏:鈴村健一 李桂英:幸田夏穂 マキタ・K・中川:手塚ヒロミチ
ベイラ・バーン(BB):置鮎龍太郎 リーナ・バーン:小野寺瑠奈
マイケル・スティーブン:三宅健太 ティルダ・ミラー:磯辺万沙子 松原美保:志村知幸

<スタッフ>
監督:高橋敦史
シリーズ構成・脚本:円城塔
キャラクターデザイン原案:加藤和恵
キャラクターデザイン:石野聡
怪獣デザイン:山森英司
コンセプトアート:金子雄司
CGディレクター:池内隆一・越田祐史・鈴木正史
VFXディレクター:山本健介
軍事考証:小柳啓伍
美術デザイン:平澤晃弘
デザインワークス:上津康義
美術監督:横松紀彦 色彩設計:佐々木梓
撮影監督:若林優 編集:松原理恵
音楽:沢田完 音響監督:若林和弘
アニメーション制作:ボンズ×オレンジ
製作:東宝

<主題歌>
OP:『in case…』BiSH(※「…」の正式表記はピリオド三つです)
ED:『青い』ポルカドットスティングレイ

(C)2020 TOHO CO., LTD.

TVアニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』公式サイト
TVアニメ『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』公式Twitter

 

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