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小気味よい加速感 今も高値で取引される2代目ホンダ「CR-X」

初代のイメージを引き継ぎつつ精悍な印象に(Si)

ダウンサイジングという言葉がクルマの世界にある。あえてコンパクトな外寸や、小さめな排気量のクルマを選ぶこと。2人でしか乗らないのに、全長5メートル超え、全幅2メートル超えでは、大きすぎる、と考える人も少なくない。そういう人にとって、たとえば1987年にホンダが発表した2代目「CR-X」は理想的なサイズのクーペといえるのではないか。

2代目CR-Xの全長は3755ミリ、全幅は1675ミリに抑えられている。プロポーションとしては、けっこう幅広に見え、スポーツクーペとして均衡がとれている。上手なスタイリングだ。

83年に登場した初代のキープコンセプトともいえるデザインであるものの、ウィンドーグラフィックス(サイドウィンドーの輪郭)や面の(カーブの)作り方などは洗練度がぐっと増しているのが特徴だ。フロントで1450ミリあるトレッドのおかげで、足をふんばったようなスタンスも力強く、魅力は今も褪(あ)せない。

大きなスライディングルーフのオプションも
大きなスライディングルーフのオプションも

エンジンは、1.6リッターDOHCと、1.5リッターSOHC4バルブが用意されていて、89年にはスポーティーなクーペというコンセプトによりしっくりくるVTEC(ホンダが開発した可変バルブリフトおよび可変バルブタイミング機構)付き1.6リッターエンジン搭載の高性能版「SiR」が追加された。

リアには視界確保のためスモークグラスがはまる
リアには視界確保のためスモークグラスがはまる

初代は、まぶたのように少しだけ開く半格納式ヘッドランプや、外側にスライドするスライディングルーフ、ルーフの一部が潜望鏡のようにぴょこっと開いて室内に空気を取り込むスノーケル(ルーフ・ラム圧ベンチレーションと呼ばれた)など、意欲的なディテールを多く持っていた。ただし85年にマイナーチェンジ。ヘッドランプが固定式に変わり、おもしろみのないフロントマスクになった。

初代シビックのデザインコンセプトを継承したダッシュボード(1.5X)
初代シビックのデザインコンセプトを継承したダッシュボード(1.5X)

2代目は当初から固定式ヘッドランプを採用していたこともあり、92年のモデルチェンジまで精悍(せいかん)なイメージを維持。そもそも爆発的に売れるモデルでないことも幸いし、モデルライフ中、古くさくみえることはなかった。

とくにSiRは小気味よい加速感を楽しませてくれた。当時のホンダ車の常で、マニュアルの変速機のシフトフィーリングは、操作感は軽い一方、なんとなく頼りなさもあった。それでも、弱点を補う楽しさのあるクルマだった。

スポーティーなバケットシートを装着(1.5X)
スポーティーなバケットシートを装着(1.5X)

最大トルク(たとえばSiRだと14.7kgm)が高回転(同5700rpm)で出る設定のエンジンだけに、やや回転を高めに保ってのクラッチワーク(クラッチをつなぐこと)や、低めのギアで高めの回転域まで引っ張って走るときの加速感はかなり楽しめたという記憶がある。

このスタイリッシュで、使いやすいサイズで、けっこう活発に走るクーペこそ、いまの時代の気分にぴったりくるような気がする。そう考えている人が少なからずいるのか、デビューから四半世紀たったいまでも、中古車は安くない価格で取引されている。

89年に追加されたスポーティーなSiR
89年に追加されたスポーティーなSiR

程度がよければ新車時の定価より高い個体まである。こうしていつまでも貴重だと思ってもらえ、次々にオーナーがみつかるクルマ。これこそ、ある意味で“エコ”。昔、ポルシェが911について言っていた。廃車になる率が低いモデルこそ、エコロジカルなのだと。CR-Xもその説にぴったり当てはまるではないか。

【スペックス】
車名 ホンダCR-X Si
全長×全幅×全高 3755x1675x1270mm
1590cc直列4気筒 前輪駆動
最高出力 130ps@6800rpm
最大トルク 14.7kgm@5700rpm

(写真=ホンダ提供)

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