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つながる、ということ
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人とのつながりが楽な「逃げ道」をふさいでいる 純烈リーダー・酒井一圭さん

写真・野呂美帆撮影

奪われたファンとのふれあい

――握手やハグをしてファンとつながる純烈名物の「ラウンド」ができなくなってしまいました。

子どものころ、イベントでステージにあがった体の大きなプロレスラーを触ったときに、「ウォー」ってすごい気分が高揚しました。触ったときの感触は今でも忘れられません。

純烈のメンバーも、みんな背が高いんですが、「ラウンド」の時間に舞台から降りてお客さんと握手をさせていただくと、「やっぱり、手も大きいねえ」と強い印象を残すんですよ。メンバーを覚えていただける。直接ふれあってつながることには、とても大きな意味がありました。

ステージからは「あの家族が来ているな」と、客席の様子が手に取るようにわかるんです。コロナ前は「やせた?」「髪切った?」とか、望んでいそうな言葉を瞬時に判断して……。「言葉のソムリエ」のような感覚でした。

人とのつながりが楽な「逃げ道」をふさいでいる 純烈リーダー・酒井一圭さん
コロナ前、「東京お台場大江戸温泉物語」のステージで歌う純烈のメンバー(G-STAR.PRO提供)

お客さんからは「むくんでいると言ってたけど、あなた食べ過ぎよ」と親のような辛辣な言葉が返ってくる。そんなつながりを全国各地で築いてきました。コロナで「ラウンド」はできませんが、僕は逆境の時にこそ、エネルギーが出るタイプなんで。まさに、今がそんな時ですよね。

――俳優などの活動をしていた酒井さんがメンバーを集め、07年に純烈を結成しました。しかし、最初のうちは、世間の注目も浴びず、下積みが続き、メンバーとのつながりを維持するのにも苦労したそうですね。

最初は、鳴かず飛ばず、でした。「純烈をやめたい」という空気を出しているメンバーには、別のメンバーに悩み事を聞いてもらっていました。実は、悩み事を聞いているそのメンバーも、本心ではやめたいと思っているなあ、と僕は内心気づいていました。

やめたいメンバー同士で話し合っているうちに、それぞれのやめたいという気持ちが打ち消されるだろうと思っていました。実際、そうなりましたね。

僕自身は、下積み時代、自分からやめようと思ったことはありません。純烈をはじめるときに、自転車のブレーキをとってしまったような状態でした。絶対にこぎ続けてやろう――。そんなモードに入っていました。

目標で自分を立て直す

――すごい覚悟があったんですね。

僕の場合、だらしのない自分を純烈としての目標を持つことで立て直してきた面があります。

俳優などの仕事だけでは生活できずに、アルバイトをしていたことがありましたが、ある日突然行かなくなって、「急にやめます」とギブアップしてしまう。わずかなすき間から水が漏れるように、現実から楽な方へと逃げようとしてしまう性分なんですよ。朝起きたくない、仕事したくない、楽にお金を稼ぎたい……。油断していると、本当にだらしないことを考えてしまうんです。

親、妻、子どもたち、ファンのみなさん、メンバー、事務所の社員……。今は、いろんな人たちが周囲にいてくれて、その人たちとつながることによって、楽をするために逃げるすき間を埋めているところがあるんです。だから、僕は人に囲まれたり、つながったりすることを大切にしてきました。

人とのつながりが楽な「逃げ道」をふさいでいる 純烈リーダー・酒井一圭さん

――スーパー銭湯や健康センターといったお風呂のある施設で活動するようになったのは、テリー伊藤さんとのご縁があったそうですね。

下積み時代に、キャバレーで歌っていたら、テリー伊藤さんが「ムード歌謡というのは面白いね」と評価してくれました。その後、テレビのワイドショーが僕たちを取材してくれました。それを見ていた健康センターの運営会社の方が「うちで歌ってみないか?」と誘ってくれたんです。

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