すべての旅は、自分に通じる 鉄道旅が教えてくれた個性 俳優・関口知宏さん

密な車内、人いきれと大声……。中国大陸の隅々まで3万6000キロの鉄道旅を続けながら、無邪気で人懐こい人たちと「つながり」を重ねた。行く先々で繰り広げられるドラマは、私たちがどこかに置き忘れたかのようなぬくもりや、すがすがしさに満ちていた。「つながる、ということ」第3回は、俳優・関口知宏さん(48)。「中国鉄道大紀行 ~最長片道ルート36000kmをゆく~」(NHK)放映から14年。関口さんはこれまでの旅を「自らの個性を教えてくれた存在」と総括する。
世界中に広がったコロナ禍で、出歩くことも、人と会うことも、以前のようにはできなくなりました。だからこそ、大勢の人が、つながりについて考え直したようにも思えます。&M、&w、&Travelの3マガジンは、サイトリニューアルを機にマガジン横断インタビュー「つながる、ということ」を企画しました。
自分を見失っていたとき、旅に出会った
――関口さんが鉄道の旅にかかわるのは「列島縦断 鉄道12000キロの旅 〜最長片道切符でゆく42日〜」(NHK、2004年)が最初です。もともと鉄道ファンではないそうですが、鉄道旅とのなれそめはどんなものだったのでしょうか。
そう。むしろ車のほうが好き。しかも、出無精なほうだし。「最長片道切符」のオファーが来たのが2003年。マネジャーに「断るだろ?」と先に言われたくらいですよ。そのころ、やることなすことしっくりこなくて、芸能界なんて自分には場違いなんじゃないかという気になってて、何だか真っ白な状態でした。
しかし、オファーを受けて僕は「あっ、それだ」と思った。眉つばに聞こえるかもしれませんが、「お告げ」的なものが来ていたんです。当時、いろいろな形で。いわば「お前、旅することになるから」という意味の。思えば、デビュー直前など節目節目で自分の個性を見越したような夢を見てきた。「中国鉄道大紀行」の前には、古代中国の景色や言葉が出てきました。

レールの向こうには、嫌でも出会いがある
――何か因縁めいていますね。「最長片道切符」にはじまり「中国大紀行」そしてヨーロッパ。関口さんが重ねてきた壮大な旅は、自分の人生にどんな影響を与えましたか。
日本にいると、「つながる」ということに思い悩むこともありますが、世界を見渡せば、国によって、ずいぶん違うんだと驚きました。そう考えると、もっと楽に考えられるようになりますね。
ずっと視聴させて頂いていました。
その後中国、上海に出張に行き、リアルな中国を体験しました。
今朝、何故かあの列車の旅のことを思い出していた所でした。
コロナ禍の今、また中国もずいぶん変わったのかなと思っています。
そうまた、列車の旅のあの雰囲気が好きで他の国の人々のことも知りたいと思いました。
つながりたがり、上手い表現だと思いました。
素直で素朴な印象でしたが、どんな考えをお持ちなのか知りたかったので、このインタビュー記事は嬉しいです。
関口さんの鉄道の旅番組は大好きでしたから、また復活してほしい。