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永瀬正敏フォトグラフィック・ワークス 記憶
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(109) 伝統の技、職人への敬意胸に 永瀬正敏が撮ったイラン

国際的俳優で、写真家としても活躍する永瀬正敏さんが、世界各地でカメラに収めた写真の数々を、エピソードとともに紹介する連載です。つづる思いに光る感性は、二つの顔を持ったアーティストならでは。今回はイランで見かけた壁画を撮った一枚。ペルシャ絨毯(じゅうたん)を作る様子が描かれたその絵を前に、永瀬さんに浮かんだ思いとは。

(109) 伝統の技、職人への敬意胸に 永瀬正敏が撮ったイラン
©Masatoshi Nagase

職人さんが長年の努力で培った技が光る伝統美術工芸品。
どの国のどんな作品でも、そこから醸し出される繊細な技には言葉を失う。

人間国宝の方々はもちろんだが、地道にその技を引き継ぎ、形にされているたくさんの職人さんたちに、僕は憧れを抱いている。
代々稼業として受け継がれる方々にも、その世界にひかれ弟子入りして技を継承した方々にも。

美術品として評価されているものも、生活の中で独自に発展してきた民芸品の数々にも、職人さんの手のぬくもりを感じて一つ一つの作品についため息が出てしまう。

以前、京都で伝統工芸展にお邪魔した際、鶴や松などのモチーフを細かい作業で形にし、のし袋や正月の鏡餅等に飾り付ける「水引」を作られている職人さんの実演を、目の当たりにしたことがある。
巧みに指を動かし、みるみるうちに出来上がってゆくその見事な技に、僕は魅了されてしまった。

その時、もう一つうれしかったことは、その職人さんの横に若い女性のお弟子さんがいらっしゃったこと。
彼女は師匠の実演中、じっとその姿を見つめながら、その実演会のサポートをしていた。
この女性がきっとこの職人さんの跡を継ぐのだろう、そして伝統を守っていくのだろう、そのことがとてもうれしかった。

この建物に描かれた巨大な絵を見て、やはりイランの伝統工芸品といえば「ペルシャ絨毯」なんだ、と改めて思った(この雲を背負った壁画も素晴らしい作品だ)。

何年も、なかには何十年もかけ丹念に織られていくペルシャ絨毯。

今まで僕は和紙職人さん、刀鍛冶(かじ)さん、弓職人さん、漆職人さん等、たくさんの職人さんの工房へお邪魔して撮影させていただいた。
今度は是非「ペルシャ絨毯」制作の場にうかがって、職人の皆さんを撮影してみたい……。
この壁画を見て僕はそう思っていた。

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