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上間常正 @モード
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世界屈指の実力派デザイナー、アルベール・エルバスの死に思う

ランバン2015年春夏パリ・コレクション=大原広和氏撮影

世界でも屈指の実力派ファッションデザイナーだったアルベール・エルバスが、パリ郊外の病院で死去したと4月25日に報じられた。その突然の訃報(ふほう)にはびっくりすると同時に、「なぜ彼が」との残念な思いに強くとらわれた。

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ランバン2015年春夏パリ・コレクション=大原広和氏撮影

もうだいぶ前のインタビューで彼が語った「僕は保守的なタイプで、過去に縛られている。でも時代の変化をいつも感じようとしていて、それを表現したいと思ってきた」との言葉を思い出す。新型コロナウイルス禍が広がる中で、この言葉の意味はより深いと思う。コロナによって59歳の命を奪われてしまうのはさぞかし無念だったに違いない。

パリの老舗ブランド、ランバンで長く活躍したイメージからすると、エルバスの生い立ちと経歴は思いのほか異色だ。モロッコのカサブランカ生まれで、イスラエルで育ち、大学でデザインなどを学ぶ。その後1980年代半ばにアメリカに渡ってジェフリー・ビーンなどで働き、96年からパリの老舗ギ・ラロッシュやイヴ・サンローランなどを手掛け、2001~15年にランバンのアーティスティックディレクターとして活躍し、このブランドを人気ブランドとしてよみがえらせた。

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ランバン2015年春夏パリ・コレクション=大原広和氏撮影

エルバスがランバンに移って間もない2002年春夏コレクションで披露したのは、このブランド伝統のエレガントな美しさに、伸びやかで自由な感覚を盛り込んだ服だった。優雅なドレープのドレスの裾を粗野に断ち切ったり、クラシカルなリボンを左右非対照で大胆に結んだり……。そんな組み合わせと完ぺきな手わざを駆使した、新しいランバンスタイルだった。また2006年秋冬コレクションでは、遠くと近くから、前と後ろから見ると違って見える服を発表。エルバスは「テーマは幻想。現実は矛盾に満ちているから」と語った。

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