眺望絶佳 金ピカのエレベーターで「ワシの巣」へ ケールシュタインハウス

ツアーの行き先としてはメジャーでないけれど足を運べばとりこになる街を、ヨーロッパを知り尽くした作家・写真家の相原恭子さんが訪ねる「魅せられて 必見のヨーロッパ」。今回は2019年に訪ねたドイツのベルヒテスガーデン国立公園の4回目、ケールシュタインハウスです。ナチス・ドイツの指導者ヒトラーゆかりの建物です。
岩山にあるヒトラーゆかりの建物
今回は、ベルヒテスガーデン国立公園の中でも人気の場所、「ケールシュタインハウス」へ昇って、周囲を散策しました。
この建物は、1938年にアドルフ・ヒトラー率いる国家社会主義ドイツ労働者党(NSDAP、ナチス)が、党を代表する建物の一つとして建設したとされています。ベルヒテスガーデン・アルプスを成すケールシュタイン山(標高1881m)の標高1843m地点に建てられています。この岩山に建物を建てるのは容易でなく、当時の通貨で3千万ライヒスマルク(現在の約1億3千万ユーロ、約170億円)を費やしました。
戦後、米兵がここを「イーグルズ・ネスト(ワシの巣)」と呼ぶようになり、いち早く人気の観光地となりました。
さて、まずはケールシュタイン・シュトラーセと呼ばれる山道をバスで登りました。車窓から周囲の森林やアルプスの山々が見えます。バスは各国からの観光客で満杯。都内のラッシュアワーさながらで、まさにオーバーツーリズムと言われた頃でした。終点で下車して、エレベーターでケールシュタインハウスへ登ります。

整理券をもらって、ヨーロッパ、アジア、アメリカなど各国の観光客に交じってエレベーターに乗る順番を待ちました。なぜか日本人は見かけず、私だけのようでした。

エレベーターが過密状態で、とても写真撮影は無理でした。エレベーターを降りると、そこはケールシュタインハウス。
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ケールシュタインハウにてヒトラーとナチス党員は、自らが人間であることをやめた と感じられたとの事。私も同感です。それでも、狂乱の時代に生きる為に心ならずも党員になった庶民もいました。何処の国でも 例え宗教者であっても・・。