「軽キャンピングカー」にしかできないこと 購入前に注意すべきポイントを整理

キャンピングカーショーに行くと、「軽キャンピングカー」を見ている人たちからのこんな声をよく聞くことがあります。「サイズがコンパクトだから、これなら運転できるかも!」「まずは軽からスタートするのがいいかもしれないね!」。現場を歩いていると、その人気を実感します。
「軽キャンピングカー」とは、文字通り軽自動車をベースに作られたキャンピングカーのことです。バンコンタイプとキャブコンタイプがあるのは、一般のキャンピングカーと変わりません。
「軽自動車」は日本独自の自動車規格です。コンパクトサイズで運転がしやすく、ランニングコストも安い、という特徴があり、多くの人たちから支持されているカテゴリーです。
海外のビルダー幹部が「Amazing……」
現行の軽自動車の規格は、全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高2000mm以下、排気量660cc以下、乗車定員4名以下、貨物車の場合は貨物積載量が350 kg以下と定められています。
当然、キャンピングカーでもこの規格内に収まっていなければならないわけですから、キャブコンの架装をしても、コンパクトな大きさであることに変わりはありません。
高さの制限が2000mm以下ですから、どんなに低床な設計でも、中で大人が立つのは苦しいでしょう。長さ・幅ともコンパクトなので、室内空間は小さめです。そしてエンジンも排気量660cc以下ですから、強いパワーは望めません。
キャンピングカーは、さまざまな設備がある分、通常の車よりも重たくなりがちです。このため、軽自動車は大きさ・パワーともに、最も「キャンピングカーに向いていない」と判断されそうな車です。しかし、軽キャンピングカーは人気があります。全国のビルダーが制約を乗り越えて、さまざまな軽キャンピングカーをつくり出し、提案してくれていることが背景にあります。

こんなエピソードを聞いたことがあります。数年前、海外の有名ビルダーの幹部が来日した際、キャンピングカーショーで軽キャンピングカーを視察しました。小さいサイズに仕込まれた数々の装備を見て、「Amazing……」と称賛していたそうです。