もはやマツダMX-5は「歴史車」 イタリア半島で一斉ファンミーティング

「初めて」のMX-5から「6台所有」まで
ファンたちのMX-5への思いは熱い。走行17万キロメートルの初代を所有するルイージ氏は、「カーブを筆のようになぞることができる」とそのドライビング・フィールを描写した。
赤い2代目のオーナー、パオロ氏は「オープンで走行するときの、自然との一体感が素晴らしい」と語る。そして「ある夏の夜、蛍の光がまたたく中、土や草の香りに包まれながら走ったときは、詩的でもあった」と振り返った。

グレーの2代目を3年前に中古で購入したウンベルト氏は、1951年生まれの今年70歳だ。「私は後輪駆動とともに生まれたのだ」と言う彼は、かつて初代フィアット124スパイダーも所有していたという。別のマツダ車を所有し、その品質に惚(ほ)れ込んだのがきっかけで、3年前グレーの2代目MX-5を手に入れた。

1990年生まれのマッティーアさんは、自分とほぼ同年代の1993年式初代でやってきた。「過剰に電子制御に頼っていない設計がいい」とMX-5の魅力を語る。助手席にぶら下がる「つり革」は、彼が大の日本ファンである証しだ。腕にはカシオのデジタル時計、いわゆる「チプカシ」が光る。聞けば、弟も同じマツダのRX-8をガレージに収め、友人もトヨタMR2や同スープラを所有しているという。


いっぽうで、入門したばかりのファンも見つけることができた。隣接州のエミリア=ロマーニャから越境してやってきたオスカルさん&サーラさん組だ。オスカルさんは語る。「スペイン勤務時代のある日、仕事場を出ると、1台の赤い初代が目に飛び込んで、ひと目ぼれしてしまったんです」。その後、走行8万キロメートルの2代目を手に入れることができた。「嫌なことがあった日も、ひとたびステアリングを握れば心が解放されるんです」と喜びを語る。

同じく初代を所有するリッカルド氏は1994年式の初代を「前のオーナーがチューニングをしようとして断念した」エンジン無し車で購入した。彼は購入後1.8リッターユニットを搭載。さらに初代の5段に対して、2代目の6段マニュアル変速機を移植した。日ごろの顔は司法医だが、週末は4点式シートベルトを締めてサーキットを楽しむ。「今、納車待ちの現行型も含めて、MX-5歴は6台になるよ」とも明かしてくれた。

社会人なりたての夏、レンタカーで北海道を走った思い出が。フルオープンで気持ちよかったな。当時はユーノス・ロードスターって言ってましたね