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多摩テックの遊具から市販車へ クルマに積めるレジャーバイク「ホンダ・モンキー」

多摩テックなどで遊具として使われていたころ

小さくても大きな存在感。そういうもの、みんな好きだと思う。二輪でいえば「ホンダ・モンキー」。1967年に市販版が登場して以来、2008年まで少しずつアップデートされながら、市場で確固たる地位を占めてきた。

市販版と書いたのは、最初のモンキーは、当時ホンダが東京・日野市で経営していた乗りもの中心の遊園地「多摩テック」(1961~2009年)の遊具として1961年に開発されている。

モンキーは輸出から始まった
モンキーは輸出から始まった

多摩テックは、モビリティー(二輪と四輪)に憧れる当時の子どもにとって天国みたいな場所だった。自分で操作できるパワートレイン付きの乗りものが多かったからだ。きっと覚えているかたも多いだろう。

鈴鹿サーキットにも同様の施設(モートピア)があるし、そもそもホンダは、乗りものの楽しさを熱心に教えてくれた。当初は二輪のための「生駒テック」(61~65年)や、ゴーカートが楽しめた「朝霞テック」(64~73年)といった場を作るなど、将来、運転免許をとる世代に、強くアピールしたのだ。

日本では67年から販売開始された
日本では67年から販売開始された

モンキーは、固定式サスペンションに、5インチ径という小さなホイールが特殊だった。遊具だったので、頑丈で安全であることが最優先されたからだ。そののち、クレードルフレーム構造に、50ccエンジンを載せ、ぶ厚いクッションのシートを装着というコンセプトは、市販車に引き継がれた。

実は市販モンキーは、日本での発売(67年)に先行して64年に輸出が開始された。そのときのコンセプトは、クルマに積めるレジャーバイク。ダックスホンダ(69年)やモトコンポ(81年)など、「四輪と二輪の合体」はホンダが追い続けてきたテーマなのだ。

フロントにサスペンションが備わった69年のZ50A型
フロントにサスペンションが備わった69年のZ50A型

折りたためるハンドルバー、横に倒しても燃料が漏れないタンクや気化器、さらに横にしても安定するよう、排気管のマフラーとサイレンサーはフレームのなかに収まるように設計されていた。

とにかくキュートなスタイルで、子どもには大いにウケた。子どもにウケても、即売り上げにはつながらないものの、そのあと私は免許をとって、中古モンキー(と中古ゴリラ)を入手した。一度乗ってみたいと思ったからだ。それがいわゆる“刷り込み”である。

前後にサスペンションが装備され一般使用できるロードバイクへ発展した69年型
前後にサスペンションが装備され一般使用できるロードバイクへ発展した69年型

モンキーが大きく変わったのは、まず69年。ホイール径が5インチ(ずっと5インチだった)から8インチへと大型化。フロントサスペンションがついにリジッドからテレスコピック式に。バイクとしての性能が向上したのである。ただし、車載というコンセプトは守られ、70年にはフロント部分が取り外せる仕様まで登場した。

モンキーにとって、もう一つ大きな転機は74年。ホンダはモンキーの車載コンセプトを転換し、ロードバイクへと舵(かじ)を切った。ハンドルバーが折りたためる構造は引き継がれたものの、フレーム構造が見直され、リアにもついにサスペンションシステムが装着された。

ディアドロップ型のタンクやシートの形状がホンダのCBモデルを彷彿(ほうふつ)させる
ディアドロップ型のタンクやシートの形状がホンダのCBモデルを彷彿(ほうふつ)させる

この頃から、レジャーバイクがブームとなり、モンキーのデザインにも多様性が盛り込まれた。タンクが大型化し、一般的なバイクのように、シートよりタンクの存在感が大きくなった。この「Z50j」と、それを発展させた「Z50jz-1」の基本デザインが最後まで続くことに。

今の日本のホンダのラインアップをみると、50ccクラスにモンキーのようなファンバイクは見当たらない。でも、モンキーのことを書いていたら、むかし二輪へ抱いていた憧れと情熱を思い出してしまった。モンキーは小さいのに存在感は大きい、としたのは、そういうわけなのだ。

2006年に登場した40周年スペシャル
2007年に登場した40周年スペシャル

【スペックス】
車名 ホンダモンキーZ50j(1974年)
全長×全幅×全高 1325x615x855mm
49cc単気筒 後輪駆動
最高出力 2.6ps@7000rpm
最大トルク 0.3kgm@5000rpm

(写真=ホンダ提供)

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