「すべてが名場面」声優・山寺宏一が語る『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』

新しい切り口となった『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』
『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』は単なる総集編(ダイジェスト映像)ではない。主人公の古代とともにヤマトへ搭乗し副長として活躍を見せるキャラクター・真田志郎を語り部とし、『宇宙戦艦ヤマト2199』『宇宙戦艦ヤマト2202』で起こる歴史的転換点がドキュメンタリー映画のようなタッチで表現されている。山寺さんも「ド頭からビックリした」と驚きをあらわにした。
「新しい切り口で作品を見事にまとめ上げている。散々見ているはずなのにいろいろ感じることがあり、最後は感動しました。このシリーズはあえて本編にあまり説明がありません。古代が思い悩んでいるときも、モノローグなどは特にない状態で物語が進んでいきます」
「一方『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』では、その時々のキャラクターの心境が真田さん目線で語られます。自分の解釈と照らし合わせながら見ていると胸が熱くなるんです」
同作の中でも嬉々(きき)として山寺さんが語ったのは、ガミラス帝国の地球駐在武官のクラウス・キーマンについてだ。『宇宙戦艦ヤマト2202』から登場する新しいキャラクターであり、名前の通り非常に重要な役割を果たす。そして、デスラーとの関係性も物語の見どころの一つといえる。
「キーマンが登場した際にはデスラーの出番がなくなって、なんだこいつ!と思ったのですが(笑)、物語が進むにつれてどんどん魅力的になっていきます。デスラーとの関係を知ったときには、キーマンへの愛おしさを感じるほど」
「『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』の後半、真田さんの言葉からキーマンのモノローグへ切り替わる場面では鳥肌が立ちました」

『宇宙戦艦ヤマト』のファンである山寺さんが「すべてが名場面」と語る『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』。あらためて見どころを聞いた。
「今回、新録したという真田演じる大塚(芳忠)さんの演技も素晴らしいですし、ナレーションの沢城みゆきちゃんも大活躍。報道番組を見ているような気持ちになるほど(笑)」
『宇宙戦艦ヤマト2199』『宇宙戦艦ヤマト2202』を2時間にまとめているので、すべてが名シーンです。『宇宙戦艦ヤマト』に触れてこなかった人にとっては入門編として楽しめる作品であり、今まで大好きだった人にとっては新しい感動のある作品です。すべての人に見ていただきたいと思っています」
(取材・文=阿部裕華、撮影=かさこ)
やまでら・こういち 6月17日生まれ。宮城県出身。 アクロスエンタテインメント所属。主な出演作に『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』(アベルト・デスラー役)、『カウボーイビバップ』(スパイク・スピーゲル役)、『それいけ!アンパンマン』(めいけんチーズ、カバオくん、かまめしどん役)、『リロ・アンド・スティッチ』(スティッチ役)、『アラジン』(ジーニー役)など。アニメ作品だけでなく海外作品の吹き替えにも数多く携わる。
作品情報
『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202年の選択』

2021年6月11日(金)劇場上映
<スタッフ>
原作:西﨑義展
製作総指揮・著作総監修:西﨑彰司
構成・監修:福井晴敏
ディレクター:佐藤敦紀
脚本:皆川ゆか、福井晴敏
脚本協力:岡秀樹
設定アドバイザー:玉盛順一朗
新作パート絵コンテ・作画:麻宮騎亜
制作:studio MOTHER
配給:松竹ODS事業室
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