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旅する手みやげ いま、お取り寄せしたい京の味<老舗・名店編>

本葛で仕立てた胡麻(ごま)豆腐を香ばしく焼いた。「宮ざわ」両店のコースにも登場する名物

夏の京都の文化を和菓子に託して

6月、和菓子店の軒先に掲げられるのは「水無月(みなづき)」の短冊。京都では、一年の折り返し地点にあたる6月30日に、水無月を食べて無病息災を願うという風習があります。外郎(ういろう)生地に小豆をのせ、三角に切り分けたこの和菓子は、京都人にとって「これを食べないと6月を終えられない」というほど欠かせないもの。コロナ禍の終息を願って、少し早めに水無月を提供しはじめる和菓子店も増えています。

「水無月 ほうじ茶」(1個216円)は、香ばしい茶の香りとあっさりとした後味が夏にぴったり。日持ちは発送日含め冷蔵4日
「水無月 ほうじ茶」(1個216円)は、香ばしい茶の香りとあっさりとした後味が夏にぴったり。日持ちは発送日含め冷蔵4日

祇園「かぎ甚」の水無月は、定番のプレーン、黒糖に加えて、昨夏から「ほうじ茶」味が仲間入り。日本茶専門店「YUGEN」が手がけるほうじ茶粉を生地に使い、小豆の代わりに大白手亡豆(おおしろてぼうまめ)をのせた、新しい水無月です。余韻にふわりとほうじ茶が香る風味は爽やかでキレよく、甘さが苦手な人でも食べやすいはず。「京都らしい味と素材で、京都に行ったような気分になれた」と、お取り寄せされた人からの評判も上々です。

昨春の緊急事態宣言時、「京都らしい味を届けたい」と考案した「白味噌(みそ)水ようかん」(1個972円)。日持ちは発送日含め冷蔵4日
昨春の緊急事態宣言時、「京都らしい味を届けたい」と考案した「白味噌(みそ)水ようかん」(1個972円)。日持ちは発送日含め冷蔵4日

建仁寺や恵比寿神社の傍らで営む「かぎ甚」は、同じく祇園の「鍵善良房」からのれん分けし、今年でちょうど創業100年目を迎える和菓子店。界隈(かいわい)の寺社にちなんだお菓子や、お茶菓子のほか、現代の暮らしやギフトにも合うスタイルの和菓子を提案しています。その一つが、「白味噌水ようかん」。端正な木製容器に流し込まれた羊羹(ようかん)に、ひらりと浮かぶ柚子(ゆず)の皮はまるで金魚のよう。つるりとした質感が目にも涼しげな一品です。

たっぷり入っているので、うつわに取り分けても。付属の山椒(さんしょう)をふりかけると爽やかな刺激が
たっぷり入っているので、うつわに取り分けても。付属の山椒(さんしょう)をふりかけると爽やかな刺激が

「『毎年京都を訪れていたのに今年は行けない』というお客様の声をお聞きして、京都らしさをお届けできる和菓子を、と考案しました」

そう語るのは、4代目・太田雄一郎さん。京都を感じられる素材を模索し、浮かんだのが白みそでした。甘すぎず、ほどよい塩気と爽やかな後口の「山利商店」の白みそが、羊羹に仕立てると新感覚の和菓子に。山椒をふりかけていただくと、ピリリと心地よい刺激が涼を運びます。

「和菓子には、季節の風景や記憶を思い出していただける力があると思います。食べるものというだけではなく、文化や物語をお届けできたら」

「水無月」で厄を祓(はら)い、水羊羹で涼をとる。夏の京都の文化と物語に、思いを馳(は)せてみてください。

かぎ甚
https://kagijin.base.shop/

手間と時間をかけたおかずが、一瞬で食卓に

蒸し暑くなってくると、台所に立つのも億劫(おっくう)になりがち。火を使わずに調理できる一品を冷蔵庫に常備しておくと、夏の炊事の心強い味方になります。西京漬の専門店「京都一の傳」から取り寄せできるのは、最初から香ばしい焼き目を付けた状態でパッキングした「焼き蔵みそ漬」。自宅で調理すると焦がしやすい西京漬ですが、こちらは電子レンジで温めるだけで、ちょうどよい焼き加減でいただくことができます。

「銀だら 焼き蔵みそ漬」(1切れ880円)。骨が少なめで、子どもや年配の人でも食べやすいのもうれしい
「銀だら 焼き蔵みそ漬」(1切れ880円)。骨が少なめで、子どもや年配の人でも食べやすいのもうれしい

海から遠い京都では、魚の保存性を高めながら、おいしくいただく調理方法が発達。みそ床に魚を漬け込む西京漬もその一つです。1927(昭和2)年創業の「京都一の傳」は、「本漬け」という昔ながらの製法で西京漬を作る老舗。厳選した西京みそや伏見の純米酒などを合わせたみそ床に魚を二昼夜漬け込み、さらに、魚の種類や季節によっても微妙に漬け込み時間を調整する、手間のかかる仕込みです。古き良き製法や食文化を守りつつも、手軽に、食卓に取り入れやすい工夫が凝らされているのがうれしいところ。

「食べる銀だら味噌」(1200円)。西京みそ・赤みそを合わせたこっくりとした舌ざわりに、実山椒(みざんしょう)の風味が爽やか。銀だらのほぐし身がたっぷり
「食べる銀だら味噌」(1200円)。西京みそ・赤みそを合わせたこっくりとした舌ざわりに、実山椒(みざんしょう)の風味が爽やか。銀だらのほぐし身がたっぷり

また、西京漬だけでなく、その技術を生かした「ご飯の友」も充実。こちらの「食べる銀だら味噌」は、西京漬に使われる銀だらと同じものをぜいたくに使い、実山椒やクルミをアクセントに加えた一品です。

「白いごはんはもちろん、パンやクラッカーに塗ったり、スティック野菜に付けたりおにぎりの具にしたりと、さまざまな食べ方で召し上がっていただけたら」と広報の藤井綾子さん。

正統派和食のイメージが強い西京漬や西京みそも、手軽で多彩な楽しみ方に進化。老若男女に親しまれる味なので、離れて暮らす家族へのギフトにも最適です。

京都一の傳
https://www.shop-ichinoden.jp/

全国どこからでも、ワンクリックでおいしいものが届く。便利で手軽な「お取り寄せ」だからこそ、作り手は、作るものへの手間や真心は省くことなく送り出しています。封を開けた時、京都の文化や季節を届けられるように…。次に京都を訪ねるときには、どうぞ、お取り寄せした店ののれんをくぐってみてください。

BOOK

旅する手みやげ いま、お取り寄せしたい京の味<老舗・名店編>

京都のいいとこ。

大橋知沙さんの著書「京都のいいとこ。」(朝日新聞出版)が2019年6月7日に出版されました。&Travelの人気連載「京都ゆるり休日さんぽ」で2016年11月~2019年4月まで掲載した記事の中から厳選、加筆修正、新たに取材した京都のスポット90軒を紹介しています。エリア別に記事を再編して、わかりやすい地図も付いています。この本が京都への旅の一助になれば幸いです。税別1200円。

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