&w

上間常正 @モード
連載をフォローする

日本と世界のファッションの歴史が詰まった、高田賢三回顧展

KENZO 装苑賞受賞作品(中央)と1970-80年代の作品(文化学園ファッションリソースセンター所蔵)

「僕のフォークロアスタイルは、意図的に作り上げたもの」

賢三さんの服といえば、世界各地の多様な民族服スタイルが思い浮かぶ人が多いと思う。1964年に勤務先の既製服メーカーから長期休暇を取って、フランス郵船の船で東南アジアやインド、中東など各地に寄港しながらパリに着くまでに見た民族服がアイデアの元になったと言われることが多い。しかし、この回顧展を見ているうちに、あることを思い出した。賢三さんはパリの自宅でのインタビューで、ふとはにかむような表情を浮かべて語った。「僕は、本当は慎重でずる賢いタイプで、僕のフォークロアスタイルは空想や妄想も織り交ぜて意図的に作り上げたものなのです。だから同じスタイルを何度も使えるのだけれども、内容は同じじゃない。それをいつまでも続けることが僕の夢です」

そう語る賢三さんは率直でやさしい人柄に思えた。パリで成功したのは、パリに滞在中の日本人だけではなくフランス人も含めた外国人も喜んで協力したことも大きな力になったからなのだと思う。

日本と世界のファッションの歴史が詰まった、高田賢三回顧展
ショーのフィナーレで登場する高田賢三さん(文化学園ファッションリソースセンター所蔵)

回顧展の会場では、若い人から熟年まで幅広い世代の観客が、服や当時の資料に熱心に見入る姿が目立った。筆者も含めて多くの人にとっては「KENZO」はイメージでしかない。だが、イメージというのは時とともに薄れたり、知らぬままに変化したりする。若い人にとってはただ誰かから、または本などで一方的に与えられものに過ぎないかもしれない。実物を直接見ることは、ともすればゆがみがちなイメージを修正して、さらに厚みをもたらせる絶好の機会になり得る。賢三さんの実物の服には、世界と日本のファッションの歴史がいっぱい詰まっているのだ。

この「Dreams‐to-be-continued 高田賢三回顧展」は、6月27日まで。会期中無休で午前10時~午後7時(入館は閉館の30分前まで)。入館料、一般500円。

REACTION

LIKE
COMMENT
0
連載をフォローする

SHARE

  • LINEでシェア

FOR YOU あなたにおすすめの記事

RECOMMEND おすすめの記事

&MEMBER限定の機能です

&MEMBERにご登録(無料)いただくと、気に入った記事に共感を示したり、コメントを書いたり、ブックマークしたりできます。こうしたアクションをする度にポイント「&MILE」がたまり、限定イベントやプレゼントの当選確率が上がります。

&MEMBERログイン

ID(メールアドレス)
パスワード

パスワードを忘れた方はこちら

&MEMBER登録はこちら

&MILEの加算アクション

  • &MEMBER新規登録:100マイル

    *今後、以下のアクションも追加していきます

  • 朝日新聞デジタル有料会員の継続:100マイル
  • ログインしてサイト訪問:10マイル
  • 記事に「LIKE」を押す:10マイル
  • コメントの投稿:30マイル
  • 自分のコメントに「LIKE」がつく:10マイル
  • アンケート回答:30マイル
  • 「朝日新聞SHOP」での購入:50マイル
  • イベント申し込み:50マイル

&MILEの獲得数に応じてステージがあがり、ステージがあがるごとに
&MEMBER限定のイベントやプレゼントの当選確率が上がります。詳細はこちら