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小川フミオのモーターカー
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パワーと空力と美を追い求めた ベントレー・コンチネンタル

1952年に登場したときは衝撃的だったという斬新なデザイン

個人的に大好きなデザインをあげろと言われたら、すぐ思いつくのがこの「ベントレー・コンチネンタル」。1952年に発表されたモデルなので、古くさく見えるだろうか。

確かに、長く延ばされたリアフェンダーとか、一種異様な感じはあるかも。でも、現代のベントレークーペの原型ともいえるスポーティーな雰囲気もちゃんとあるではないか。

パワーと空力と美。これがコンチネンタルの要件だったそう。欧大陸で需要が高まりつつあったスポーティーな高級車市場のために新しいクーペの開発を迫られたベントレー(と親会社のロールス・ロイス)が手がけたモデルだ。

リアフェンダーのスパッツはクラシックである一方、空力的なシルエットは科学的で新しかった
リアフェンダーのスパッツはクラシックである一方、空力的なシルエットは科学的で新しかった

ボディーデザインは、ロールス・ロイスと、当時ベントレー車の車体を架装していた英国の「HJマリナー」社の、いわば合作。ロールス・ロイスのデザインチームが、空力を考えたクーペの原案を練った。

HJマリナーのデザイナーであるスタンリー・ワッツが、リアオーバーハング(後車輪より後ろの車体部分)をもつファストバックスタイルや、航空機の垂直スタビライザーのようなリアフェンダーなどのアイデアをつけ加えた。そう、歴史書に書いてある。

なだらかな傾斜のファストバックスタイルが特徴的
なだらかな傾斜のファストバックスタイルが特徴的

はたして、コンチネンタルは商業的に大成功。当時は最速(最高巡航速度は時速120マイル=190キロ超)の4人乗り2ドアクーペであり、富裕層がとびついたそうだ。

4リッター超(当初は4.5リッターでのちに4.9リッター)の6気筒エンジンを搭載している巨大なエンジンルームと大型のラジエーターグリルのフロント部分からリアまで、すっと絞ったように細くなっていくプロファイルが、いまの目にも斬新だ。

当時としてはめずらしいラップアラウンドタイプのウィンドシールドはロールス=ロイスの風洞を使い空力を追求した結果だ
当時としてはめずらしいラップアラウンドタイプのウィンドシールドはロールス・ロイスの風洞を使い空力を追求した結果だ

リアタイヤを半分隠してしまうスタイルは、スパッツと自動車用語では呼ばれる。服飾用語であるものの、いまのスパッツではなく、19世紀から20世紀にかけて、男性が靴とソックスが泥で汚れるのを防ぐために上から履いたカバーから命名された。靴と同じように、タイヤが半分見えるから。

55年に、ベントレーが市場競争力をつけるため、シリーズをモダナイズして、「Sシリーズ」を発表。コンチネンタルは継続した(このときを境に、52年登場のコンチネンタルはRタイプコンチネンタルと呼びわけられるようになった)。

パワーと空力と美を追い求めた ベントレー・コンチネンタル
微妙なカーブがボディーのいたるところにあり、美しさに貢献

ただし、Sシリーズのホイールベースは伸びたので、ボディーもそれなりに手が入れられた。同時に、リアフェンダーのスパッツを廃止してタイヤを見せることでパワフル感を強調するなど、時代の波に乗ろうとした。

Sシリーズコンチネンタルも好ましいデザインだけれど、プロダクトというのはオリジナルに、クリエーターの勢いが凝縮されているものである。多少異様に見えても、力強い説得力があるのは、このコンチネンタルでも同様ではないだろうか。私はそう感じている。

【スペックス】
車名 ベントレー・コンチネンタル
全長×全幅×全高 5499x1816x1670mm
4566cc直列6気筒 後輪駆動
最高出力と最大トルク 未発表

(写真=Bentley Motors提供)

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