&M

つながる、ということ
連載をフォローする

「探検に電話持って行きたくない」 角幡唯介さんの信条

山田秀隆撮影

チベット奥地の秘境・ツアンポー峡谷や、太陽が昇らない極夜のグリーンランドなどで、大勢の人が生活を営む社会から孤絶した探検を続けてきた角幡唯介さん。危険と隣り合わせの探検ですが、角幡さんは「できれば電話を持って行きたくない」と話します。現場主義を貫く「イヌイットになりたい」という探検家は、動物や家族、社会とのつながりをどのように考えているのでしょうか。

世界中に広がったコロナ禍で、出歩くことも、人と会うことも、以前のようにはできなくなりました。だからこそ、大勢の人が、つながりについて考え直したようにも思えます。&M、&w、&Travelの3マガジンは、サイトリニューアルを機にマガジン横断インタビュー「つながる、ということ」を企画しました。

――2020年1月から54日間にわたる北極圏の探検は、コロナの感染拡大でカナダの入国許可が取り消される事態に見舞われました。昨年12月に再びグリーンランドに入国し、今年の3月下旬から約1カ月、犬ぞりで探検をされましたが、目的は何ですか?

グリーンランドのシオラパルクという村をベースにして、それより北の地域、できればカナダのほうや北極海のあたりまで進出したいんです。その地域、土地について詳しくなって、自分の活動領域、行動半径をどんどん広げて自分の裏庭みたくしていきたい。この地域に通い続けて、7年目になります。

やりたいのは昔のイヌイットみたいなことですね。昔のイヌイットは、地図とかなかったので、土地の目印を使いながら移動していたわけです。これは現代的な冒険のあり方とは全然違う。通常の冒険とか探検は、地図を見て、線を引いて、計画して行くわけじゃないですか。そうすると、どうしても机上のプランに縛られる。旅の途中では必ず思わぬ事態が起きるわけですが、それを無視して、とにかく計画通り行ったほうが効率的になってしまう。それだとやっぱり面白くないんです。

「探検に電話持って行きたくない」 角幡唯介さんの信条
そり(右)をひく犬たちと今年3月下旬から、1カ月強の探検に出かけた=2021年、角幡さん提供

例えば、アザラシに遭遇した時に、それを捕ることができたら、もっと遠くまで行ける可能性が出てくる。現場の状況を切り捨てるのではなく、積極的に組み込まれることで、逆に可能性は大きく広がる。でも、そうなるには、経年的に通って、どこに獲物がいるのかっていうのを知らないとできないし、技術も必要です。

そういうのを突きつめたいと考えが変わってきた時に、ふと、これって昔のイヌイットがやっていたことだなと気づいたわけです。100年前の探検記を読むと、イヌイットはとてつもなく広いエリアで狩りをしていて、どこにでも行ける。自分もそのレベルの旅行技術を身につけて、どういう世界が広がっているのかを知りたいなと。

NEXT PAGE探検直前、相棒だった犬の死を知った

REACTION

LIKE
COMMENT
0
連載をフォローする

SHARE

  • LINEでシェア

FOR YOU あなたにおすすめの記事

POPULAR 人気記事

※アクセスは過去7日間、LIKE、コメントは過去30日間で集計しています。

RECOMMEND おすすめの記事

&MEMBER限定の機能です

&MEMBERにご登録(無料)いただくと、気に入った記事に共感を示したり、コメントを書いたり、ブックマークしたりできます。こうしたアクションをする度にポイント「&MILE」がたまり、限定イベントやプレゼントの当選確率が上がります。

&MEMBERログイン

ID(メールアドレス)
パスワード

パスワードを忘れた方はこちら

&MEMBER登録はこちら

&MILEの加算アクション

  • &MEMBER新規登録:100マイル

    *今後、以下のアクションも追加していきます

  • 朝日新聞デジタル有料会員の継続:100マイル
  • ログインしてサイト訪問:10マイル
  • 記事に「LIKE」を押す:10マイル
  • コメントの投稿:30マイル
  • 自分のコメントに「LIKE」がつく:10マイル
  • アンケート回答:30マイル
  • 「朝日新聞SHOP」での購入:50マイル
  • イベント申し込み:50マイル

&MILEの獲得数に応じてステージがあがり、ステージがあがるごとに
&MEMBER限定のイベントやプレゼントの当選確率が上がります。詳細はこちら