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海の見える駅 徒歩0分の絶景
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鉄道でしか行けない夜景の最前線 横浜市・海芝浦駅

夕暮れ。足元から広がる京浜運河の向こうには、横浜ベイブリッジも見えた。工場から帰る人々を乗せて、列車は静かに発車の時を待つ

ホームの隣はすぐ運河。改札口から出られず、列車でしか行けない――。そんな風変わりすぎる駅が、東京駅から20キロほどしか離れていない 、横浜市鶴見区にある。その名も、海芝浦(うみしばうら)駅。ここは風変わりなだけでなく、都会では貴重な広い空と、うっとりするような夜景が待っていた。(訪問:2015年1月)

連載「海の見える駅 徒歩0分の絶景」は、アマチュア写真家の村松拓さんが、海のそばにある駅で撮った写真を紹介しながら、そこで出会ったこと、感じたことをつづります。

工場と運河に挟まれた終着駅

横浜市の鶴見駅と、臨海部にある京浜工業地帯を結ぶ、JR鶴見線。全長9.7kmの短い路線を、3両編成の電車がのんびりと行き来する。その様子から、「都会のローカル線」と呼ばれることもあるようだ。

海芝浦駅を訪れたのは、2015年1月の三が日。鶴見駅の2階にある小さなホームから、海芝浦行きの列車に乗り込む。多くの工場が休みのためか、乗客はまばらだ。

最初は住宅街だった車窓は、数分のうちに巨大な工場ばかりに。見慣れない景色に「一体どこに連れて行かれるのか……」と思わずそわそわする。この感覚だけでも、十分に楽しい。途中の浅野駅で急カーブを曲がり、本線と分かれて海芝浦支線へ。運河にぴたりと沿うようにしばらく走ると、終点の海芝浦駅に着く。

昼間の海芝浦駅。ホームの真横は京浜運河、写真左の橋は首都高速湾岸線の鶴見つばさ橋
昼間の海芝浦駅。ホームの真横は京浜運河、写真左の橋は首都高速湾岸線の鶴見つばさ橋

時刻は正午前。ドアが開けば、数メートル先は太陽を受けてきらきらと光る京浜運河。正面には、首都高速湾岸線の鶴見つばさ橋が見え、目の前を大きな船が横切っていく。柵から真下をのぞき込めば、海水が目と鼻の先に迫る。ホームに降り立っただけで、桟橋にいるかのような景色が迎えてくれた。

鶴見つばさ橋と、目の前を横切る船。運河ゆえ、波は穏やかだった
鶴見つばさ橋と、目の前を横切る船。運河ゆえ、波は穏やかだった

そして何より、空が広い。足元から広がる海の青。そして、屋根のないホームの頭上に広がる、冬の澄みわたった空の青。ときおり冷たく吹き抜ける風も、ここではむしろすがすがしい。久しぶりに感じた開放感に、思わずひとり伸びをした。

だが、思いとは裏腹に、そうゆっくりとはしていられない。乗ってきた列車が折り返すタイミングを逃すと、次の列車は2時間後なのだ(2020年3月のダイヤ改正で、1時間20分後になった)。

NEXT PAGE駅なのに、降りられない!

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