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猫が教える、人間のトリセツ
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脱サラ、起業。それが愛。by みるちゃん(飼い主・梁原正寛さん)

人間を思うがままに操る、飼い猫たちの実例集「猫が教える、人間のトリセツ」。
猫と暮らすニューヨーク」の筆者、仁平綾さんと、イラストレーターのPeter Arkle(ピーター・アークル)さんがお届けします。

こぼれ落ちそうなほどの大きな瞳は、吸い込まれそうになる、澄んだエメラルドグリーン。ああ、もう見つめられたら、きっと抗(あらが)えない。そんな目ヂカラ猫のみるちゃん。飼い主の梁原正寛(りょうはら・まさひろ)さんに話を聞けば、やはりそのようで……。愛するみるちゃんのため奮闘する、梁原さんの“猫ファースト(猫第一)”な物語をどうぞ。


「私は、まさに我が子(猫)の要望に応えるべく、商品化をしています」

そうきっぱり言い放つのは、梁原正寛さん。

猫のための自動給餌(きゅうじ)器や、キャットタワーなどを企画・販売する会社を立ち上げた梁原さんのモチベーションの源は、つねに愛猫のみるちゃんだと言います。

これまで猫を飼ったことはなく、「実家で犬と暮らしていたので、どちらかといえば犬派だった」という梁原さんを、熱烈な猫派へと翻(ひるがえ)させたのが、約10年前に家族に迎えたチンチラシルバーのメス猫、みるちゃん。

妻の朋恵さんが、「猫と暮らしたい」とフェイスブックに投稿したところ、友人から生まれたばかりの子猫を譲り受けることに。生後2週間ほどの幼いみるちゃんの写真を見て、梁原さんは「一目ぼれしてしまった」のだそう。

脱サラ、起業。それが愛。by みるちゃん(飼い主・梁原正寛さん)
子猫のとき、みるちゃんの写真を見た朋恵さんの友人が「白くてミルクのよう」と言ったことから、みるちゃんと命名

夫婦共に人生初めての猫。ところが夜遅くまで共働きのため、みるちゃんの食事がどうしても不規則に。また、毎朝4時にみるちゃんが頭部をカリカリ引っかいて起こすため、睡眠の質が悪くなってしまうのも悩みの種だったそう。

あるとき、友人の紹介で自動給餌器なるものを知り、さっそく某大手ショッピングサイトで検索したものの、「当時はファンシーなデザインの商品が多く、インテリアになじむようなものがなかった」と梁原さん。

仕方なく購入した自動給餌器も、操作が煩(わずら)わしかったり、半年で壊れてしまったり……。愛猫みるちゃんも困惑の様子。

そんな姿を見た梁原さん、「こうなったら、パパが作る!」と一念発起。理想の自動給餌器を作るべく、なんと脱サラし(!)、起業することにしたのだといいます。

脱サラ、起業。それが愛。by みるちゃん(飼い主・梁原正寛さん)
毎日18時になると「おなかすいたよー」と鳴く、みるちゃん。よって梁原さんのZoom会議は、18時になると速やかに終わるのが通例です

それまでウェブディレクターだった梁原さん。まったくの異分野での起業にもかかわらず、1年も経たないうちに念願の自動給餌器PETLY(ペットリー)を完成させ、国内外で販売(ちなみに発売は、みるちゃんへの誕生日プレゼントにしたいという親心から、誕生月である7月に。さすがの徹底ぶり!)。

梁原さんにそこまでさせてしまう猫、みるちゃん。その魅力はいったいどんなところに?という問いは、我ながら愚問でした。梁原さんの答えは、「私の愛する娘だから」。

「みるちゃんの行動や様子を見守りながら、彼女のストレスをいかに軽減できるか、彼女が健康で長生きするにはどうしたらいいかを、つねに考えています」

父の愛は、深いのです。

脱サラ、起業。それが愛。by みるちゃん(飼い主・梁原正寛さん)
みるちゃんの性格は「新しいモノ好き。ツンデレちゃん。人見知り」。就寝時は梁原さんに腕枕されて寝ます

そんな梁原さんが、次に開発を試みたものがキャットツリーでした。

あるとき、みるちゃんが自宅玄関に敷かれた人工大理石でおなかを冷やす姿を見て、ヒントを得た梁原さん。

「天然の大理石を土台に使った、地球上でもっともラグジュアリーなキャットツリーってどんなものになるだろう?」と、プロダクトデザイナーに問いかけ、開発をスタート。

大理石、国産木材、北欧のテキスタイルメーカーの布地などをぜいたくに用い、職人技を駆使して製作されたアートオブジェのようなキャットツリーは、100万円という価格にもかかわらず、即売!

さらに、みるちゃんが7歳になった頃には、「シニアの猫でも、長く安心して使えるキャットツリーがあったら」と考え、カリモク家具とコラボしてキャットツリーや、ベッド、テーブルなどの木製家具をプロデュース。

みるちゃんへの愛は、止まりません。

脱サラ、起業。それが愛。by みるちゃん(飼い主・梁原正寛さん)
猫にやさしく心地いい木製家具シリーズ「KARIMOKU CAT」のキャットツリー。楕円(だえん)状のステップでシニア猫のみるちゃんでも安心して登り降りができる設計

ちなみに、みるちゃんですが、開発部長よろしく、発売前の商品すべてに関与しているのだとか。

例えばキャットツリーは、「みるちゃんが登りにくそうにしていたら、すぐさま設計変更。みるちゃんが気にいるかどうかが、開発ステージの重要な指標となっています」と梁原さん。

現在開発真っただ中なのは、「みるちゃんがもっとも喜ぶ、猫の食事です。安心・安全でおいしい食事を食べさせたいと考えています」とのこと。

“キャット・ファースト”をコンセプトに掲げた、猫をしあわせにするものづくりと(というか、完全に“みるちゃん・ファースト”だと思うけれど……)、まな娘みるちゃんへの惜しみない愛は、これからもずっと続くのであります。

脱サラ、起業。それが愛。by みるちゃん(飼い主・梁原正寛さん)
猫の首や体に負担をかけない傾斜と高さのごはん用テーブル。獣医師監修。こちらもKARIMOKU CATシリーズ
脱サラ、起業。それが愛。by みるちゃん(飼い主・梁原正寛さん)
梁原さんが帰宅するまで玄関で待っているというみるちゃん。そのため「あまり夜遅くまで友人と外で過ごすことがなくなりました(笑)」
脱サラ、起業。それが愛。by みるちゃん(飼い主・梁原正寛さん)
梁原さん、愛猫みるちゃんにちなんで、MILL(ミル)という名前の猫雑誌を出版していたことも
脱サラ、起業。それが愛。by みるちゃん(飼い主・梁原正寛さん)
このもふもふの足先、たまりません
脱サラ、起業。それが愛。by みるちゃん(飼い主・梁原正寛さん)
みるちゃんの美しい瞳と、最強の目ヂカラに勝てるものなし
梁原正寛
PROFILE
梁原正寛

RINN代表取締役社長。KARIMOKU CATクリエーティブディレクター。1979年大阪府生まれ。2013年、RINNを創業。「キャット・ファースト」をスローガンに掲げ、猫の健康をサポートし、猫と人が一緒に心地よく過ごせる豊かな暮らしのデザインを目指す。
RINN:https://rinn.co.jp/
KARIMOKU CAT:https://karimoku-cat.jp/
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