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渡辺早織の思い出ちょっぴり、つまみぐい。
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初恋×ばくだん丼 甘酸っぱさとほど遠い、あの時の記憶

料理好きな俳優の渡辺早織が心に寄り添った手料理を紹介する新連載。ほろ苦かったり、甘酸っぱかったり、思い出とつながったご飯はなんだか忘れられません。様々な思いを携えて明日を頑張るあなたの活力になりますように――。そんな思いを込めた料理エッセーです。

初恋×ばくだん丼 甘酸っぱさとほど遠い、あの時の記憶

初恋はいつだろうか。

文字通り“初恋”をたどれば私はまだ5歳で、保育園で同じクラスの男の子がなんとなく気になっていた気がする。

母の迎えの時間がその子のおうちと重なれば、幸運にも保育園から家までの道のりにあるモスバーガーに寄り道してひとときを一緒に過ごすことができた。

初恋×ばくだん丼 甘酸っぱさとほど遠い、あの時の記憶
初恋×ばくだん丼 甘酸っぱさとほど遠い、あの時の記憶

初恋の味はレモンの味なんていうけれど、それでいえば私の初恋の味はモスバーガーである。

でもその時何を話したかも、そもそも自分の名前を何て呼ばれていたかも覚えていないほどの、この甘酸っぱい記憶を恋と呼んでいいかは今となっては自信がない。

初恋×ばくだん丼 甘酸っぱさとほど遠い、あの時の記憶

それではファーストキスは初恋といえるのか?

初恋×ばくだん丼 甘酸っぱさとほど遠い、あの時の記憶

中学3年生の時、公園のベンチで横並びに座って、当時好きだった男の子とはじめてのキスをした。

待ち合わせの公園に向かう時はドキドキしたなんてものではなくて、人生で一番大きな音で自分の鼓動が聞こえたし、自転車をわざとゆっくり漕(こ)いだり、 いちごの香りがするリップクリームを一生懸命塗ったりしてなんとか公園に向かったあの時の気持ちや、公園までの灰色のコンクリートの道のりだって今でもパッと頭に浮かべることができる。

「いちごの味がする」

彼の一言も多分一生忘れられない。

そう言われた途端、すべて見透かされたような気がした私は恥ずかしくて消えてしまいたい気持ちでいっぱいになった。

初恋×ばくだん丼 甘酸っぱさとほど遠い、あの時の記憶

演出された甘酸っぱさは、本物にはなれない。

あの日塗った人工的ないちごの香りのリップクリームは私そのものだったのかもしれない。

初恋×ばくだん丼 甘酸っぱさとほど遠い、あの時の記憶

恋なんて、不器用で、全然うまくいかなくて、気合を入れれば空回りして、一人で自滅して爆発してしまうようなものなのだ。

残念ながらそれは今も昔もあまり変わらない。

レモンやいちごとはほど遠い私の恋の味。

たとえるならば、ばくだん丼とでもいえようか。

本当はさっぱりしていて体に優しいのに、ばくだん丼なんて過激な名前がつけられていて可哀想だといつも思うばくだん丼。

NEXT PAGE10分かからず完成、ポイントは彩りと食感

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