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共に組織は苦手、でも一緒に働く姿が見えた 眼鏡作家、家族として生きる二人 kikiki optique(キキキオプティーク)

眼鏡ブランド「kikiki optique」を運営する小幡夕起子(左)・泰久夫妻/小島マサヒロ撮影 

眼鏡とジュエリーの合わせ技

共に組織は苦手、でも一緒に働く姿が見えた 眼鏡作家、家族として生きる二人 kikiki optique(キキキオプティーク)
小島マサヒロ撮影

 二人が創作活動を始めたのは、個人の作家が自分の作品を発表するためのプラットフォームが充実してきた時期でもあり、これが大きな後押しとなった。

夕起子 私が一番最初に作ったジュエリーのリングは、完成したものをお友達にあげて満足していたんですね。でもそれを見た夫が、これはサイズ展開をして量産してきちんと売ったほうがいいと言ってくれて。ちょうどその頃に、Creemaやminneといった、CtoC(個人間取引)でものを販売するハンドメイドマーケットのオンラインプラットフォームが整ってきていたので、そこに出品してみたら、家計を支えられるぐらいの収入になったんです。

泰久 最初はそれまでの仕事を続けながら、その傍らで少しずつ試していくことができたんですよね。

夕起子 ジュエリーや眼鏡の販売に関してはまったくの素人だったので、もしそうしたプラットフォームがなかったら、独立して仕事にする勇気は持てなかったと思います。

共に組織は苦手、でも一緒に働く姿が見えた 眼鏡作家、家族として生きる二人 kikiki optique(キキキオプティーク)
小島マサヒロ撮影

 プラットフォーム上に「atelier kikiki」名義で出品していた夕起子のジュエリーに、泰久の眼鏡が加わる形で、「kikiki optique」は誕生した。それぞれが一人で手がけていたことを、なぜ「二人」という単位で一つのブランドにまとめたのか。

夕起子 ジュエリーを作る上で、ほかの人と同じものを作っていても仕方がないなと思っていたんです。その解決策として、異素材を組み合わせた作り方ができないかなと考えていたんですけど、夫の実家が眼鏡店だったこともあって、眼鏡の素材に使われているアセテートという綿花由来の樹脂に注目したんですね。

泰久 当初はそのアセテートを使ったジュエリーがブランドの主力商品で、やっていくうちに、眼鏡そのものも作れるんじゃないかと思い始めて。

夕起子 それまでの眼鏡はフレーム全体を一つの素材で作るのが主流だったんですけど、セルと金属を組み合わせたり、異素材のコンビネーションがはやり出したんです。だったら金属の部分にジュエリーの彫金技術を使えば、自分たちの目指すハンドメイドの眼鏡作りを実現できるんじゃないかと。

泰久 怖いもの知らずな発想でしたね(笑)。

共に組織は苦手、でも一緒に働く姿が見えた 眼鏡作家、家族として生きる二人 kikiki optique(キキキオプティーク)
眼鏡のフロントと耳にかける部分をつなぐ「テンプル」。金属を用いる部位では、鋳造技術を生かしてファッション性の高いデザインを追求する/小島マサヒロ撮影

眼鏡が語る豊かな表現の世界

 現在「kikiki optique」の眼鏡は8種類のモデルが販売されている。その中には男性やユニセックスを意識したモデルもあるが、初代モデルが「Girl Journey」と名付けられているように、メインターゲットとして女性に向けたテイストが特に充実している。

共に組織は苦手、でも一緒に働く姿が見えた 眼鏡作家、家族として生きる二人 kikiki optique(キキキオプティーク)
フロント(眼鏡の正面)の端には、眼鏡ごとに設けられたモチーフがあしらわれている/小島マサヒロ撮影

夕起子 夫は可愛いものが好きなんですよ。

泰久 ファッションだと男性のデザイナーがレディースを手がけることも少なくないですし、男性が可愛いものを作っているのはいいなと思っていて。

夕起子 もともと眼鏡は男性の世界のアイテムという印象が強かったんですよね。

泰久 そうだね、ギアというか。

夕起子 男子のためのギア、みたいな。だからどちらかというと可愛い要素が少なかったと思うんです。たとえば「Girl Journey」のレースをモチーフにしたブリッジ(左右のレンズをつなぐ橋の部分)は、わりと女子的な発想だと思うんですけど、私一人ではなかなかそれを形にできないんです。でもこの人の技術がその願いをかなえてくれる。それで実際に作り始めたら注文が殺到して、やっぱり可愛い眼鏡は求められていたのかなと感じましたね。

共に組織は苦手、でも一緒に働く姿が見えた 眼鏡作家、家族として生きる二人 kikiki optique(キキキオプティーク)
ケーキをモチーフにしたアクセサリー/小島マサヒロ撮影

 「眼鏡はパーツが多い分、世界観を作りやすく、遊べる範囲が広い」と二人は言う。「kikiki optique」の場合は、眼鏡とジュエリーを同じブランドから出していることも、その表現の幅を広げている。

夕起子 眼鏡のフレームを作るときにくりぬいた部分のアセテートを使ってピアスにしたり。

泰久 コーヒーをテーマにした「Barista Tone」モデルの眼鏡には、それと合わせられるコーヒー豆のピアスを作ったり、トータルでコーディネートを楽しんでもらえるようにしています。

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