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料理家・冷水希三子の何食べたい?
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目にも舌にも涼を。きゅうりの和え麺

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくれるという夢の連載。今回はすり下ろしたきゅうりを使った、見た目にも味も爽やかな和(あ)え麺をご紹介します。

―― 冷水先生、こんにちは。気温も高くなってきて、台所で火を使うのがややつらくなってきました(笑)。

冷水 夏のお料理あるあるですねぇ。

―― 読者のみなさんも同じお悩みを抱えているようで、最近は火を極力使わず、サッと作れるメニューが知りたい!という声が多いです。

冷水 同感です。

―― 作るのも暑くなくて、さらに食べて暑気払いできるお料理ってないですかねぇ……。

冷水 では冷たい和え麺なんてどうですか? 

―― いいですね! これから夏休みもありますから、お昼にサッと作れる麺料理はとっても助かります。

冷水 食べて暑気払いということなので、ひき肉を炒めたり、火を使う具材は避けて、きゅうりのすり下ろしを乗っけて食べる和え麺なんてどうでしょう?

―― すり下ろしきゅうりですか……? そもそもきゅうりをすり下ろすという発想をしたことがないです。でも気になります~!

目にも舌にも涼を。きゅうりの和え麺
材料はこちら。今回は出汁(だし)に煮干しと昆布を使います。麺はお好みですが細麺~中太麺くらいが軽やかでおすすめです

冷水 あら、意外とおいしいんですよ。きゅうりには独特の青臭みがありますが、暑い日に食べるとそれが爽やかで心地いいんです。

―― 冷やし中華などに使う場合は千切りにしてトッピングしますが、今回はあえてすり下ろしなんですね?

冷水 千切りだと「きゅうりそのまま」という味ですが、すり下ろすことで調味料とよくなじみ、麺全体に絡まるんです。大根おろしと同じ感覚です。

―― なるほど!!

冷水 それでは、タレから作っていきますね。一度にある程度の量を作った方がおいしくできるので、残った分は保存して2回目に使ったり、ほかのお料理に使ったりしてくださいね。

―― はい!

冷水 まずは、煮干しの下ごしらえから。頭と内臓を取り除いていきます。ちょっと細かい作業ですが、これをやらないとせっかくのタレにえぐみが出てしまうので頑張ってください。

―― おいしいもののためなら、エンヤコラですね。

目にも舌にも涼を。きゅうりの和え麺
煮干しの下ごしらえはこんなふうに。頭をもってひねると、内臓と骨を一緒に取り除けます

冷水 あとはタレの材料と一緒に小鍋に入れて火にかけ、沸騰する直前に火からおろします。粗熱が取れたら冷蔵庫で一晩休ませます。

―― 結構時間がかかるんですね……。

冷水 1日休ませた方が煮干しと昆布からおいしい出汁が出ますので。ぜひ前日に仕込んでおいてください。これさえ準備しておけばあとはすごく簡単なので!

―― 暑さが和らぐ夕方や夜に作っておくのもいいですね。

冷水 ここからは食べる直前の工程です。

―― お、これは花椒(かしょう)ですね。ピリリとした風味が夏にいいですね~。

目にも舌にも涼を。きゅうりの和え麺
小鍋に油を入れ、花椒をじっくり加熱。赤い色がだんだん黒く変化してくるので、赤黒くなって香りが立ってきたら火を止めます

冷水 はい、全体の味が引き締まります。多めの油に花椒を入れて、静かに火を入れます。油に花椒の香りを移していく感じです。花椒が赤黒くなって香りが立ってきたら花椒オイルの完成です。

―― わあ、すごくいい香り! これは他のお料理にもいろいろ使えそうですね。

冷水 多めに作って保存しておくと便利ですよ。花椒がオイルにつかっていれば数カ月は保存できますからね。冷ややっこや蒸した魚に少し乗せてもおいしいです。あと、豚しゃぶのタレにも。

―― そして……、いよいよきゅうりの登場ですね!

冷水 はい、今回は皮をむかず、そのまますり下ろしていきます。

―― わ~、すごく奇麗なグリーンです。涼やか~。

冷水 そうでしょう? 目でも涼んでください。

目にも舌にも涼を。きゅうりの和え麺
きゅうりは皮付きのまますり下ろし。おろし金を大きく使って、クルクル円を描くようにすっていきます

―― これは大根おろしのように水分を絞る必要はないんですか?

冷水 きゅうりはほとんどが水分なので(笑)。

―― ですね……。

冷水 あとは麺を茹(ゆ)でて、茹で上がったら氷水でしっかり締めます。その後、しっかりと水けを切るのがポイントです。水けが残っていると、きゅうりの風味が薄まってしまうので。

―― はい!

冷水 さて、盛り付けです。まずは器に作っておいたタレを入れて、そこに麺、それからすり下ろしたきゅうりと花椒オイルをのせます。

―― 最後にタレを回しかけるのではダメなんですか?

冷水 今回はきゅうりのグリーンの鮮やかさを感じていただきたいので、タレは器の底に入れます。

―― 本当だ! きゅうりの青みが口に広がって爽快ですね~。きゅうりだけだとちょっと青臭いかなと思ってしまうのですが、花椒オイルがあるおかげですごくいい塩梅(あんばい)です。

冷水 タレの具合はどうですか?

―― ん? たしかタレには梅干しが入っていたと思うのですが、全然酸っぱさを感じないです……。

冷水 梅干しは酸味要員というよりうまみだったり、出汁の輪郭をくっきりさせるために入れるんです。煎り酒みたいな役割ですね。

―― なるほど~。たしかに、煮干しと昆布の滋味深い風味がきゅうりの風味を邪魔しないで、むしろ引き立てているような感じです。これはすごく上品で、やさしい和え麺ですね。食欲のない日でもツルッと食べられそうです。

冷水 これから暑い日が続きますから、ぜひ作ってみてください。

きゅうりの和え麺

材料(1人分)

  • きゅうり
    1本
  • 中華麺
    1玉

A

  • 濃口醤油(こいくちしょうゆ)
    大さじ1
  • 大さじ2
  • 大さじ2
  • みりん
    小さじ2
  • 煮干し
    15g
  • 昆布
    3cm角
  • 梅干し
    1個

B

  • 花椒
    大さじ1
  • 大さじ6

作り方

  • 煮干しの頭と内臓を取り除く。の全ての材料を鍋に入れて弱火にかけ、沸く直前まで温めて火から下ろす。粗熱が取れたら冷蔵庫で一晩おく。
  • の材料を小鍋に入れて弱火にかけ、花椒が赤黒くなって香りが立ち込めてきたら火から下ろす。
  • きゅうりは皮付きのまますりおろす。
  • 麺を表示通りにゆで、氷水で締めてから水気を切る。
  • 器に1.のタレを小さじ2入れ、4.の麺を加える。その上にきゅうりのすりおろしを乗せ、2.の花椒オイルを適量かけ混ぜて食べる。

料理家・冷水希三子のレシピ

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料理家・冷水希三子のレシピ

なんでもない毎日のごはんのヒント、特別な日の特別なひと皿、この人と食べるごちそう、あるいは遠くのあの人が喜ぶお料理は……?
冷水希三子さんがいろいろな料理のレシピと作り方を教えてくれます。

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