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江戸城に置かれた御三卿の屋敷 「青天を衝け」の城(1)

江戸城の清水門

日本の城を知り尽くした城郭ライター萩原さちこさんが、各地の城をめぐり、見どころや最新情報、ときにはグルメ情報もお伝えする連載「城旅へようこそ」。今回から、NHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」ゆかりの城を紹介します。まずは最後の将軍・徳川慶喜が幼時を過ごした水戸城(水戸市)と、江戸城にあった御三卿の屋敷から。

幕末の情勢細やかに描いたドラマ

NHK大河ドラマ「青天を衝け」が折り返し地点を迎えた。東京オリンピック・パラリンピックの期間は一時放送休止となり、8月には前半の総集編も放送される。

日本銀行前に立つ、渋沢栄一の銅像
日本銀行の向かいに立つ、渋沢栄一の銅像

7月18日までの放送で描かれたのは、主人公の渋沢栄一が幕臣としてヨーロッパへ渡航し、世界の近代文明を目の当たりにするまで。日本資本主義の父と呼ばれた実業家のイメージが強い栄一だが、青年期は倒幕を目指した尊王攘夷(じょうい)主義者だった。敵視していた一橋徳川家に仕え、運命が大きく変わっていく経緯に驚いた方も多かっただろう。

「渋沢×北区 青天を衝け 大河ドラマ館」の入り口
「渋沢×北区 青天を衝け 大河ドラマ館」の入り口

ドラマの前半は幕府の内幕や維新黎明(れいめい)期の情勢が細やかに描かれ、日本が大きく変化していく様子が伝わった。そこで、幕末の情勢をふり返りながら、幕末の城事情や登場人物ゆかりの城を紹介したい。

徳川慶喜の出身、水戸徳川家の水戸城

ドラマでは、15代将軍・徳川慶喜の境遇や苦悩が丹念に描写されていたのも印象的だった。慶喜は一橋徳川家を相続し最後の将軍となったが、もとは水戸徳川家の出身。水戸藩9代藩主・徳川斉昭(なりあき)の七男にあたる。

水戸徳川家は、1609(慶長14)年に徳川家康の十一男・頼房が初代藩主となり成立。以後、居城としていたのは水戸城(水戸市)だ。江戸の水戸藩邸で誕生した慶喜も、斉昭の教育方針により幼少期を水戸で過ごしている。

現在、水戸第一高校がある場所が水戸城の本丸跡だ。敷地内に建つ薬医門は水戸城の貴重な現存建造物で、頼房が水戸藩主になる前、佐竹氏が城主だったときに建てられたと考えられている。本丸橋詰門と推定され、2度の移築を経て1981(昭和56)年に現在の場所に移築復元された。

JR水郡線が走る水戸城の空堀

水戸城は初代・頼房が城と城下町を拡充し、二の丸に御殿を建造。外観が三層、内部が五階で、天守代用の三階櫓(やぐら)も二の丸にあり、1945(昭和20)年の空襲で焼失するまで水戸城のシンボルだった。本丸と二の丸の間の空堀にはJR水郡線が走り、その規模を伝えている。

水戸城の堀切
水戸城の堀切。JR水郡線の線路が敷かれている

三の丸には、斉昭が開いた藩校・弘道館が残っている。少年時代の慶喜も学問や武術を学んだ場所で、大政奉還後に慶喜が数カ月の謹慎生活を送った部屋も残る。2020(令和2)年2月には、正門にあたる大手門が復元された。佐竹氏が城主だった1601(慶長6)年ごろに建てられたとされる。

弘道館
弘道館

将軍家の後継者が選ばれる御三卿

慶喜が相続した一橋家は、「御三卿」の一つだ。御三卿とは、江戸中期に徳川将軍家から分立した三つの大名家(田安徳川家、清水徳川家、一橋徳川家)のこと。将軍家の身内として遇され、将軍家に後継者がいない場合は御三卿から将軍が選出された。

御三卿の屋敷は、徳川将軍家の居城である江戸城(東京都千代田区)の北の丸やその付近にあった。北の丸公園に現存する田安門と清水門は、それぞれ田安家と清水家の屋敷の門として使われた門。いずれも高麗門と櫓(やぐら)門、方形の空間(枡形=ますがた)でつくられる立派な枡形門だ。

NEXT PAGE日本武道館へ行く途中くぐる田安門

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