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30歳からのコンパス
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沢口靖子さん、「キャリア優先」の30代で出会えたもの

女性にとって30歳は、結婚、出産、キャリアなど、生き方を意識するようになる節目です。女性の選択肢が広がるいま、様々な分野で活躍されている方々は、どのような30代を過ごし、その後はどのような選択をしてきたのでしょうか。俳優の沢口靖子さん(56)にお話を聞きました。


「科捜研の女」——。沢口靖子さんを語る上で外すことができないこの作品に出会ったのが、30代半ばだった。今でこそ「科捜研」や「司法解剖」といったワードは一般的だが、このドラマの功績もあって多くの視聴者に認知されるようになったと言えるだろう。沢口さん自身もドラマに出会った20年余り前は「科学捜査研究所? 何だろう?」というのが率直な感想だったという。

沢口靖子さん、「キャリア優先」の30代で出会えたもの

「前に進むしかなかった。立ち止まる余裕すらなかった」

第1回「東宝シンデレラ」でグランプリに輝き、18歳でデビュー。多くのドラマや映画でヒロインに抜擢(ばってき)され、一気にスターダムを駆け上がった。そんな20代のころをこう振り返る。

「山のようにお仕事をいただき、こなすだけで精いっぱいでした。とにかく無我夢中で走っていた」

オファーが次から次へと舞い込む中、沢口さんを苦しめたのが「関西弁」だった。大阪で生まれ育ったため、関西弁のイントネーションがどうしても抜けなかったのだ。そして、標準語で演じることは想像以上に難しかった。

「関西弁は抑揚があるので気持ちを乗せやすいのですが、平坦(へいたん)でスマートな標準語では思うように感情が表現できなくて……。それまでは思考も関西弁だったので、思うこと、感じることを頭の中で標準語に変換することから始めなければなりませんでした」

どんなに家族の声が聞きたくても「両親と話すと関西弁に戻っちゃう」と電話も我慢した。メールなどの連絡手段もない時代、寂しいことも心細いこともあっただろう。それでも逃げ出すことなく俳優業に邁進(まいしん)できた原動力は何だったのでしょうか? と問うと、「何だったんでしょう?(笑)」と、少しおどけ、静かにこう続けた。

沢口靖子さん、「キャリア優先」の30代で出会えたもの

「前に進むしかなかった。立ち止まる余裕すらなかった。若くて真っ白だったから、がむしゃらにぶつかっていけたのかもしれませんね」

とはいえ、常に葛藤はあった。その清楚(せいそ)な美しさからお嬢さま、お姫さま的な役柄が多く、それが「俳優・沢口靖子」のパブリックイメージに。

「名前とイメージだけがどんどん先に行ってしまい、それを私自身が一生懸命追いかけているような感覚でした。仕事でも実力以上のものを求められ、そこに追いつこう、追いつかなきゃと必死だったように思います」

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