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幕末の動向反映する全国の台場 「青天を衝け」の城(5)

丸岡藩が築造した梶台場(丸岡藩砲台跡)

日本の城を知り尽くした城郭ライター萩原さちこさんが、各地の城をめぐり、見どころや最新情報、ときにはグルメ情報もお伝えする連載「城旅へようこそ」。今回は大河ドラマ「青天を衝(つ)け」ゆかりの城の第5回、「台場」です。幕末に全国各地に構築された台場から見えてくることとは?

幕末、全国に800~1000カ所設置

「お台場」は幕末の砲台が由来! 品川台場〉で紹介したように、1853(嘉永6)年にアメリカのペリー艦隊が来航した後は、外国船を監視・迎撃するため全国各地の沿岸部に約800〜1000カ所の台場が設置された。

品川台場(東京都港区)は、江戸幕府が江戸湾を警備すべく品川沖の海上に築造した台場だ。このほか、箱館開港に伴う函館湾口の防備目的の弁天台場(北海道函館市)、大坂湾の警備強化を目的とした堺台場(堺市)、楠葉(くずは)台場(大阪府枚方市)、高浜砲台(大阪府島本町)などが幕府により築かれた。

品川台場の一つ、第三台場
品川台場の一つ、第三台場
品川台場の一つ、御殿山下台場跡
品川台場の一つ、御殿山下台場跡

坂本龍馬も警備していた浜川砲台

江戸近辺にも、各藩によりたくさんの砲台が置かれた。たとえば浜川砲台(東京都品川区)は、土佐藩が藩の下屋敷の警備のため幕府に願い出て築造した台場だ。下屋敷には立会川北側の荷揚場も含まれていたため、その沖を埋めて砲台を設置した。江戸詰めの武士が動員され、坂本龍馬も警備にあたっていたという。跡地には現在、据えられた8門の大砲のうちの一つ、6貫目ホーイッスル砲が原寸大で復元展示されている。

浜川砲台跡に復元された大砲
浜川砲台跡に復元された大砲

松山藩が築き警備した神奈川台場

神奈川台場(横浜市)は、横浜港の防衛のために伊予(現在の愛媛県)の松山藩が築き警備した台場だ。1859(安政6)年に横浜が開港すると、横浜の対岸に勝海舟の設計で築造され、翌年に完成した。国防以外にも外交的役割があり、西洋諸国に倣い祝砲や礼砲の発射が行われていたという。

現在は埋め立てられその面影はないが、発掘調査により地中に残された巨大な台場の姿が明らかになっている。隅部が突出するコウモリのような形の稜堡(りょうほう)式で、本体からは「取渡り道」と呼ばれる2本の道が陸に向かって伸びる珍しい構造だった。

明石海峡や日本海沿岸にも構築

各藩は領国内にも、それぞれ海防目的の台場を築いた。舞子砲台(神戸市)は、明石海峡防衛のために明石藩が勝海舟の設計で設置した砲台だ。対岸の淡路島にも徳島藩が海峡防衛のため、松帆台場(兵庫県淡路市)を構築している。

京都北部に位置する小浜藩でも、異国船を警戒して海防体制を強化。1851(嘉永4)年に幕府に台場築造を届け出ると、1854(安政元)年に鋸崎(のこぎりざき)台場や松ケ瀬台場(いずれも福井県おおい町)を築造している。

丸岡藩では、ペリー来航前年の1852(嘉永5)年に日本海沿岸警備のための梶台場(丸岡藩砲台跡、福井県坂井市)を完成させている。

設計した栗原源左衛門は、大河ドラマ「青天を衝け」にも登場した高島秋帆(しゅうはん)の門人と伝わる人物だ。日本海に突き出す海岸部に設けられ、まさに海防警備の砲台場という印象。東西33メートル、高さ1.8メートルの弓形の胸墻(きょうしょう、敵弾を防ぎ射撃の便をよくするための盛り土)が残り、海に向かって五つの砲眼(砲丸を発射するための穴)が開かれている。

梶台場(丸岡藩砲台跡)
梶台場(丸岡藩砲台跡)

下関戦争の舞台となった長州藩の台場

長州藩が築造した下関前田台場(山口県下関市) は、下関戦争の舞台として知られるところだろう。関門海峡を通過するアメリカ、フランス、オランダの商船や軍艦への砲撃に備えた低台場と、フランス軍に上陸を許し、低台場を破壊された後で増設された高台場で構成されていた。

NEXT PAGEほぼ原型残る鳥取藩の由良台場

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