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料理家・冷水希三子の何食べたい?
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スパイス香る“よだれ鶏”で、本格おうち中華

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は家でも本格的な味が出せる、冷水流の“よだれ鶏”をご紹介します。

―― 冷水先生、こんにちは。すっかり秋めいてきましたね。この季節の夜の空気、好きなんです。

冷水 わかります。暑すぎず、涼しすぎず。気持ちの良い季節ですねぇ。

―― そろそろ火を使ったお料理も苦にならなくなってきたので、リクエストも色々来ています! 去りゆく夏を惜しんで、ビールに合うお料理が知りたいという声も多いです。

冷水 まだまだ飲みましょう!

―― あとは、引き続き外食に行きづらいご時世ということで、家でもお店で食べるような本格的な料理を味わいたいという声も多いです。

冷水 とはいえ、“簡単に作れるやつ”ですよね(笑)。

―― お察しの通りです……。

スパイス香る“よだれ鶏”で、本格おうち中華
様々なスパイスを煮詰めて作る“甜醤油(テンジャンユ)”。おうち中華が一気に本格的になる魔法の手作り調味料です

冷水 では、中華料理の前菜で人気の“よだれ鶏”はどうですか? スパイスさえそろえれば、調理工程自体はとても簡単です。ビールにも合うし、いつもとは違った風味を味わえますよ。

―― “よだれ鶏”! 私も大好きです。あれが自宅で作れるんですか!? それはぜひ教えていただきたいです。

冷水 ポイントは“よだれ鶏”の風味のベースとなる醤油(しょうゆ)ダレ(甜醤油〈テンジャンユ〉)を作ることです。今日はそこに黒酢や茹(ゆ)で鶏のスープを加えて“よだれ鶏”のたれにしますが、練りごまを加えて和(あ)え麺のたれにしたり、“ちょい足し”することで色々な料理に応用できるんです。

―― それは便利そう!

冷水 じゃあまずは甜醤油から作りましょう。材料を全て鍋に入れて、弱火にかけます。沸騰したら火を弱めて、全体の水分量が3/5くらいになるまで、ゆっくり煮ます。

―― ネギの青い部分、しょうがスライス、八角、ローリエ、シナモンスティックに花椒! スパイスの多国籍軍じゃないですか!

冷水 ふふふ、これが本格的な味の秘訣(ひけつ)です。冷めたらこして、清潔な瓶に入れてください。1カ月ほど冷蔵庫で保存できます。レシピの分量より多めに作るときでもネギやしょうが、スパイス類の分量は増やさなくて大丈夫です。

スパイス香る“よだれ鶏”で、本格おうち中華
やわらかく、旨味(うまみ)あふれる茹で鶏を作るコツのひとつが、鶏肉の量に合ったサイズのお鍋を使うこと。鶏肉2枚の場合は直径18cm程度のお鍋がベストです

―― それは多めに作らないと損ですね!

冷水 次に茹で鶏を作ります。今日はもも肉とむね肉の両方を1枚ずつ使います。部位が違っても調理法は同じなので、ぜひ両方作って、食感や味わいの違いを楽しんでください。

―― むね肉は火が入ると硬くなりがちだから、ちょっと心配です……。

冷水 やわらかく仕上げるポイントは火を消すタイミングです。沸騰した鍋に鶏肉を入れて、再び沸く直前に火を消します。あとは余熱で30分ほど熱を入れると、むね肉も硬くならず、ジューシーに仕上がりますよ。

―― ほったらかし茹で鶏ですね! 楽ちんだし、最高です。

冷水 茹で鶏のお楽しみは、おいしいスープが取れることです。鶏肉を取り出したあと、スープだけ再度沸騰させるとアクが出てきますので、それを取り除けば絶品の鶏出汁(だし)スープになりますよ。

―― すごく澄んで、キラキラしたスープです~。

冷水 鶏肉はいったん冷やしますが、そのときは茹で汁のスープに浸した状態で冷蔵庫へ。水分が抜けず、しっとりと仕上がります。

スパイス香る“よだれ鶏”で、本格おうち中華
茹で鶏のうれしい副産物が鶏出汁スープ。鶏肉を取り出した後、再度沸騰させるとアクが出るので、それを丁寧に取り除くと、澄んだ風味のスープになります

―― なるほど! スープの海に沈めておくわけですね。

冷水 あともうひとつポイントがあるとしたら、鶏肉を茹でるお鍋のサイズです。今日は鶏肉2枚に対して直径18cmの鍋を使いました。お肉の量に対してお鍋のサイズが大きいと水の量を増やさなくてはなりません。その分、どうしても鶏肉の旨味が水に出てしまうんです。

―― なるほど! だからレシピに茹でる際の水分量が書いてあるんですね。確かにお鍋のサイズが大きいと、この水量では鶏肉がしっかりと水に浸りませんね。

冷水 お肉の味もそうですし、茹で汁のスープも味が薄くなってしまいます。どうしても大きなサイズのお鍋しかない場合は、一度に茹でる鶏肉の量を増やすといいですよ。

―― その手がありましたか! その場合、水分量はどうしたらいいですか?

冷水 お肉全体が浸る量でお願いします。

―― わかりました!

冷水 鶏肉が冷えたら、あとはたれを仕上げるだけです。先ほど作っておいた甜醤油に鶏スープと黒酢、酢を加えて完成です。スライスした鶏を器に持って、そこにたれを回しかけます。好みでラー油や、以前この連載で紹介した花椒オイルを添えると、より本格的な味になりますよ。

スパイス香る“よだれ鶏”で、本格おうち中華
仕上げにラー油と手作りの花椒オイルを。さらに風味がアップし、お店顔負けの本格中華に仕上がります

―― 花椒オイル! これですね。このオイル、お肉にもお魚にもよく合って、この夏ヘビロテしました! ラーメンにちょっと垂らすのもおいしかったです。

冷水 花椒オイルも保存が利くので、多めに作っておくとすごく便利です。さて、あとはお好みでパクチーやスライスしたきゅうりなどを添えて完成です。

―― おおお……。もも肉は安定のおいしさですが、むね肉の食感が革命的です! 信じてもらえないかもしれないですけど、ふわふわです!

冷水 そうなんです、むね肉、おいしいでしょう?

―― たくさんスパイスを使ったので、刺激的な味かと思っていたら、すごくやさしいですね。スパイスがふんわり香る感じで、とても上品です。かと思いきや、要所要所で花椒オイルがピリリとして、心地いいリズムです。

冷水 花椒オイルが入るとビールが進みますね。

―― 今回は“よだれ鶏”でしたが、茹で汁の鶏スープのラーメンを作って、茹で鶏をトッピングにしてもいいですね。冷やし中華もいいかも!

冷水 甜醤油をアレンジして好みのタレを作るといいですよ。

―― わあ、すごくぜいたくな麺ですね! 

冷水 アレンジを考えるのも楽しいので、ぜひ甜醤油、作ってみてください。

よだれ鶏

材料(4人分)

甜醤油の材料

  • 濃口醤油
    100ml
  • 30ml
  • 紹興酒(酒でも代用可)
    30ml
  • みりん
    30ml
  • 砂糖
    30g
  • ネギの青いところ
    1本分
  • しょうがスライス
    1片分
  • 八角
    2個
  • ローリエ
    2枚
  • シナモンスティック
    1本
  • 花椒
    小さじ1/2

甜醤油の作り方

  • 鍋にすべての材料を入れて弱火にかける。
  • 全体の水分量が3/5程度になるまで(15分ほど)煮たら火を止める。冷めたらザルなどでこす。

茹で鶏の材料

  • 鶏もも肉
    1枚
  • 鶏むね肉
    1枚
  • 600ml
  • 25ml
  • 紹興酒(酒でも代用可)
    25ml
  • ネギの青いところ
    1本分
  • しょうがスライス
    1片分
  • 花椒
    小さじ1/2
  • 小さじ1/2

タレの材料

  • 甜醤油
    大さじ2
  • 茹で鶏のスープ
    大さじ2
  • 黒酢
    小さじ2
  • 小さじ2

トッピング

  • 長ネギ
    適量
  • パクチー
    適量
  • 鶏肉は余分な脂を切り取る。
  • 鶏肉以外の材料を厚手の鍋(今回は直径18cmを使用)に入れて強火にかける。沸騰したら鶏肉を加え、再び沸く直前で火を消す。そのままふたをして、余熱で30分火を通す。
  • 2.から鶏肉を取り出して、スープが入った鍋を強火にかける。沸騰するとアクが出るので、ザルでこして奇麗にする。
  • 3.のスープの粗熱が取れたら茹で鶏を戻し入れ、冷蔵庫で冷やす。
  • タレの材料を全て混ぜ、スライスして器に盛った4.の鶏肉の上にかける。花椒オイルとラー油を好みの量かけ、みじん切りにした長ネギとパクチーをのせる。好みできゅうりスライスを添える。

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