&M

On the New York City! ~現代美術家の目線で楽しむニューヨーク~
連載をフォローする

NY独自のサブカルチャーが続々 現代美術家が教えるセカンド・アベニューの注目スポット6選

現代美術家・伊藤知宏さんがアーティスト目線でニューヨーク(以下、NY)の街をリポートする連載「On the New York City! 」。

今回の舞台はマンハッタンの東側の大通りセカンド・アベニュー(以下、2Ave)。このエリアに点在する注目の文化施設を厳選して紹介します。

独自のサブカルチャー生む2Ave

2Aveは、マンハッタンの東側にある南北に伸びる大通りだ。その中でも、イーストビレッジ地区をまたぐ1ストリートと14ストリートの間のエリアは、今もダウンタウンの重要な文化施設が点在し、NY独自のサブカルチャーを作り出し続けている。

僕は他のエリア以上に、このエリアのギャラリーに通っている。今回は僕のオススメの2Aveの文化施設を、14ストリートから1ストリートへ南下しながら紹介する。

僕の住むブッシュウィック地区(B)からイーストヴィレッジ地区の2 Ave(②)へは地下鉄のLトレインで1 Ave駅または3 Ave駅で降りる。駅を出て1ブロック、約5分ほど歩くと2 Aveにつく。 
僕の住むブッシュウィック地区(B)からイーストビレッジ地区の2 Ave(②)へは、地下鉄のLトレインで1 Ave駅または3 Ave駅に向かい、駅を出て1ブロック、約5分ほど歩くと到着する 

ザ・ポエトリー・プロジェクト

2 Aveを14ストリートから5分ほど徒歩で南下する。右手に緑に囲まれた教会が見える。マンハッタンで2番目に古い教会、セントマークス教会だ。ここは、半世紀以上前から地元のアーティストにとっての重要な場所でもあり、ザ・ポエトリー・プロジェクトやダンスペース・プロジェクトといった団体がイベントを行う。そしてザ・ポエトリー・プロジェクト主催のイベントは僕のお気に入りが多い。

セントマークス教会の外観。正面(写真左) 2Aveから撮った教会。多くの緑に囲まれている 筆者撮影
セントマークス教会の外観。左の写真は 2Aveから撮った教会。多くの緑に囲まれている(筆者撮影)

ザ・ポエトリー・プロジェクトは1966年、詩人のポール・ブラックバーンが開始。セントマークス教会を中心に活動し、詩の朗読などのライブ・プログラム、ワークショップ、出版活動などを通じて、現代詩を専門家から一般の人々に至るまで幅広く提供してきた。

新旧のアーティストらのパフォーマンスを主催し、過去には詩人のフランク・オハラやビート詩人のアレン・ギンズバーグ、谷川俊太郎らも公演を行った。毎年大みそかから正月を通して、New Year’s Day Marathonと題し、多くの詩人やアーティストらによる大規模なパフォーマンスも行っている(昨年は150人のオンライン公演だった)。 

僕は友人らのパフォーマンスや2019年に亡くなった映像作家ジョナス・メカスさんの葬式などを見たことがある。教会の中で行われるという独自の意味やプロジェクトの歴史から、この場所で自身の作品を発表することは、他の場所でパフォーマンスを行う以上の意味を感じられる。

スイス・インスティテュート・コンテンポラリー・アート・ニューヨーク

セントマークス教会をさらに南下すると左手に一階に大きなガラスのある白い建物がある。この建物の入り口は、素晴らしいデザインの美しい本やZine(手作りの小冊子)が敷き詰められているのが窓ガラスを通して見える。

建物の中の入り口のみが本のセレクトショップ「プリンテド・マター/セントマークス」、地下から2階までのギャラリーのスペースがスイス・インスティテュート・コンテンポラリー・アート・ニューヨーク (以下SI)だ。

SIとPrinted Matterの外観。スタイリッシュな建物。 筆者撮影
SIとプリンテド・マターの外観。スタイリッシュな建物(筆者撮影)
NY独自のサブカルチャーが続々 現代美術家が教えるセカンド・アベニューの注目スポット6選
プリンテド・マター/セントマークスの様子。ローワー・イースト・サイドのアーティストブックや出版物の歴史に関連するプログラム、書籍などに力を入れている(プリンテド・マター提供)

プリンテド・マターは本のセレクトショップで、厳選された本を実際手にとって見ることができる。この小さなスペースでは、本の発売、朗読、パネルディスカッション、パフォーマンス、製本ワークショップ、小規模な美術展などのイベントを精力的に主催している。この店は2018年にできた2号店だ(本店はチェルシー地区)。彼らのインスタグラムでもオススメの本を積極的に紹介している。僕もこの場所でZine制作の講習を受けたが、情熱的な人ばかりで人種を超えて非常に楽しめた。

一方SIでは、展覧会やイベントを通して革新的で実験的な気鋭のアーティストたちの作品が見られる。入場は無料。視覚芸術、舞台芸術、デザイン、建築の分野でスイスの文脈から見た国際的に影響力のあるアーティストを紹介している。

8月29日まで行われていたJAN VORISEKのNO SUN展の様子。
1階部分。斬新な空間の使い方をしたインスタレーション。
Installation view of Curved Passage, 2021. PVC strip curtain, dry wall, carpet, speakers, modular synthesizer. Photo by Daniel Perez, courtesy of Swiss Institute.
(写真上)
2階部分。あまりに斬新すぎたため、なぜか気分がすっきりした作品。
Installation view of Dog Cloud, 2021. Video installation with plastic curtain, carpet, window film, dry wall, projector, speakers, metal tags, zinc alloy. Video: 13 minutes 39 seconds. Photo by Daniel Perez, courtesy of Swiss Institute.
(写真下)
写真上:8月29日まで行われていたJAN VORISEKのNO SUN展の様子。1階にあった斬新な空間の使い方をしたインスタレーション(Installation view of Curved Passage, 2021. PVC strip curtain, dry wall, carpet, speakers, modular synthesizer. Photo by Daniel Perez, courtesy of Swiss Institute.)

写真下:2階部分。あまりに斬新すぎたため、なぜか気分がすっきりした作品(
Installation view of Dog Cloud, 2021. Video installation with plastic curtain, carpet, window film, dry wall, projector, speakers, metal tags, zinc alloy. Video: 13 minutes 39 seconds. Photo by Daniel Perez, courtesy of Swiss Institute.)

クライン・シアター

この小さな劇場はダウンタウンのoffブロードウェーまたはOff-offブロードウェーの最も有名なシアターの一つ。中に入ると年季の入った黒い壁面と99席の赤い客席が、いい意味で気取らない、なんとも言えない昔ながらの作りだ。この場所でのパフォーマーたちの情熱的で前向きなエネルギーは、いつも僕を元気にさせてくれる。

シアターのエントランス。1階がKraine Theater、2階がKGB Barが同じビルに入っている。 筆者撮影(写真左)
シアターでの公演の様子Photo by Rob Neill, The Infinite Wrench - The New York Neo-Futurists(写真右)このThe New York Neo-Futuristsは9月17日に同シアターで対面の公演を再開する。美術運動、未来派に裏打ちされたコンセプトの元気で楽しい、インテリジェンスな舞台だ。
写真左:シアターのエントランス。1階がKraine Theater、同じビルの2階にはKGB Barが入っている(筆者撮影)

写真右:シアターでの公演の様子。このThe New York Neo-Futuristsは9月17日に同シアターで対面の公演を再開する。美術運動「新未来派」をコンセプトにした元気で楽しい、インテリジェントな舞台だ(Photo by Rob Neill, The Infinite Wrench – The New York Neo-Futurists)
NEXT PAGEバー、シアター、文化施設など、他にも注目スポットがずらり

REACTION

LIKE
COMMENT
0
連載をフォローする

SHARE

  • LINEでシェア

FOR YOU あなたにおすすめの記事

POPULAR 人気記事

※アクセスは過去7日間、LIKE、コメントは過去30日間で集計しています。

RECOMMEND おすすめの記事

&MEMBER限定の機能です

&MEMBERにご登録(無料)いただくと、気に入った記事に共感を示したり、コメントを書いたり、ブックマークしたりできます。こうしたアクションをする度にポイント「&MILE」がたまり、限定イベントやプレゼントの当選確率が上がります。

&MEMBERログイン

ID(メールアドレス)
パスワード

パスワードを忘れた方はこちら

&MEMBER登録はこちら

&MILEの加算アクション

  • &MEMBER新規登録:100マイル

    *今後、以下のアクションも追加していきます

  • 朝日新聞デジタル有料会員の継続:100マイル
  • ログインしてサイト訪問:10マイル
  • 記事に「LIKE」を押す:10マイル
  • コメントの投稿:30マイル
  • 自分のコメントに「LIKE」がつく:10マイル
  • アンケート回答:30マイル
  • 「朝日新聞SHOP」での購入:50マイル
  • イベント申し込み:50マイル

&MILEの獲得数に応じてステージがあがり、ステージがあがるごとに
&MEMBER限定のイベントやプレゼントの当選確率が上がります。詳細はこちら