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永瀬正敏フォトグラフィック・ワークス 記憶
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(127) 地下鉄で培った役者魂 永瀬正敏が撮ったニューヨーク

国際的俳優で、写真家としても活躍する永瀬正敏さんが、世界各地でカメラに収めた写真の数々を、エピソードとともに紹介する連載です。つづる思いに光る感性は、二つの顔を持ったアーティストならでは。今回は米国・ニューヨークの地下鉄。永瀬さんにとって、役者の心構えを学んだ場所だったというのです。

(127) 地下鉄で培った役者魂 永瀬正敏が撮ったニューヨーク
©Masatoshi Nagase

ニューヨークを訪れた時は、よく地下鉄を利用する。

以前も書いたが、1990年に4カ月間だけ、
映画「ミステリー・トレイン」のスタッフの皆さんに呼んでいただいて、
マンハッタンに滞在していたことがある。

プロデューサーのジム・スターク氏のアパートに居候させていただいて、
ほぼ英語もしゃべれないまま、毎日を過ごしていた。
当時、ほとんどお金がなく、毎日近くのデリでピザを1ピースだけ買って(でもデカイ!)過ごしたりしていたので、移動手段は徒歩か地下鉄だった。
今はもうメトロカードに変わっているが、その頃はトークンというメダルのようなものを買って、地下鉄を利用していた。

地下鉄内、そこで出会う人たちの姿に、さまざまな影響を受けたような気がする。
絵に描いたような酔っ払い、ただ前を見つめて座っているサラリーマン、
子供を抱えて幸せそうな家族……。

僕にはお芝居の基礎がない。
劇団に入って勉強したり、演技のレッスンを受けたりしたことが一度もない。
なので、デビューしたての頃は、ひたすら地下鉄やバスに乗り、人々を観察していた。
街に出て、日常からヒントをつかもうとしていた。

その癖はいまだに残っているのかもしれない。
「この人はどんな日々を過ごしてきたのだろう……例えば……」
などと、勝手に想像してしまうことが多々ある。

写真を撮る時にもついついその想像癖が顔を出し、シャッターを切ったりする。
この歪(いびつ)に切り取られた写真の中に写っている人たち。
この人たちの日々に遭遇した瞬間、過ぎ去る地下鉄の電車のように、
僕の想像癖がまた動き始める。

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