渡辺早織の思い出ちょっぴり、つまみぐい。
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引っ越し×エビ蒸し餃子 自分だけの宝物、いまは誰かと

どうやって作るのだろう。インターネットで調べると、どうやら浮き粉というものを使うらしい。うーん。初めて聞いたし、どこにでも売っているわけではなさそう。もっと手軽に作れないかとさらに調べると、コーンスターチで代用できることが分かった。安心してスーパーに向かう。コーンスターチを手にとり、中の餡(あん)用に、むきエビと細切りたけのこの水煮を買った。

よし! さっそく作るぞ!

渡辺早織さん

もちもちの皮はコツいらず、エビもプリッと

まずは中の餡づくり。エビは食べた時にプリッとした食感が残るよう大胆に粗みじんに。今回はシンプルだけど気分でひき肉やニラなどを混ぜてもおいしそう。

つづいて皮をつくる。コーンスターチにお湯をいれてお箸で混ぜたら、あとはこねるだけ。拍子抜けするほどコツも何もいらなかった。小麦粉なんかとも全然違う、ぺとっとした手触りに、なるほどこれがもちもちの原型かと納得する。100円均一で買ったスケッパーで細かくわけたり、円に伸ばしたりしてあっという間に皮ができあがった。

エビ餃子
(撮影:渡辺早織)

餃子の要領でひだをつくって、もう片面をぺちっと閉じれば見覚えのある形ができあがった。なんだかとっても嬉(うれ)しい。たまに不格好になるのも手作りならではということで自分を許容する。せいろにきちんと並べて、蒸しあがるのをしばし待つ。

あの時のセットを再現してみようと、蒸している間に簡単な汁そばとカフェオレも用意した。

それではいただきます。

エビ蒸し餃子
(撮影:渡辺早織)

あの時の自分にかけたい言葉

せいろのふたを開けると、プルッと透明感のある皮に包まれたあのエビ蒸し餃子があった。嬉しくて、なんだかこそばゆい。

一口でほおばる。もちもちとした皮は弾力があり、中のエビは想像以上にプリッと仕上がった。おいしい。手をかけただけあり、本格的な仕上がりだ。もちろん同じ味ではないけれど、あの時抱いた高揚感はしっかりと私の胸によみがえった。

小さなひとつを大切に噛(か)みしめたあの時も、次のひとつに手をのばしパクパク食べる今のこの時間も、違うように見えるけど、変わらない幸せな気持ちをもたらしてくれた。

渡辺早織さん

おおげさではなく、私は点心を自分だけの宝物のような気持ちで見ていた。でも、今は違う見方ができるようになってきたかもしれない。おいしいねって言いながら誰かと一緒に食べたいし、一緒に食べてくれる家族や友達もたくさん思いつく。

もし戻れるならあの時の自分に声をかけてあげたい。
「心配しなくて、大丈夫だよ」

次は何を作ろうかな。

渡辺早織さん

写真:田中裕馬

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