山城さくらのキャンプFM
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はじめてのキャンプは、秋が良い

キャンプ好きのライター山城さくらさんが、ソロキャンプの体験や注目のキャンプギア、専門家に聞いたテクニックなどを紹介する連載コラムです。

きちんと対策を打てば年間を通じて楽しめるキャンプですが、山城さんは初めての人には秋がおすすめと言います。その理由とは? 山城さんが自身のキャンプデビューを振り返りながら、季節ごとのキャンプの魅力をつづります。

     ◇◆◇

飽き性な私がずっとキャンプを続けていられるのは、季節があるからだと思う。

基本的にアクティブに動くよりも、家でだら〜っぼけ〜っとしている方が好きなため、基本キャンプに行っても積極的にアクティビティーを楽しんだり周りのキャンパーさんと交流したりすることもない。

それでも、やっぱり外で過ごすのは気持ち良いし非日常感があって今でも少しワクワクする。

なにより季節を体いっぱいに感じられることがうれしい。春に新芽が芽吹いているのをみると生きてるな〜と生命の尊さと力強さを感じるし、ばか暑い日に川に足をつけながらだらだと漫画を読むのも、冬に冷えるね〜と言いながらたき火で温めた熱かんをちびちびやるのも大好き。ちなみに景色は冬が一番好き。

それでもやっぱり思い入れがあるのは、生まれてはじめてキャンプをした秋のキャンプだ。

それでもやっぱり思い入れがあるのは、生まれてはじめてキャンプをした秋のキャンプだ。

はじめてキャンプをしたのは6年前。同僚である「しみちゃん」からの誘いだった。その頃は今ほどははやっていなくて、周りでもSNSでもキャンプしている同年代をほぼみかけなかった。そんな時にしみちゃんからのあまりに突然な「キャンプしない?」の一言に、すごくワクワクしたのを覚えている。

はじめてのキャンプは、秋が良い

当時の私の頭の中は、大好きなアイドルグループと彼氏と美容に支配されていて、悩みといえば次のボーナスでmiu miuのバッグを買うかどうかくらいだった。かわいらしい格好が好きだったため、スニーカーすら1足も持っていなかった。繰り返しになるが、当時私の周りにキャンプをしている人はいなかったし、メディアでアウトドアが特集されることも今ほど多くはなかったように思う。

だからこそキャンプ場というものが存在しているなんて気にしたこともなかったし、キャンプは学校の野外活動のイメージしかなかった。それでも友達と2人で火をおこして外で寝る。かわいくてキラキラしていない遊びに心惹(ひ)かれた。

はじめて買ったキャンプギアはプラスチックのマグと、Helinoxの椅子とモンベルの一番安い寝袋。この先、道具が増えたときのことを考えてそれぞれテーマカラーを決めて、私は黄色、しみちゃんは赤を買った。

この先、道具が増えたときのことを考えてそれぞれテーマカラーを決めて、私は黄色・しみちゃんは赤を買った。

テントはしみちゃんの2人用テントにお邪魔することにして、その代わりに私はサングリアを作って持っていくことにした。

キャンプ地は、旅感を楽しめるように家からほんの少しだけ遠いことと、富士山が見えることが決め手になり田貫湖キャンプ場へ。当日は今では考えられないほどの空き具合で、私たちの他にもう1組カップルがいたけれど広い敷地内の中で離れていたので、ほぼ貸し切り状態だった。

当日は今では考えられないほどの空き具合で、私たちの他にもう1組カップルがいたけれど広い敷地内の中で離れていたので、ほぼ貸し切り状態だった。

時間をかけて設営をして、サングリアで乾杯。当時流れていたCMの曲を口ずさみながらビールを飲んだり、あらかじめ決めておいたキャンプらしい料理を作ったりした。

はじめてのキャンプは、秋が良い
時間をかけて設営をして、サングリアで乾杯。当時流れていたCMを口ずさみながらビールを飲んだり、あらかじめ決めておいたキャンプらしい料理を作ったりした。

歌ったりふざけ合ったり、この日の私たちはいつにもまして陽気だったと思う。
富士山は少し帽子をかぶり、秋晴れではなかったけど湖には色をつけた紅葉がうつり、気持ちの良い風が吹いていた。

富士山は少し帽子をかぶり、秋晴れではなかったけど湖には色をつけた紅葉がうつり、気持ちの良い風が吹いていた。

暗くなりだすころに、メインイベントのひとつ「たき火」を開始。といっても私はどうして良いかわからず隣で火がつくのをぼーっとみていた。ゆらゆらとした今にも消えそうな小さな火にしみちゃんが何度か息を吹きかけると、ボウッと一気に大きな火に変わる。

暗くなりだすころに、メインイベントのひとつ「たき火」を開始。

お酒をちびちび飲みながら、仕事の話とかをしたと思う。内容は覚えていないけど、当時27歳。仕事の話とか結婚の話とか、あとは好きなアイドルの話とかしてたんじゃないかなあ。

そろそろ寝ようかと久しぶりに時間を確認したらまだ22時くらいで笑った。これは今でもかわらない、現実世界よりも時間の流れがゆっくりに感じるキャンプ時間。テントの中に入ってもそもそ着替えて化粧を落とす。生まれてはじめて入る寝袋はそれだけで楽しくて非日常感を加速させた。

生まれてはじめて入る寝袋はそれだけで楽しくて非日常感を加速させた。

薄い布の向こうは外。風の音が聞こえる。わくわくしすぎて眠れないんじゃないかと思ったけど、予想以上に疲れていたみたいでふたりともあっという間に寝てしまった。

次の日の朝、鳥の声で目がさめた。テントのジップをそっとあけると……

紛れもなく今までで一番素敵な朝だった。

はじめて景色を見て感動したかもしれない。紛れもなく今までで一番素敵な朝だった。キャンプがこんなにぜいたくな遊びだったなんて知らなかった。

はじめてのキャンプは、誰しも平等に1回だけ。私はあの日の幸せが忘れられなくて今もキャンプを続けているんだと思う。だからこそ、私にとって秋は特別な季節。

春よりも虫が少なく、夏よりも過ごしやすく、冬よりも軽装備で楽しめる秋キャンプ。

春よりも虫が少なく、夏よりも過ごしやすく、冬よりも軽装備で楽しめる秋キャンプ。キャンプを始めるか迷っている人はこの季節にはじめてみるのはいかがでしょうか。一度きりのはじめてのキャンプが素敵な思い出になりますように。

ちなみに、その後しみちゃんと軽い気持ちで軽装備で年越しキャンプを試みて大変な思いをしました(笑)。冬キャンプの前に秋キャンプで練習することを心からおすすめします。

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