クルーズへの招待状
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マグナ・カルタ号の小さな川旅 英国づくしテムズ川クルーズの思い出(後編)

花を愛(め)で、木々を仰ぎながら進む川旅(写真はいずれも上田寿美子撮影)

テムズ川の調べに乗り、マグナ・カルタはウィンザーまでやってきました。英国の田園絵画の中を旅するような日々。6人だけの小さな世界で親しみを増す船内生活。旅も後半となり、終点ハンプトン・コート宮殿までのリバークルーズでは何が待っているのでしょうか。

連載「クルーズへの招待状」は、クルーズ旅の魅力や楽しみ方をクルーズライターの筆者がご紹介します。

名門「イートン校」からマグナ・カルタ署名地ラニーミードへ

4日目、英国王室の居城ウィンザー城を午前中に見物し、午後は伝統あるパブリックスクール「イートン校」(King‘s College of our Lady of Eaton beside Windsor) に行くことになりました。このウォーキングツアーには、めずらしく料理長も一緒に行くことになりました。なぜなら彼の父親がイートン校の卒業生で、父親の青春時代の学びやを案内してくれることになったからです。料理長は当時20代の若さでしたが、ケータリング会社の料理長も務めていて「ウィンザー城で開かれたエリザベス女王の祝賀会のための12人の料理人の1人に選ばれた経歴もある」と語っていました。彼の料理は伝統の英国料理やフランス料理からモダンな創作料理まで幅広く、クルーズ中の食事は大きな楽しみでした。

名門パブリックスクール「イートン校」
名門パブリックスクール「イートン校」

イートン校は1440年ヘンリー6世によって創立された名門パブリックスクールで、多数の王室関係者や首相をはじめ著名人を輩出したエリート校です。ドーム形の図書館、荘厳なチャペルなど歴史を感じる重厚な建物が立ち並び、中庭にはヘンリー6世の像が立っていましたが、授業中らしく、実際にこの学校の生徒は見ることができませんでした。そこで、「イートン校の生活博物館」に行ってみると、独特の制服や帽子、イートン校の習慣などの展示があり、とくに有名な「イートン・ウォール(壁)ゲーム」の所では、料理長と船長がこの複雑で勇ましいボールゲームの解説を熱弁してくれました。

船に戻り、ウィンザー城を見上げながらアフタヌーンティーをのんでいると、マグナ・カルタはゆっくりとテムズ川にこぎ出し、水門を越え、ラニーミードまでやってきました。ここは、1215年ジョン王がマグナ・カルタ(大憲章)に署名した場所として知られています。まさに、マグナ・カルタ号に乗って訪れるべき町と言えるでしょう。

夕暮れのテムズ川も趣深い
夕暮れのテムズ川も趣深い

王室牧場ゆかりの店と、イングリッシュガーデン散策

5日目の朝食は料理長特製のエッグベネディクトが出てきました。この船では、多種のソーセージやベーコン、目玉焼き、マッシュルームソテー、ベイクドビーンズ、ベイクドトマトなどとトーストの典型的英国式朝食が基本ですが、前日に「軽い朝食を」「エッグベネディクトが食べたい」「私はフルーツとヨーグルトのみ」などの希望を言っておくと、それにこたえてくれました。船内での過ごし方や、上陸してからの希望も相談に乗ってくれるので、「まるでチャーター船のようだな」と思いました。

午前中は、ラニーミードから、船長が運転するミニバンに乗って「ウィンザーファームショップ」へ。ここは、ウィンザー城の王室牧場にいる豚・羊・牛肉などの畜産品、ジャムやチーズ、そして、地元の野菜、果物、ハチミツなどを販売する店でした。「王室ゆかりの店」と聞いて、さぞ高額なのかと想像していましたが、手ごろな価格と種類の多さに感激! 船長は、さよならディナー用にチーズやワインを買い込んでいました。

さらに、英国らしさを味わうためにイングリッシュガーデンの「サヴィルガーデン」も訪問しました。1930年代に創園された庭園には、サクラ、マグノリア、スイセン、ミズバショウなどが百花繚乱(りょうらん)。キジや水鳥もいる美しい庭園でした。しかし、あいにく雨が降り出したので、帰りにマグナ・カルタ(大憲章)の記念碑を見て、急ぎ船に戻りました。

色とりどりの花が美しいサヴィルガーデン
色とりどりの花が美しいサヴィルガーデン

新しいゲームを教わり、絶景ジェットバスで乾杯!

実は、今日の午後はウェントワースゴルフクラブでプレーできるように船長が予約してくれていたのですが、大雨のためキャンセル。お城のようなクラブハウスと、1964年から2007年まで「ワールドマッチプレイ選手権」の舞台でもあった名門ゴルフコースに行けなくなったことは、とても残念でした。

がっかりした私を慰めるようにクルーズディレクターが「では、午後の時間が空いたから、みんなでスキップ・ボーというゲームをしませんか」と提案してくれました。これは数字カードなどを使うゲームですが、私にとっては初めてのゲーム。やり方を教わり、早速、クルーズディレクターとアメリカの夫婦と始めると、あっという間に時がたち、まるで、親戚の家の茶の間でゲームに興じている感覚になりました。振り返れば、乗客3人、乗組員3人だけで進んでいく小さな川旅は、日を追うにつれ、相手の気心もしれ、親しみが増していきました。乗客の間でも、サロンや食卓で座る場所も徐々に定まっていき、一人で本を読んだり、時にはおしゃべりしながら一緒にビールを飲んだり、小さな世界ならではの穏やかで、温かい交わりが心地よいものでした。

スキップ・ボーを終え、しばらくすると、クルーズディレクターがうれしいお知らせを運んできました。

NEXT PAGE終点は幽霊のうわさもあるハンプトン・コート宮殿

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